【体感と違うのはなぜ?】地震発生後の「継続時間」、実は30秒もなかった?震度計が測定する本当の仕組みをプロが暴露
「また長い地震…」と感じるあなたへ。その”継続時間”、本当の意味を知っていますか?
「うわ、今の地震、結構長く揺れたな…」「またか、最近地震が多いし、一回の揺れが長い気がする…」
そう感じているのは、あなただけではありません。深夜や早朝、あるいは仕事中に突然襲ってくるあの揺れ。数秒のはずが、体感では数分にも感じられ、心臓がバクバクしますよね。
そして、ようやく揺れが収まったと思ってテレビやスマホの速報を見ると、「継続時間:25秒」といった表示。「え?もっと長くなかった?」と、自分の感覚とのズレに戸惑った経験はありませんか?
この記事は、そんなあなたのために書きました。この記事を最後まで読めば、
- なぜ、あなたの体感と地震速報の「継続時間」に大きな差があるのか、そのカラクリが完全に理解できます。
- そもそも「震度」ってどうやって測っているの?という疑問がスッキリ解決し、家族や友人にドヤ顔で解説できるようになります。
- 地震の情報を正しく理解することで、いざという時に本当に役立つ防災知識が身につき、あなたと大切な人の安全を守る一歩になります。
単なる情報の丸暗記ではありません。この記事は、地震のニュースを見る目が変わり、防災意識が自然と高まる「知的な冒険」です。さあ、一緒に地震発生後の「継続時間」と震度計の奥深い世界を探検してみましょう!
【結論】速報の「継続時間」は、”あなたが感じた揺れの長さ”ではありません!
いきなり結論からお伝えします。地震速-報で発表される「継続時間」とは、「震度計がある一定以上の強さの揺れを観測し続けた時間」のことです。
もっと分かりやすく言うと、「震度計くんが『うわ、これは無視できない揺れだ!』と判断して、その揺れが収まるまでをカウントした時間」と言えるでしょう。
そのため、私たちが感じる「かすかな揺れ始め」や、「もう収まったかな?…いや、まだ揺れてる?」といった余韻のような揺れは、この「継続時間」に含まれていないことが多いのです。
これが、あなたの体感と速報の間に「ズレ」が生まれる最大の理由です。
そして、その揺れの強さを判断しているのが「震度計」です。震度計は、単に揺れの大きさを測っているだけではありません。実は「加速度」という数値を元に、非常に複雑な計算を経て、私たちにおなじみの「震度」を割り出しているのです。
どうでしょう?少し興味が湧いてきましたか?ここからは、この「継続時間」と「震度計の仕組み」について、プロの視点も交えながら、とことん深掘りしていきます。
なぜ体感と違う?地震の「継続時間」の意外な正体
多くの人が抱く「体感時間と速報のズレ」という疑問。ここをスッキリさせることが、地震情報を正しく理解する第一歩です。
気象庁が発表する「継続時間」の本当の定義
気象庁の地震情報で目にする「継続時間」。これは一体、何を基準に計測されているのでしょうか。
実は、明確に「〇秒間」と定義されているわけではなく、地震波形の中でも特に大きな揺れが続いた部分を指しているのが一般的です。
もう少し専門的な話をすると、震度計は地面のあらゆる揺れを記録しています。その記録された波形データの中から、「主要動」と呼ばれる最も大きな揺れの部分の長さを解析して、「継続時間」として発表しているのです。
| 揺れの種類 | 特徴 | 継続時間に含まれるか? |
|---|---|---|
| 初期微動(P波) | カタカタ、と小さく速い揺れ。 | 含まれないことが多い |
| 主要動(S波) | グラグラ、と大きくゆっくりした揺れ。 | ここが「継続時間」として計測される |
| 終息部分 | 揺れが徐々に小さくなっていく部分。 | 含まれないことが多い |
つまり、私たちが最初に「お、地震かな?」と感じる小さな揺れや、揺れが収まった後の余韻は、速報の「継続時間」にはカウントされていない可能性が高い、ということです。
「え、これだけ?」と感じる理由 – 計測のカラクリと心理的影響
体感とのズレが生じる理由は、計測の仕組みだけではありません。私たちの「心理」も大きく影響しています。
【プロならこうする、という視点】
> 地震防災の専門家として言わせていただくと、恐怖や不安を感じている時、人間の脳は時間を長く見積もる傾向があるんです。これを「主観的時間の伸長」と言います。緊急事態に直面した時、脳が情報処理のスピードを上げることで、周囲の動きがスローモーションに見える現象と似ていますね。わずか30秒の揺れが、2分にも3分にも感じられるのは、決して大げさではなく、脳が自己防衛のために引き起こす正常な反応なんですよ。
さらに、建物の種類やいる階数によっても揺れ方は全く異なります。特に高層ビルでは、地面の揺れが収まっても、建物自体がしばらく揺れ続けることがあります。これも体感時間を長くする一因ですね。
SNSの声「もっと長く揺れてた!」はなぜ起こる?
地震のたびに、SNSには体感時間を嘆く声が溢れます。
> @bousai_joshiさん
> 「速報だと継続時間40秒って出てるけど、絶対3分は揺れてた!長すぎて生きた心地しなかった…
地震 #体感時間」
> @tatemono_maniaさん
| 「うちのマンション、15階なんだけど、地面の揺れが収まってからもしばらくフワフワ揺れてるんだよな。これが継続時間を長く感じる原因か。長周期地震動ってやつかな。」
こうした声は、まさに「計測上の継続時間」と「心理的・環境的な体感時間」のギャップから生まれています。決して間違っているわけではなく、むしろリアルな感覚と言えるでしょう。
【意外な発見】本当に危険なのは「継続時間」より「揺れ方」だった!
ここで一つ、皆さんに知っておいてほしい重要なことがあります。それは、防災上、本当に注目すべきは「継続時間の長さ」だけではないということです。
もちろん、長い揺れは建物のダメージを蓄積させ、精神的な負担も大きくなります。しかし、それ以上に警戒すべきなのが「揺れの周期(揺れが1往復するのにかかる時間)」なんです。
特に「長周期地震動」と呼ばれる、ゆっくりとした大きな揺れは、高層ビルを大きく長時間揺らし続ける特性があります。 東日本大震災の時、震源から遠く離れた東京や大阪の超高層ビルが、まるで船のように大きく揺れ続けた映像を覚えている方も多いでしょう。
| 揺れの種類 | 揺れ方 | 特に影響を受けやすい建物 |
|---|---|---|
| 短周期地震動 | 小刻みでガタガタとした揺れ | 低層の木造住宅など |
| 長周期地震動 | 大きくゆっくり、船のような揺れ | 高層ビル、タワーマンション、吊り橋など |
「継続時間が短いから大丈夫」と安易に判断するのではなく、「どんな揺れ方だったか?」にも意識を向けることが、より高度な防災につながるのです。
あなたの知らない震度計の世界!測定の仕組みを徹底解剖
さて、「継続時間」の謎が解けたところで、次にその情報を叩き出している「震度計」の仕組みに迫ってみましょう。この小さな箱が、私たちの安全を守るために、いかに高度な仕事をしているのかが分かります。
意外とシンプル?震度計の基本的な仕組み
「震度計って、すごく複雑な機械なんでしょ?」と思われがちですが、実は基本的な原理はとてもシンプルです。
学校の理科の実験を思い出してみてください。バネに吊るされたおもり。その下に紙を置いて、紙を動かすとおもりの先についたペンが揺れを記録しますよね?
> 【震度計の基本原理】
> 1. 地震で地面が揺れても、「おもり」はその場に留まろうとします(慣性の法則)。 > 2. しかし、震度計の「本体」は地面と一緒に揺れます。 > 3. この「おもり」と「本体」の動きのズレをセンサーで検知し、電気信号に変えます。 > 4. この電気信号を解析することで、地面がどのように、どれくらいの強さで揺れたのかを記録しているのです。
現在の震度計は、この原理を応用した非常に精密な「加速度センサー」を内蔵しており、東西・南北・上下の3方向の揺れを同時に、1秒間に100回以上という驚異的な細かさでデジタルデータとして記録しています。
震度とマグニチュード、今さら聞けない決定的な違い
ここで、よく混同されがちな「震度」と「マグニチュード」の違いを、プロの視点から一発で理解できる例え話で解説します。
【プロの視点:電球で例えると一目瞭然!】
- マグニチュード = 電球のワット数(W)
- 地震そのもののエネルギー(規模)を表します。
- 1つの地震に対して、マグニチュードの値は1つだけです。
- ワット数が大きい電球ほど明るい(エネルギーが大きい)のと同じです。
- 震度 = あなたのいる場所の明るさ(ルクス)
- ある場所が「どれだけ揺れたか」という揺れの強さを表します。
- 震源からの距離や地盤の固さによって、場所ごとに値が変わります。
- 同じ100Wの電球でも、すぐそばにいればとても明るい(震度が大きい)ですが、遠くから見れば暗く(震度が小さい)なりますよね。それと同じです。
| 項目 | 震度 | マグニチュード |
|---|---|---|
| 意味 | ある地点での揺れの強さ | 地震そのもののエネルギーの大きさ(規模) |
| 単位 | 階級(0〜7の10段階) | なし(M7.0のように表記) |
| 数 | 場所によって異なる | 1つの地震に1つだけ |
| 例え | その場所の明るさ(ルクス) | 電球のワット数 |
この違いを理解しておくだけで、地震ニュースの解像度がグッと上がりますよ。
【多くの人がやりがちな失敗談】「震度計アプリ」を信じすぎると危ない理由
最近は、スマートフォンの加速度センサーを利用した「震度計アプリ」も人気ですよね。揺れをリアルタイムで表示してくれて、防災意識を高めるにはとても良いツールです。
しかし、ここで一つ注意喚起をさせてください。
> ある日のAさんの失敗談
> > 大きな地震の後、気象庁の発表は「震度4」だったのに、リビングのテーブルに置いていたスマホのアプリは「震度5弱」と表示。「うちの地域は特に揺れがひどかったんだ!大変だ!」と慌ててしまい、冷静な判断ができなかった…。
なぜこんなことが起こるのでしょうか? スマホのセンサーは、あくまで簡易的なもの。気象庁が設置している専門の震度計とは、精度も設置環境も全く違います。
- 机の上など、不安定な場所に置かれている
- 建物の揺れの影響を直接受けてしまう
- センサー自体の精度が専門機器に劣る
これらの理由から、スマホアプリの示す震度は、あくまで「参考値」として捉えることが重要です。気象庁などが発表する公式な情報を必ず確認するようにしましょう。
「計測震度」って何?震度階級が決まるまでの裏側
テレビで発表される「震度5弱」や「震度6強」。この数字が、実は非常に複雑な計算を経て算出されていることをご存知でしたか?ここでは、その知られざる裏側を覗いてみましょう。
揺れの強さは「加速度(ガル)」で決まる!
震度計が直接測定しているのは、実は「震度」ではありません。測定しているのは「加速度(単位:ガル)」です。
加速度とは、「揺れのスピードがどれだけ急激に変化したか」を示す数値。電車が急発進・急ブレーキした時に、体がグッと持っていかれるあの感覚、あれが加速度です。
地震の揺れも同じで、地面が急激に動かされることで、私たちは揺れを感じ、物が倒れたりするわけです。
複雑怪奇?「計測震度」の計算式をざっくり解説
気象庁が震度を発表するまでには、以下のようなステップを踏んでいます。かなり専門的ですが、ざっくりと流れを知っておくだけでも面白いですよ。
- . 3成分の加速度を記録
- 震度計が、東西・南北・上下の3方向の揺れの加速度を、1秒間に100回以上の頻度でデジタルデータとして記録します。
- . フィルター処理
- 記録されたデータには、人間が揺れとして感じにくい非常に短い周期や長い周期の波も含まれています。そこで、体感に近い揺れの成分を抽出するために、特殊なフィルターをかけます。
- . 3成分を合成
- フィルター処理された3方向の揺れを、ベクトル的に1つの波形に合成します。
- . ある計算
- 合成された波形データのうち、揺れの大きさが「a」以上になる時間の合計がちょうど0.3秒になるような、魔法の数値「a」を探し出します。
- . ついに対数計算!
- 探し出した「a」を使って、`I = 2 log10(a) + 0.94` という計算式で「計測震度(I)」を算出します。
- . 震度階級へ
- 算出された「計測震度(例:5.8など)」を、おなじみの「震度階級(この場合は震度6弱)」に当てはめて発表します。
- 固い地盤(岩盤など):揺れが伝わりやすいが、増幅されにくい。
- 柔らかい地盤(沖積平野、埋立地など):揺れが伝わりにくいが、まるでプリンのように揺れが増幅されやすい。
- 地域の揺れを代表する、安定した地盤に設置する。
- 盛り土や崖の近くなど、局所的に揺れが大きくなりそうな場所は避ける。
- 交通量の多い道路や工場など、人工的な振動の影響を受けない場所を選ぶ。
- 風で揺れるような木や電柱からは、十分な距離をとる。
- 建物内に設置する場合は、揺れの影響が少ない1階の強固な床に固定する。
- 本震-余震型:最初に一番大きな揺れが来て、その後小さい余震が続く。
- 前震-本震-余震型:小さい揺れ(前震)の後に、さらに大きな本震が来る。
- [ ] 自身の安全確保:怪我はないか?周りに危険なものはないか?
- [ ] 家族の安否確認:声を掛け合い、全員の無事を確認する。
- [ ] 火元の確認と初期消火:火を使っていた場合はすぐに消す。火災が発生したら、落ち着いて初期消火。
- [ ] 出口の確保:ドアや窓を開け、避難経路を確保する。
- [ ] 情報収集:ラジオやテレビ、自治体の防災情報などで、正確な情報を入手する。デマに惑わされない。
- [ ] 履物の確保:ガラスの破片などで足を怪我しないよう、必ず靴やスリッパを履く。
- [ ] 避難の判断:自宅が危険な場合(倒壊の恐れ、火災、津波警報など)は、速やかに避難場所に避難する。
- 速報の「継続時間」は、体感の揺れ時間とは別物! 震度計が一定以上の強い揺れ(主要動)を観測した時間であり、小さな揺れ始めや余韻は含まれないことが多い。
- 震度計は「加速度」を測定している! 3方向の揺れの加速度を元に、被害の実感に近くなるよう複雑な計算(対数計算など)を経て「計測震度」を算出し、私たちが見る「震度階級」が決まる。
- 本当に注目すべきは「揺れ方」! 特に高層ビルでは、ゆっくり大きな「長周期地震動」に警戒が必要。家具の移動や転倒、エレベーターの停止といった特有のリスクがある。
- どんな揺れでも油断は禁物! 短い揺れが「前震」である可能性も常に考え、揺れが収まった後の冷静な行動が何よりも重要。
【プロの視点】
> なぜこんな複雑な計算をするのかというと、単純な揺れの最大加速度だけでは、被害の実態と合わないことがあるからです。例えば、一瞬だけ鋭い揺れがあっても被害は少ない一方、それよりは小さい揺れでも長く続いた方が被害が大きくなることがあります。この計算式は、そうした「揺れの継続時間」の要素も加味して、より被害の実感に近い震度を算出するために編み出された、日本の技術の結晶なんです。
なぜ同じ地震でも場所によって震度が違うのか?
これはもうお分かりですね。震度は「その場所の揺れの強さ」なので、震源からの距離はもちろん、その土地の「地盤」が大きく影響します。
皆さんがお住まいの地域のハザードマップなどで、地盤の固さ(揺れやすさ)を確認しておくことは、非常に重要な防災対策の一つです。
震度計の設置場所、実はこんなところにこだわっていた!
気象庁などが設置する公式な震度計は、正確なデータを取るために、設置場所に非常に厳しい基準が設けられています。
など、様々な条件をクリアした場所に、専用のコンクリート台座を設けて頑丈に固定されています。 私たちのスマホとは、環境が全く違うことがお分かりいただけるでしょう。
長周期地震動と継続時間 – 高層ビルが危ない本当の理由
先ほど少し触れた「長周期地震動」。これは、特に都市部に住む人々にとって、決して無視できない揺れです。その特徴と危険性について、さらに詳しく見ていきましょう。
ゆっくり、長く続く揺れ「長周期地震動」の恐怖
長周期地震動とは、その名の通り「周期(揺れが1往復するのにかかる時間)が長い」地震動のことです。 大規模な地震が発生した際に生じやすく、減衰しにくい(弱まりにくい)ため、震源から数百キロも離れた場所まで伝わる性質があります。
この揺れの最大の特徴は、特定の高さの建物と「共振」しやすいことです。
> 【共振とは?】
> > ブランコを漕ぐ時、タイミングを合わせて力を加えると、どんどん揺れが大きくなりますよね?あれが共振です。 > 建物にも固有の揺れやすい周期(固有周期)があり、地震の揺れの周期と建物の固有周期がピッタリ合ってしまうと、揺れがどんどん増幅されてしまうのです。
高層ビルは、その構造上、固有周期が数秒〜十数秒と長いため、長周期地震動と共振しやすいのです。
なぜ高層階ほど揺れが長くなるのか?
長周期地震動が発生すると、高層ビルはまるで鞭がしなるように、上層階ほど大きく、そして長く揺れ続けます。 地面ではとっくに揺れが収まっているのに、高層階ではいつまでも揺れが続く、という現象が起こるのです。
これは、建物の揺れがすぐには収まらないためで、体感としての「継続時間」が非常に長くなります。
【意外な発見】長周期地震動で倒れやすい家具、倒れにくい家具
長周期地震動による室内の被害で特徴的なのは、家具の「移動」と「転倒」です。
| 危険性が高い家具 | 特徴 |
|---|---|
| キャスター付きの家具 | ゆっくりした大きな揺れで、部屋の中を大きく移動し、人に衝突したり、避難経路を塞いだりする危険がある。 |
| 背の高い洋服ダンス、食器棚 | 大きく揺さぶられて転倒する危険性が非常に高い。 |
| 冷蔵庫 | ゆっくりした揺れで大きく移動し、転倒する可能性がある。 |
一方で、背の低い家具は比較的倒れにくい傾向にあります。この機会に、ご自宅の家具配置を見直してみるのも良いでしょう。
自分の身を守るために。「継続時間」から学ぶ防災の新常識
さて、地震の「継続時間」や「震度計の仕組み」について深く理解した今、その知識をどう防災に活かせばよいのでしょうか。最後に、明日から実践できる防災の新常識をお伝えします。
「短い揺れ」でも油断禁物!その後の「本震」に備える
「今の揺れ、短かったから大丈夫だろう」 この油断が最も危険です。最初に発生した地震が、実は「前震」で、その後にさらに大きな「本震」が来る可能性があります。
地震活動のパターンは、活動が終わってみないと誰にも分かりません。
どんなに短い揺れでも、「次にもっと大きな揺れが来るかもしれない」という意識を持ち、最初の揺れが収まったら、すぐに安全な場所に移動したり、火の始末をしたり、避難の準備を始めたりすることが重要です。
揺れの長さ・揺れ方に応じた避難行動の違い
揺れの「継続時間」や「揺れ方」によって、とるべき行動も変わってきます。
| 揺れの特徴 | 想定される状況 | とるべき行動のポイント |
|---|---|---|
| 短く、ガタガタと激しい揺れ | 直下型地震の可能性。家具の転倒・落下に最大級の警戒が必要。 | まずは頭を守り、机の下など頑丈な場所で身を伏せる(シェイクアウト)。揺れが収まったら、火の始末と出口の確保を最優先に。 |
| 長く、グラグラと続く揺れ | 震源が遠い大きな地震の可能性。津波や長周期地震動に注意が必要。 | 海岸近くにいる場合は、すぐに高台へ避難。高層ビルにいる場合は、家具の移動・転倒に注意し、揺れが収まるまで慌てて移動しない。 |
| ゆっくり、船のような揺れ | 長周期地震動が発生している可能性。 | 高層階では特に、キャスター付き家具の移動や、大きく揺れる照明器具から離れる。エレベーターは絶対に使わない。 |
この表を頭の片隅に入れておくだけでも、いざという時の判断力が格段に向上します。
家族で共有したい「揺れが収まった後の行動リスト」
地震は、揺れている最中よりも、揺れが収まった後の行動がその後の運命を分けます。ぜひ、このリストを元に、ご家族で防災会議を開いてみてください。
これらの行動を、誰が、どの順番で行うか、日頃からシミュレーションしておくことが大切です。
まとめ
今回は、「地震発生後の「継続時間」とは何か?震度計が測定する仕組みを解説」というテーマを、プロの視点も交えながら徹底的に掘り下げてきました。最後に、この記事の重要なポイントを振り返りましょう。
地震の情報を正しく知ることは、いたずらに不安を煽るためではありません。正しく理解し、正しく備えることで、いざという時に冷静に、そして力強く、自分と大切な人の命を守る行動がとれるようになります。
この記事が、あなたの防災知識をアップデートし、日々の安心につながる一助となれば、これほど嬉しいことはありません。さあ、今日から地震ニュースを見る目を少しだけ変えてみませんか?
