天皇陛下65歳誕生日:記者会見、一般参賀、祝宴など
天皇陛下記者会見:戦後80年と平和への思い、ご家族について
天皇陛下は2月23日、65歳の誕生日を迎えられ、誕生日を前に記者会見に臨まれました。会見では、戦後80年の節目を迎え、戦争体験のないご自身と皇后さまが、上皇ご夫妻から戦争体験や平和への思いを聞かれたことを踏まえ、「戦争の記憶が薄れようとしている今日、戦争を体験した世代から戦争を知らない世代に、悲惨な体験や歴史が伝えられていくことが大切であると考えております」と述べられました。また、日本国及び日本国民統合の象徴として、上皇陛下のお気持ちをしっかりと受け継ぎ、国民に寄り添いながら象徴としての責務を果たしていく決意を表明されました。さらに、この1年の印象的な出来事として各地で発生した自然災害を挙げ、能登半島地震の被災地への訪問経験を詳細に語られました。 長女の愛子さまについては、社会人として成長されている様子を喜び、防災やボランティア活動への関心の高まりを伝えられました。皇位継承順位第2位の悠仁さまについては、成年を迎え筑波大学への進学が決まったことを喜び、実りある大学生活を送られることを願うと述べられました。 皇后さまの国際親善活動やご自身のプライベートな時間についても触れられ、家族との穏やかな時間や音楽、登山などへの関心を語られました。 会見では「水」問題への関心の深さも示され、能登半島地震における複合災害の経験から、災害への備えの重要性を訴えられました。
天皇誕生日一般参賀:国民との触れ合いと祝福
2月23日、天皇陛下の65歳の誕生日を祝う一般参賀が皇居で行われました。厳しい寒さの中、7000人以上が参列し、天皇、皇后両陛下、愛子さま、秋篠宮ご夫妻、佳子さまは宮殿のベランダに3回にわたりお出ましになり、集まった人々に手を振って応えられました。天皇陛下は、大雪などによる被害への見舞い、そして穏やかな春を願うお言葉を述べられました。一般参賀に訪れた人々は、両陛下の被災地へのご尽力や平和への願いに感謝の言葉を述べていました。 午後には一般の人々を対象とした記帳も受け付けられ、一日で2万3000人以上が皇居を訪れました。
天皇誕生日祝宴:5年ぶりの開催と国際親善
午後には、5年ぶりに宮殿で「宴会の儀」が行われました。新型コロナウイルスの影響で延期されていた祝宴は、約120人の規模で執り行われ、皇族方、石破首相、各界代表者らが参加しました。天皇陛下は、皇后さまをはじめ皇族方とともにテーブルにつき、石破首相らの祝賀に感謝の言葉を述べ、日本酒で乾杯されました。さらに、天皇陛下は、日本に駐在する各国の大使夫妻などからも祝賀を受けられました。 また、天皇皇后両陛下は、上皇ご夫妻に誕生日を報告するため、赤坂御用地にある仙洞御所を訪問されました。秋篠宮ご夫妻の長男である悠仁さまも、両陛下と愛子さまにごあいさつするため皇居を訪問されました。
産経新聞社説:感謝と喜びを噛みしめたい
産経新聞は社説で、天皇陛下65歳の誕生日を祝うとともに、戦後80年の節目を迎える今年、陛下が慰霊の旅やモンゴルへの公式訪問で平和への願いを表明されることに大きな意義があると論じています。 また、悠仁親王殿下の成年式が執り行われることにも触れ、皇統の永い歴史と、世界で最も古い皇室を戴く喜びを改めてかみしめたいと結んでいます。