2025年最新動向：北海道の地震活動と未来への備えを徹底解説！

はじめに

北海道は、その雄大な自然と豊かな恵みで私たちを魅了してやまない地域ですが、同時に地震活動が活発な場所としても知られています。特に近年、千島海溝や日本海溝といった巨大地震の発生が懸念される海域に面しており、その動向は常に注目されていますね。2025年に入ってからも、北海道では頻繁に地震が観測されており、私たち一人ひとりが地震に関する最新情報を知り、適切な備えをすることが非常に重要になっています。

この記事では、2025年の北海道における最新の地震活動に焦点を当て、その具体的な状況や、将来予測されている巨大地震のリスクについて詳しく解説していきます。また、道が進める最新の防災対策や、私たち住民ができる備え、そして過去の大きな地震である北海道胆振東部地震からの復興状況にも触れ、多角的に北海道の地震問題と向き合っていきたいと思います。

地震はいつどこで起こるか予測が難しい自然現象ですが、正しい知識と備えがあれば、その被害を最小限に抑えることが可能です。この記事が、皆さんの防災意識を高め、安心して暮らせる北海道を守るための一助となれば幸いです。

2025年7月に相次ぐ震度4以上の地震：その詳細と影響

2025年7月、北海道では複数回にわたり、震度4以上の地震が観測されました。これらの地震は、地域住民の皆さんに改めて地震への意識を高めるきっかけとなっています。

7月28日 十勝地方南部を震源とするM5.3の地震

最も直近では、2025年7月28日午後0時10分頃、北海道の十勝地方南部を震源とするマグニチュード（M）5.3の地震が発生しました。この地震では、日高地方東部の浦河町と十勝地方南部の更別村で最大震度4を観測しています。札幌市東区や千歳市などでも震度3の揺れが観測され、広い範囲で揺れを感じた方もいらっしゃるのではないでしょうか。震源の深さは約50kmと推定されており、この地震による津波の心配はありませんでした。

北海道庁によりますと、この地震による人的被害や家屋への被害は、今のところ確認されていないとのことです。しかし、札幌近郊の一部列車では、原因調査のために運休や遅れが発生し、約4000人に影響が出たという情報もありますので、日々の交通情報にも注意が必要ですね。

7月29日 北海道東方沖でM4.8の地震

また、翌日の2025年7月29日午後8時52分ごろには、北海道東方沖を震源とするマグニチュード4.8の地震が発生し、根室市で最大震度1を観測しました。この地震も津波の心配はありませんでした。

これらの直近の地震は、マグニチュードや震源の深さから見て、大規模なプレート境界型地震とは異なるタイプと考えられますが、頻発する地震活動は、改めて私たちの足元にある地震のリスクを再認識させるものです。

2025年5月〜6月の活発な地震活動

7月の地震に先立ち、2025年5月から6月にかけても、北海道の太平洋側を中心に比較的活発な地震活動が見られました。

5月15日 十勝地方中部での震度4

2025年5月15日午後10時06分頃には、十勝地方中部を震源とするマグニチュード4.5、深さ約90kmの地震が発生し、浦幌町で震度4を観測しました。この地震も津波の心配はありませんでした。

5月23日 日高地方東部での震度4

2025年5月23日午前6時28分頃には、日高地方東部を震源とするマグニチュード5.6の地震が発生し、浦河町と様似町で震度4を観測しました。この地震による人的・住家被害、ライフラインや交通への影響は午前8時30分現在で確認されていませんでした。

5月31日 釧路沖でのM6.1の地震

さらに、2025年5月31日午後5時37分ごろ、北海道の釧路沖を震源とするマグニチュード6.1の地震が発生しました。この地震では、釧路市、えりも町、浦幌町、釧路町、標茶町、標津町で最大震度4を観測しています。震源の深さは20kmと推定されており、沿岸では若干の海面変動がある可能性はあったものの、津波被害の心配はありませんでした。

6月上旬 十勝沖でのM6.1とM5.2

2025年6月2日午前3時51分頃には、北海道の十勝沖を震源とするマグニチュード6.1、深さ27kmと推定される地震が発生し、浦幌町と大樹町で最大震度4を観測しました。帯広市、釧路市、浦河町、えりも町、広尾町などでも震度3を観測しています。十勝沖を震源とする地震で震度4以上を観測するのは、2020年5月以来、5年ぶりとのことです。この地震のメカニズムは、北西ー南東方向に圧力軸を持つ逆断層型と解析されています。

また、その翌日である6月3日には、ほぼ同じ震源でマグニチュード5.2の地震が発生し、最大震度3を観測しました。北海道太平洋側では、5月下旬からマグニチュード5〜6クラスの地震が多く発生しており、今回の地震はプレート境界の深さとほぼ同じ深さで発生していることが指摘されています。

これらの地震は、単独の現象として捉えられることが多いですが、専門家の中には「地震は時々固まって起こることもある」と指摘する声もあります。しかし、これらの地震が直ちに巨大地震の引き金になるかどうかは不明とされており、過度に不安を煽るのではなく、冷静に適切な備えをすることが呼びかけられています。

北海道に迫る巨大地震のリスク：千島海溝・日本海溝の動向

北海道は、地球のプレートが複雑に重なり合う、世界でも有数の地震多発地帯に位置しています。特に、北海道の太平洋沖に広がる「千島海溝」と、その南に連なる「日本海溝」は、将来的に巨大地震が発生する可能性が非常に高いとされており、その動向は日本全体の防災計画において極めて重要な位置を占めています。

千島海溝沿いの巨大地震予測と甚大な被害想定

千島海溝沿いでは、今後30年以内にマグニチュード（M）9クラスの巨大地震が発生する確率が7〜40％と予測されています。これは、極めて高い確率であり、この予測は、東北大学などの研究グループが2019年から5年間にわたり根室沖の海底を調査した結果、地震発生の要因となる「ひずみ」が蓄積されていることが判明したことによります。

この調査では、海洋プレート（太平洋プレート）が陸側のプレート（北米プレート）の下に沈み込む「海溝軸」の両側に設置されたGPS観測点からのデータが用いられました。結果として、海洋プレート上の観測点は年間約8cm陸側へ移動しており、海溝軸に近い陸側プレートの観測点も同様に年間約8cm移動していることが明らかになりました。これは、プレート同士が強く固着し、「応力」が継続的に蓄積されていることを示しています。特に、十勝沖から根室沖にかけて広範囲でこの「固着領域」が確認されており、これが巨大地震のエネルギー源となる可能性が指摘されています。

もし、千島海溝沿いでM9クラスの巨大地震が発生した場合、北海道には甚大な被害が想定されています。2021年の予測では、M9.3の地震が発生した場合、太平洋側の襟裳町では最大27.9m、釧路でも20.7mもの巨大津波が押し寄せるとされています。これにより、北海道における津波による死者は最大10万6000人に上る可能性があり、約8万4千棟の建物が損壊するとの推計も発表されています。

日本海溝・千島海溝沿いの「北海道・三陸沖後発地震注意情報」

国は、日本海溝と千島海溝沿いで巨大地震の可能性が高まった場合に、「北海道・三陸沖後発地震注意情報」を発表する体制を整えています。この情報は、大地震の後にさらに大きな地震が発生する可能性に注意を促すもので、発令された際には、イベント開催の中止や休校などの対応が検討されることになります。2025年3月7日には、この情報発表時のイベント開催や休校に関する対応状況が報じられ、9割以上の自治体で詳細が未定であることが明らかになりました。

このような予測と情報開示は、私たち住民にとって不安を抱かせるものかもしれませんが、同時に「今、何をすべきか」を考える重要なきっかけとなります。過去の歴史を振り返っても、この地域では17世紀にM9クラスの超巨大地震が発生し、北海道の内陸部まで津波が到達した痕跡が残っています。

科学的な予測が進むことで、私たちはより具体的にリスクを認識し、適切な備えを進めることができるようになりました。次章では、これらのリスクを踏まえ、北海道がどのような防災対策を進めているのか、そして私たち個人ができる備えについて詳しく見ていきましょう。

最新の防災対策と住民の備え

北海道では、将来予測される巨大地震のリスクに対し、行政と住民が一体となって様々な防災対策を進めています。最新の訓練や情報提供、そして私たち一人ひとりが日頃からできる備えについてご紹介します。

行政による具体的な防災訓練の実施

北海道では、想定される巨大地震とそれに伴う大津波に備え、実践的な訓練が定期的に実施されています。2025年4月17日には、北海道・自衛隊・開発局などが参加し、大津波を想定した対応訓練が実施されました。この訓練には約100人が参加し、被害情報の収集や対応手順の確認、連携体制の強化が図られました。

特に注目すべきは、2024年の能登半島地震で支援物資の輸送に課題があったことを踏まえ、今回の訓練から新たに輸送業者が参加した点です。これにより、災害発生時の物流確保の重要性が再認識され、よりスムーズな支援物資の供給体制の構築を目指しています。また、沿岸部の避難者を内陸部などの安全な場所へ移す段取りも具体的に確認されました。

このような訓練は、机上だけではない、実際の災害時に即した対応能力を高める上で不可欠です。行政機関だけでなく、民間企業や地域住民も巻き込んだ訓練は、地域全体の防災力向上に繋がります。

防災情報の公開とアクセスの促進

北海道は、住民が地震やその他の災害情報にアクセスしやすいよう、様々な取り組みを行っています。北海道のホームページには「北海道防災ポータル」が設けられており、緊急情報や避難情報、防災気象情報などが集約されています。

また、北海道総務部危機対策局危機対策課は、X（旧Twitter）などを活用して最新の災害情報や注意喚起を積極的に発信しています。例えば、2025年7月28日には、十勝地方南部を震源とする地震の発生を受け、人的・住家被害の状況や交通への影響について迅速に情報提供を行いました。

さらに、2025年3月17日には、国土交通省が運営する「ハザードマップポータルサイト」が改良され、洪水、土砂災害、高潮、津波などのリスク情報を地図上に重ねて表示できる機能が強化されました。これにより、自宅や職場周辺の災害リスクを誰もが手軽に確認できるようになっています。ハザードマップの確認は、いざという時の避難経路や避難場所を事前に把握する上で極めて重要です。

地域インフラの防災対策

災害時の避難経路の確保も重要な課題です。JR北海道では、2025年3月27日にJR根室線に新たな踏切を新設すると発表しました。これは、JR北海道では20年以上ぶりとなる新設で、日本海溝と千島海溝沿いの巨大地震による津波被害の想定エリアにおける、災害時の避難経路としての活用や、物流促進、渋滞解消なども期待されています。

個人や家庭でできる備え

行政や社会インフラの対策が進む一方で、私たち一人ひとりが日頃からできる備えも非常に大切です。

* **ハザードマップの確認と避難計画の策定:** 自宅や職場、よく利用する場所のハザードマップを確認し、地震や津波、土砂災害などのリスクを把握しましょう。家族で避難場所や連絡方法、集合場所などを話し合い、具体的な避難計画を立てておくことが重要です。
* **非常持ち出し袋の準備:** 災害発生後すぐに持ち出せるよう、最低限必要な食料、飲料水、常備薬、懐中電灯、ラジオ、携帯電話の充電器などをまとめておきましょう。3日分、できれば1週間分の備蓄が推奨されています。
* **家具の転倒防止対策:** 地震による負傷原因の30〜50%は、家具の転倒や落下によるものとされています。家具の固定、扉のロック、重いものを低い位置に置くなどの対策を講じることが命を守る上で非常に重要です。
* **建物の耐震化:** 築年数の古い住宅では、耐震診断や耐震補強を検討することも大切です。自治体によっては補助金制度を設けている場合があるので、調べてみる価値はあります。
* **正確な情報の入手:** 災害発生時は、デマや誤情報が拡散されやすい状況になります。テレビ、ラジオ、スマートフォンの防災アプリなど、複数の信頼できる情報源から正確な情報を得るように心がけましょう。気象庁や自治体の公式発表を常に確認することが肝心です。

「北海道・三陸沖後発地震注意情報」のように、具体的な注意情報が発表された際には、日中の避難行動を検討したり、揺れた際に安全な場所へ避難するシミュレーションを行ったりするなど、普段からの意識と行動が重要になります。

これらの対策は、いざという時に自分自身と大切な人の命を守るためのものです。日頃から少しずつでも備えを進めていくことが、安心して暮らせる北海道に繋がります。

2018年北海道胆振東部地震からの復興状況

2018年9月6日に発生した北海道胆振東部地震は、北海道全域に大規模な停電（ブラックアウト）を引き起こし、厚真町では広範囲にわたる土砂崩れが発生するなど、甚大な被害をもたらしました。震度7を観測したこの地震は、北海道が経験したことのない規模の災害であり、その後の復旧・復興は大きな課題となりました。

地震発生から6年が経過し、被災地である厚真町、安平町、むかわ町では、着実に復興が進められています。2025年新年特集の記事では、これら3町の町長がそれぞれの復興への取り組みと今後の展望について語っています。

各町の復興の歩みと課題

* **厚真町（宮坂 尚市朗町長）：**
厚真町では、特に森林再生が喫緊の課題となっています。地震により多くの山林が崩落し、その復旧には長い年月がかかります。町では、単なる復旧にとどまらず、エネルギー転換を推進し、新たな地域づくりを目指しています。自然災害からの学びを活かし、持続可能な地域社会の構築に向けて、様々な取り組みが行われているようです。

* **安平町（及川 秀一郎町長）：**
安平町の及川秀一郎町長は、就任わずか4ヶ月で被災するという困難な状況に直面しました。しかし、この逆境をチャンスと捉え、地域の経済活性化に力を入れています。特に、JRを活用した活性化策は、地域の交通インフラと連携した新しい取り組みとして注目されています。被災によって露呈した課題を乗り越え、より強靭なまちづくりを目指している様子がうかがえます。

* **むかわ町（竹中 喜之町長）：**
むかわ町では、「事前復興計画」が復興の鍵となっています。竹中喜之町長は、災害発生前から復興に向けた具体的な計画を策定しておくことの重要性を強調しており、防災への備えを「最重要」と位置付けています。事前の準備と計画が、迅速かつ円滑な復興を可能にするという考え方は、他の自治体にとっても参考になる点が多いでしょう。

復旧・復興推進本部の活動

北海道では、知事を本部長とする「北海道胆振東部地震被災地域復旧・復興推進本部」が設置され、計画的かつ円滑、迅速な復旧・復興対策が進められてきました。特に被害が大きかった胆振総合振興局にも地方本部が設置され、地域の実情に合わせた支援が行われています。

復旧・復興に向けた取り組みは多岐にわたり、被災者への支援、義援金・ボランティアの受け入れ、道路などのインフラ復旧、そして「写真で振り返る胆振東部地震〜復旧・復興のあゆみ」のような記録活動も行われています。これらは、単に元の状態に戻すだけでなく、より災害に強い地域、より住みやすい地域を目指す「創造的復興」の精神が貫かれていることを示しています。

継続的な支援の必要性

地震から時間が経過しても、被災地では依然として様々な支援を必要としています。ボランティア活動や義援金、そして被災地産品の購入などを通じた間接的な支援も、復興を後押しする大切な力となります。

北海道胆振東部地震からの復興は、単なる物理的な回復だけでなく、心のケアやコミュニティの再構築といった多面的な課題を含んでいます。これらの取り組みは、将来発生しうる巨大地震への備えとしても、貴重な経験と教訓を提供してくれています。

まとめ

2025年の北海道は、7月に十勝地方南部や北海道東方沖で震度4の地震が観測されるなど、活発な地震活動が続いていますね。5月、6月にも十勝沖や釧路沖などで震度4〜5クラスの地震が複数回発生しており、私たちの日常に地震が身近な存在であることを改めて実感させられます。

しかし、北海道が直面している最も大きな地震のリスクは、千島海溝沿いで今後30年以内に7〜40％の確率で発生すると予測されている、マグニチュード9クラスの巨大地震です。この地震が発生した場合、最大27.9mもの津波が押し寄せ、最大10万6000人もの死者が出る可能性も指摘されています。 東北大学などの研究からは、千島海溝ではすでに巨大地震を引き起こす「ひずみ」が蓄積されていることが明らかになっており、この「固着領域」の存在は、非常に現実的な脅威として認識されています。

このような状況に対し、北海道では官民一体となった防災対策が進められています。2025年4月には、大津波を想定した実践的な対応訓練が実施され、能登半島地震の教訓を活かした物資輸送の改善や避難経路の確認が行われました。 また、JR根室線に新たな踏切が新設されるなど、インフラ面での防災強化も進められています。

私たち住民一人ひとりができる備えも非常に重要です。ハザードマップで自宅周辺のリスクを確認し、家族で避難経路や避難場所、連絡方法を話し合う「家庭内防災会議」は必須ですね。非常持ち出し袋の準備や家具の転倒防止対策も、命を守る上で欠かせない行動です。 北海道防災ポータルサイトやXなどの情報源をこまめにチェックし、常に最新の情報を得るように心がけましょう。

そして、2018年の北海道胆振東部地震からの復興も着実に進んでいます。厚真町、安平町、むかわ町では、それぞれの地域特性を活かしながら、森林再生や経済活性化、事前復興計画の策定など、未来を見据えた「創造的復興」が推進されています。 これらの取り組みは、次に起こりうる災害への備えとしても、貴重な経験と教訓となっています。

地震は予測が難しい自然災害ですが、過度に恐れるのではなく、正しい知識と日頃からの備えを積み重ねていくことが、被害を最小限に抑える唯一の方法です。私たち一人ひとりが防災意識を持ち続け、自助・共助・公助の連携を強化していくことで、安心して暮らせる北海道の未来を築いていけるはずです。

雑談力向上委員会

編集部