なぜ夏になると汗でベタベタ？実は「汗をかく理由」を知らないと損するかも！

「うわ、また汗で服がびっしょり…」「なんか今年の汗、ベタベタして臭う気がする…」 夏の暑い日や、大事なプレゼン前、ジムでのトレーニング中など、私たちは日常の様々な場面で汗をかきますよね。

でも、その汗がなぜ出るのか、そしてあなたの健康状態を示す重要なサインかもしれない、なんて考えたことはありますか？

実は、多くの人が「汗＝体温調節」としか考えていません。もちろんそれは大きな役割の一つですが、それだけではないんです。汗にはもっと奥深い、私たちの体を守るための驚くべき秘密が隠されています。

この記事を読めば、あなたは以下のことを手に入れることができます。

• 単なる体温調節だけじゃない！生命維持に欠かせない汗の3つの重要な役割
• あなたの汗はどれ？専門家が教える3つの汗タイプと、その意外なメカニズム
• 知らないと損！「良い汗」と「悪い汗」の決定的すぎる違いと、超簡単なセルフチェック法
• 今日からできる！ベタベタ汗をサラサラ汗に変える、プロが実践する5つの生活習慣
• もう悩まない！汗のニオイの原因を根本から断ち、自信を取り戻すための具体的な対策

この記事を読み終える頃には、あなたは「汗博士」になっているはず。自分の体から発せられるサインを正しく理解し、汗と上手に付き合うことで、より快適で健康的な毎日を送れるようになります。さあ、あなたの日常を豊かにする「汗の科学」の世界へ、一緒に飛び込んでいきましょう！

【結論】汗はあなたの健康を映す鏡！3つの理由と「良い汗」の重要性

時間がない方のために、まず結論からお伝えします。私たちが汗をかく理由は、大きく分けて3つあります。

1. . 体温調節: 汗が蒸発する時の気化熱で体温を下げ、熱中症などから体を守る、最も重要な役割です。
2. . 老廃物の排出: 汗の成分のほとんどは水ですが、ごく微量の乳酸や尿素なども排出しています。
3. . 皮膚の保湿とバリア機能: 汗に含まれる成分が天然の保湿クリームとなり、肌の潤いを保ち、外部の刺激から守ります。

そして、最も重要なポイントは、汗には「良い汗」と「悪い汗」があるということです。 「良い汗」はサラサラで臭わず、効率的に体温を下げてくれますが、「悪い汗」はベタベタして臭いが強く、体の不調のサインである可能性も。

しかし、ご安心ください。たとえ今「悪い汗」をかいていたとしても、生活習慣を見直すことで「良い汗」に変えていくことは十分に可能です。この記事では、その具体的な方法を、誰にでも分かりやすく、ステップバイステップで解説していきます。

そもそも、なぜ人は汗をかくの？生命維持に欠かせない3つの理由

多くの人が「汗をかく理由」と聞いて真っ先に思い浮かべるのは「暑いから」でしょう。大正解です！しかし、汗の役割はそれだけにとどまりません。ここでは、私たちの生命維持に欠かせない、汗の3つの重要なミッションについて、もう少し深く掘り下げてみましょう。

汗の最大のミッション！「体温調節」という超重要な役割

私たちの体は、常に36〜37℃の一定の体温を保つようにできています。これは、体内の酵素が最も活発に働き、生命活動を正常に維持するために不可欠な条件だからです。

しかし、運動したり、気温が高い環境にいたりすると、体内で熱がどんどん作られ、体温が上昇します。 このまま体温が上がり続けると、熱中症や臓器の機能不全など、命に関わる危険な状態に陥ってしまいます。

ここで登場するのが「汗」です。脳の視床下部という司令塔が体温の上昇を感知すると、自律神経の一つである交感神経に「汗を出せ！」という指令を送ります。 指令を受けた汗腺は、血液を原料にして汗を作り、皮膚の表面に放出します。 そして、その汗が皮膚の表面で蒸発する際に、気化熱として体の熱を奪い、体温を下げてくれるのです。

> 【プロの視点】打ち水と同じ原理なんです！

> > 汗による体温調節は、夏の暑い日に道に水をまく「打ち水」と全く同じ原理です。水が蒸発する時に地面の熱を奪って涼しくなるように、私たちの体も汗が蒸発することで効率的にクールダウンしているわけです。実に巧妙な、体に備わった冷却システムなんですね。

この体温調節機能が正常に働くおかげで、私たちは暑い夏でも元気に活動することができるのです。

ちょっとだけデトックス？「老廃物の排出」の真実

「汗をかくとデトックスになる」という言葉をよく耳にしませんか？これは半分本当で、半分は少し誤解されています。

汗の成分の約99%は水です。 残りの約1%に、塩分（ナトリウム）、カリウム、乳酸、尿素などがごく微量に含まれています。 これらは体にとっては不要な老廃物の一部であるため、汗をかくことで体外に排出されるのは事実です。

しかし、体内の老廃物の大部分は、尿や便として排出されます。汗によるデトックス効果は、あくまでもおまけのようなもの、と考えるのが正確です。

> 【SNSの声】「サウナで汗だく！デトックス完了！」は本当？

>

> X（旧Twitter）で「

サ活」と検索すると、「大量の汗でデトックス！最高に整った〜！」といった投稿がたくさん見つかります。確かに、サウナ後の爽快感は格別ですよね。

> > この爽快感の正体は、老廃物が排出されたことよりも、血行が促進されたり、自律神経が整ったりすることによる影響が大きいと考えられています。もちろん、汗をかくこと自体は健康に良いことなので、デトックス効果を過信しすぎず、リフレッシュ目的で楽しむのがおすすめです。

意外と知られていない「皮膚の保湿」と美肌効果

汗の役割の中で、最も意外に思われるのが「美肌効果」かもしれません。ベタベタして厄介者扱いされがちな汗ですが、実は天然の美容液としての素晴らしい働きを持っているんです。

汗には「天然保湿因子（NMF）」という、肌のうるおいを保つ成分が含まれています。 この天然保湿因子が角質層にとどまることで、肌の水分が蒸発するのを防いでくれます。

さらに、汗は皮脂腺から分泌される皮脂と混ざり合うことで「皮脂膜」という薄い膜を形成します。 この皮脂膜が、肌の表面をコーティングし、乾燥や外部の刺激から肌を守るバリア機能の役割を果たしてくれるのです。

つまり、適度に汗をかくことは、肌の乾燥を防ぎ、健やかな状態を保つために非常に重要だということです。 汗をかかないでいると、肌が乾燥し、かえって肌トラブルを引き起こしやすくなる可能性もあるのです。

あなたの汗はどれ？汗の専門家が教える3つの発汗タイプ

「汗」と一言でいっても、実はその原因によっていくつかの種類に分けられることをご存知でしたか？主に「温熱性発汗」「精神性発汗」「味覚性発汗」の3つがあります。 それぞれの汗をかく理由とメカニズムを知ることで、自分の体の状態をより深く理解できます。

暑いときにかく「温熱性発汗」

これは最も一般的で、皆さんが「汗」と聞いてイメージするタイプです。気温の上昇や運動によって体温が上がった時に、体温を調節するためにかく汗のことです。

• 汗をかく理由: 体温の上昇
• 特徴: 手のひらや足の裏を除く、ほぼ全身からかく。
• 汗腺の種類: 主にエクリン腺から分泌される。

この温熱性発汗がスムーズに行われることが、夏を健康に乗り切るための鍵となります。

緊張するとドバッ！「精神性発汗」のメカニズム

「人前でスピーチする時、手に汗握る」「大事な試験で、脇汗が止まらない…」 こんな経験はありませんか？これは「精神性発汗」と呼ばれるもので、緊張や不安、驚きといった精神的なストレスが原因でかく汗です。 「冷や汗」とも呼ばれますね。

• 汗をかく理由: 精神的な緊張やストレス
• 特徴: 手のひら、足の裏、脇の下など、局所的に、かつ短時間でかく。
• 汗腺の種類: エクリン腺とアポクリン腺の両方から分泌される。

> 【多くの人がやりがちな失敗談】冷や汗を止めようと意識しすぎる

> > プレゼン中に脇汗が気になり始めると、「どうしよう、汗が…！」と焦ってしまい、余計に汗が噴き出してくる…なんて悪循環に陥ったことはありませんか？ > > これは、精神性発汗が自律神経（特に交感神経）の働きと密接に関わっているためです。 焦れば焦るほど交感神経が興奮し、さらに発汗を促してしまうのです。 > > プロならこうする！: 精神性発汗は、ある意味で自然な生理現象。「今、集中している証拠だ」とポジティブに捉え直すことが大切です。また、深呼吸をして副交感神経を優位に働かせ、リラックスすることも有効です。すぐに汗を止めようとするのではなく、まずは気持ちを落ち着けることに集中しましょう。

進化の過程で、獲物を捕らえたり敵から逃げたりする際に、手足が滑らないようにするための名残だという説もあります。

辛いものを食べると出る「味覚性発汗」の不思議

カレーや麻婆豆腐など、辛いものを食べた時に、額や鼻の頭から汗が噴き出すことがありますよね。これが「味覚性発汗」です。

• 汗をかく理由: 辛いものや酸っぱいものによる味覚の刺激
• 特徴: 顔や頭部、特に額や鼻を中心に汗をかく。
• 汗腺の種類: エクリン腺から分泌される。

これは、トウガラシに含まれるカプサイシンなどの辛味成分が、口の中の神経を刺激し、脳が「体温が上がった！」と勘違いして、汗を出す指令を送るために起こります。 実際に体温が上がっているわけではない、一種の反射的な反応なのです。

発汗の種類	汗をかく理由	主な部位	汗腺の種類
温熱性発汗	体温の上昇	全身	エクリン腺
精神性発汗	精神的ストレス	手のひら、足の裏、脇の下	エクリン腺、アポクリン腺
味覚性発汗	味覚の刺激（辛味など）	顔、頭部	エクリン腺

知らないと損！「良い汗」と「悪い汗」の決定的すぎる違いとは？

さて、ここからが本日の最重要ポイントです。実は、汗には「質」があり、「良い汗」と「悪い汗」に分けられます。 そして、この汗の質が、あなたの健康状態やニオイ、さらには夏バテのしやすさにまで大きく影響しているのです。

「良い汗」の特徴は？サラサラで臭わない理想の汗

「良い汗」とは、一言でいうと「効率よく体温を下げることができる、体に優しい汗」のことです。具体的には、以下のような特徴があります。

• 小粒でサラサラしている: 水分に近く、ベタつかない。
• しょっぱくない: 体に必要なミネラル分が少ない。
• 臭いがほとんどない: 不純物が少なく、弱酸性。
• すぐに蒸発する: 気化熱の効率が良く、素早く体温を下げられる。

運動習慣がある人や、普段から汗をかく機会が多い人は、「良い汗」をかきやすい傾向にあります。

「悪い汗」のサインは？ベタベタ・大粒・しょっぱい汗に要注意！

一方、「悪い汗」は体にとって多くのデメリットをもたらします。もしあなたの汗が以下に当てはまるなら、注意が必要です。

• 大粒でダラダラ流れる: 蒸発しにくく、体温調節の効率が悪い。
• ベタベタしている: 体に必要なミネラル分が多く含まれている。
• しょっぱい、味が濃い: ナトリウムなどのミネラルが再吸収されずに出てしまっている証拠。
• 臭いが強い: ミネラルやアンモニアなどが多く、アルカリ性に傾いているため、雑菌が繁殖しやすい。
• 乾きにくい: ベタベタしているため蒸発しにくく、いつまでも不快感が続く。

「悪い汗」は、体に必要なミネラルまで排出してしまうため、疲労感が増し、夏バテや熱中症のリスクを高める原因にもなります。

なぜ「悪い汗」をかくの？汗腺機能の低下が原因だった！

では、なぜ「良い汗」と「悪い汗」の違いが生まれるのでしょうか？その鍵を握るのが「汗腺（かんせん）」という、汗を作り出す器官の機能です。

私たちの体には、エクリン腺とアポクリン腺という2種類の汗腺があります。 体温調節のための汗は、主に全身に分布するエクリン腺から出ます。

汗の原料は、血液から血球などを除いた「血漿（けっしょう）」です。 汗腺は、この血漿から汗を作る際、体に必要なミネラル分（ナトリウムなど）を血液中に再吸収し、水分だけを外に出すという、ろ過フィルターのような働きをしています。

この汗腺のろ過機能が正常に働いていると、ミネラル分の少ない、水分に近いサラサラの「良い汗」になります。 しかし、運動不足やエアコンの効いた快適な環境に慣れてしまい、汗をかく機会が減ると、この汗腺の機能が衰えてしまいます。 これを「汗腺の休眠」や「汗腺の老化」と呼ぶこともあります。

機能が低下した汗腺は、ミネラルをうまく再吸収できません。その結果、ミネラル分を多く含んだ、ベタベタでしょっぱい「悪い汗」として排出されてしまうのです。

【プロの視点】あなたの汗はどっち？簡単セルフチェック法

自分の汗が良い汗か悪い汗か、気になりますよね。専門的な検査をしなくても、日常生活の中で簡単にチェックする方法があります。

チェックリスト：あなたの「汗の質」を診断！

• □ 汗をかくと、肌がベタベタする
• □ 汗が乾いた後、服が白くなることがある（塩の結晶）
• □ 汗をなめると、しょっぱい味がする
• □ 汗の粒が大きく、ダラダラと流れる
• □ 汗をかいても、なかなか体温が下がらない感じがする
• □ 汗をかいた後、ぐったりと疲れてしまう
• □ 自分の汗のニオイが気になる

2つ以上当てはまる方は、「悪い汗」をかいている可能性が高いかもしれません。でも、落ち込む必要はありません。次の章でご紹介する「良い汗をかくための習慣」を実践すれば、汗の質は必ず改善できます！

プロが実践！「良い汗」をかくための今日からできる5つの習慣

「悪い汗」の原因が汗腺機能の低下にあるなら、答えはシンプルです。汗腺を鍛え直せばいいのです！これを「汗腺トレーニング」や「発汗トレーニング」と呼びます。 難しく考える必要はありません。日常生活にちょっとした工夫を取り入れるだけで、誰でも「良い汗」をかける体質に近づけます。

まずはコレから！「有酸素運動」で汗腺トレーニング

汗腺を鍛える最も効果的な方法は、定期的に運動して汗をかく習慣をつけることです。 特に、ウォーキングやジョギング、サイクリングなどの有酸素運動がおすすめです。

ポイント:

• じんわり汗をかく程度でOK: 激しい運動で急激に汗をかくと、汗腺の再吸収機能が追いつかず、かえって悪い汗になりがちです。 「少し汗ばんできたな」と感じるくらいのペースで、20〜30分程度続けるのが理想です。
• 継続が力なり: 週に2〜3回でも良いので、継続することが大切です。まずは駅まで一駅分歩いてみる、エレベーターを階段に変えるなど、始めやすいことからチャレンジしてみましょう。

究極のリラックス法「入浴」で汗をかく習慣を

忙しいとシャワーで済ませがちですが、「良い汗」をかくためには、ぜひ湯船に浸かる習慣を取り戻しましょう。入浴は体を芯から温め、リラックスしながら汗腺を刺激できる絶好の機会です。

プロが教える「良い汗」をかく入浴法:

1. . 温度はぬるめの38〜40℃: 熱すぎるお湯は交感神経を刺激しすぎてしまい、体の負担になります。
2. . 10〜15分、ゆっくり浸かる: じんわりと汗が出てくるのを感じましょう。半身浴もおすすめです。
3. . 手足高温浴も効果的: 浴槽に42〜43℃の熱めのお湯を張り、椅子に座って10〜15分間、手首と足首から先だけを温めます。体の末端にある汗腺を刺激することで、全身の発汗を促す効果が期待できます。

入浴後は、すぐにエアコンで体を冷やすのではなく、自然に汗が引くのを待つのがポイントです。

食生活が汗を変える！「内側から」アプローチ

汗の質やニオイは、食生活にも大きく影響されます。良い汗をかくために、以下のような食事を心がけましょう。

• 抗酸化作用のある食品を摂る: 緑黄色野菜や果物に含まれるビタミンC、ビタミンEなどは、汗のニオイの原因となる皮脂の酸化を防ぎます。
• 和食中心の食生活: 野菜や魚、発酵食品などをバランス良く取り入れた和食は、動物性脂肪の摂取を抑え、体臭の改善にも繋がります。
• ニオイの強い食品は控えめに: ニンニクやニラ、香辛料の強い料理、肉類や脂っこい食事は、体臭や汗のニオイを強くする原因になることがあります。

意外な盲点！「ストレス管理」が良い汗への近道

精神性発汗の章でも触れたように、ストレスは自律神経のバランスを乱し、発汗に大きな影響を与えます。 過度なストレスは交感神経を優位にし、ベタベタした臭いやすい汗の原因になることも。

• 十分な睡眠をとる: 睡眠不足は自律神経の乱れの大きな原因です。
• リラックスできる時間を作る: 趣味に没頭したり、音楽を聴いたり、深呼吸をしたり、自分なりのリラックス法を見つけましょう。
• 適度な運動: 運動はストレス解消にも非常に効果的です。

心と体のバランスを整えることが、結果的に良い汗をかくことに繋がります。

「エアコン」との上手な付き合い方

現代社会において、エアコンなしの生活は考えられません。しかし、エアコンの効いた涼しい環境にばかりいると、汗腺が休眠状態になりやすいのも事実です。

• 設定温度を下げすぎない: 外気との温度差が大きいと、自律神経が乱れやすくなります。室温は28℃前後を目安にしましょう。
• たまには汗をかく時間を作る: 涼しい部屋にこもりっぱなしにせず、朝の涼しい時間帯に散歩に出るなど、意識的に汗をかく機会を作りましょう。

エアコンと上手に付き合いながら、体の発汗機能を衰えさせない工夫が大切です。

汗のニオイ、もう悩まない！原因と対策を徹底解説

汗に関する悩みで、最も多くの人が気にしているのが「ニオイ」ではないでしょうか。「汗臭いと思われていないかな…」と不安になると、人と会うのも億劫になってしまいますよね。しかし、ニオイの原因を正しく理解すれば、効果的な対策を打つことができます。

なぜ汗は臭うの？2種類の汗腺と菌が原因だった

実は、かきたての汗そのものは、ほとんど無臭です。 汗が臭う主な原因は、汗が皮膚の表面にある皮脂や垢と混ざり合い、それを細菌（皮膚常在菌）が分解することで、ニオイ物質が発生するためです。

特にニオイと深く関わっているのが、2種類の汗腺のうちの「アポクリン汗腺」です。

汗腺の種類	分布	汗の成分	ニオイ
エクリン腺	ほぼ全身	約99%が水分、サラサラ	ほとんど無臭（菌が分解すると酸っぱいニオイになることも）
アポクリン腺	脇の下、陰部など特定の部位	脂質やタンパク質などを含む、白っぽく濁っている	菌が分解すると、ワキガ特有のニオイを発生させる

つまり、「汗臭さ」には2種類あり、全身からかく汗が原因の酸っぱいようなニオイと、ワキガなどの特有のニオイは、発生源となる汗腺が異なるのです。

SNSでも話題！ニオイを抑えるための具体的な対策5選

原因がわかれば、対策は明確です。ニオイを防ぐための基本は「汗をかいたら放置しない」「菌を繁殖させない」の2点に尽きます。

1. . こまめに汗を拭き取る: 汗をかいたら、乾いたタオルではなく、濡らしたタオルや汗拭きシートで拭き取るのがおすすめです。菌のエサとなる皮脂や垢も一緒に除去できます。
2. . 制汗剤・デオドラント剤を正しく使う: 制汗剤は汗の出口にフタをして汗の量を抑え、デオドラント剤は殺菌成分で菌の繁殖を防ぎます。汗をかく「前」に、清潔な肌に使うのが最も効果的です。
3. . 通気性の良い衣類を選ぶ: 綿や麻などの天然素材や、速乾性のある機能性インナーは、湿気がこもりにくく、菌の繁殖を抑えてくれます。ポリエステル素材の衣類はニオイがつきやすい場合があるため、つけ置き洗いなどが効果的です。
4. . 食生活を見直す: 肉類や乳製品などの動物性脂肪やタンパク質は、アポクリン腺の活動を活発にし、ニオイを強くする原因になります。野菜中心のバランスの取れた食事を心がけましょう。
5. . 汗腺トレーニングで「良い汗」をかく: これまで解説してきたように、サラサラの「良い汗」は、ニオイの原因となる成分が少なく、蒸発しやすいため、ニオイが発生しにくいというメリットがあります。 根本的な体質改善として、汗腺トレーニングに取り組むことが非常に重要です。

「汗をかかない」のも危険信号？汗と健康のウソ・ホント

汗に関する悩みは「かきすぎる」ことだけではありません。「汗をかけない」ことも、また健康上のリスクをはらんでいます。最後に、汗と健康に関するよくある疑問や誤解について解説します。

汗をかけない「無汗症」のリスクとは？

「汗をかかなくて羨ましい」と言われることがあるかもしれませんが、これは決して喜ばしいことではありません。体温調節のために汗をかく必要があるのに、うまく発汗できない状態を「無汗症」や「発汗減少症」と呼びます。

汗をかけないと体内に熱がこもりやすくなり、熱中症のリスクが非常に高まります。 めまい、吐き気、倦怠感などの症状が現れやすく、重症化すると命に関わることもあります。原因は様々ですが、もし「暑いのに自分だけ汗をかいていない」と感じる場合は、一度皮膚科などの専門医に相談することをおすすめします。

「汗をかくと痩せる」は本当？ダイエットとの正しい関係

「サウナスーツを着て走れば痩せる！」と信じている方、残念ながらそれは大きな誤解です。

汗をかくと、体内の水分が排出されるため、一時的に体重は減ります。 しかし、それは脂肪が燃焼したわけではなく、水分が減っただけ。水を飲めばすぐに元の体重に戻ってしまいます。

本当の意味で痩せる（＝脂肪を燃焼させる）のは、汗をかくことそのものではなく、汗をかく原因である「運動」です。 運動によってエネルギーが消費され、その結果として体温が上昇し、汗が出るのです。

> 【意外な発見】汗っかき＝代謝が良い、ではない？

> > 「汗っかきだから代謝が良い」と思われがちですが、これも必ずしもイコールではありません。 筋肉量が多い人は基礎代謝が高く、熱産生量が多いため汗をかきやすい傾向にありますが、皮下脂肪が多い人も体内の熱が逃げにくいため、汗をかきやすくなります。 つまり、汗をかく量だけで代謝が良いかどうかは判断できないのです。 > > ダイエットの指標にすべきは「汗の量」ではなく、「運動の強度や時間」、そして「長期的な体重や体脂肪率の変化」です。

「汗をかきすぎる」のは病気？多汗症について

日常生活に支障をきたすほど大量の汗をかく場合、「多汗症」という病気の可能性があります。 多汗症は、全身に汗をかく「全身性多汗症」と、手のひらや足の裏、脇など体の一部に汗をかく「局所性多汗症」に分けられます。

原因がはっきりしないもの（原発性多汗症）が多いですが、中には甲状腺の病気や糖尿病、神経系の疾患などが隠れている場合（続発性多汗症）もあります。

「ただの汗っかき」と自己判断せず、汗の量で生活に困っている場合は、皮膚科や専門のクリニックに相談してみましょう。塗り薬や飲み薬、注射など、様々な治療法があります。

まとめ

今回は、「汗をかく理由」について、そのメカニズムから良い汗・悪い汗の違い、そして具体的な対策まで、徹底的に掘り下げてきました。最後に、この記事の重要なポイントを振り返ってみましょう。

• 汗をかく主な理由は「体温調節」「老廃物の排出」「皮膚の保湿」の３つ。 私たちが健康に生きていく上で欠かせない、非常に重要な生理現象です。
• 汗には「良い汗」と「悪い汗」がある。 サラサラで臭わない「良い汗」は健康の証。ベタベタで臭う「悪い汗」は、汗腺機能の低下や生活習慣の乱れのサインかもしれません。
• 「良い汗」は、トレーニングで作れる！ 運動や入浴、食生活の改善によって汗腺を鍛えることで、汗の質は必ず改善できます。汗はあなたの努力に応えてくれる、健康のバロメーターなのです。

今日から、あなたも汗を見る目が少し変わったのではないでしょうか。ただの厄介者だと思っていた汗が、実はあなたの体を守り、健康状態を教えてくれる大切なパートナーだったのです。

汗をかくことを恐れず、むしろ楽しむくらいの気持ちで、良い汗をかく習慣を始めてみませんか？サラサラの気持ちいい汗をかけるようになれば、夏の不快感やニオイの悩みから解放されるだけでなく、心も体も、もっと軽やかになるはずです。さあ、今日からあなたも「良い汗ライフ」をスタートさせて、より快適で健康な毎日を手に入れましょう！

スポンサーリンク
ABOUT US

雑談力向上委員会
編集部