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【徹底解説】紅麹サプリから検出されたプベルル酸とは?小林製薬の健康被害問題と正しいサプリメントの選び方

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小林製薬の紅麹サプリメント「紅麹コレステヘルプ」の摂取者に腎機能障害などの健康被害が相次いでいる問題で、原因物質として「プベルル酸」の存在が浮上した。

プベルル酸の毒性や健康影響は不明な点が多く、原因究明には課題が山積。

専門家からは、サプリメントの安全性を過信せず、健康リスクに十分注意するよう呼びかけが行われている。

小林製薬には迅速な原因究明と被害拡大防止、十分な情報公開と誠実な対応が求められるが、事態の収束には時間がかかる見通しである。

この記事では、今回の一連の騒動と、紅麹、プベルル酸についてまとめた。

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概要

小林製薬が製造・販売する紅麹原料を含む機能性表示食品「紅麹コレステヘルプ」を摂取した消費者に、腎機能障害などの深刻な健康被害が相次いで発生している。2023年3月下旬から報告が相次ぎ、4月12日時点で死亡例5件を含む119人の被害が確認されている。

問題の製品から、「プベルル酸」と呼ばれる想定外の物質が検出されたことが判明。小林製薬は自主回収を開始するとともに、原因究明に乗り出しているが、プベルル酸の毒性メカニズムや健康被害との因果関係など、解明すべき課題は山積している。

これまで安全性が高いとされてきた紅麹サプリメントによる健康被害の発生は、消費者に大きな衝撃と不安を与えている。専門家からは、サプリメントの安全性を過信せず、健康リスクに十分注意を払うよう呼びかけが行われている。

小林製薬には、被害拡大防止と徹底的な原因究明、十分な情報公開、誠実な顧客対応など、迅速かつ適切な対応が求められている。しかし、原因物質の特定や健康被害の全容解明には時間がかかることが予想され、事態の収束までには相当の時間を要することが見込まれている。

紅麹とプベルル酸について

紅麹とは

紅麹は、コウジカビの一種であるモナスカス属の菌を穀物に繁殖させて作られる発酵食品の一種である。古くから中国や日本で食品の着色料や醸造用の麹として利用されてきた歴史を持つ。紅麹に含まれるモナコリンKという成分にはコレステロール低下作用があることが知られており、近年では特定保健用食品やサプリメントの原料としても注目を集めていた。

プベルル酸とは

今回の健康被害の原因物質として浮上したプベルル酸は、紅麹の製造過程で混入したと見られる青カビの一種が生成する物質である。プベルル酸は1932年に初めて発見され、その後の研究でマラリア原虫に対する阻害活性などが報告されている。

プベルル酸は分かっていないことが多い

プベルル酸の安全性や人体に対する影響については、これまでほとんど研究がなされておらず、不明な点が多い。2010年と2017年に北里大学の研究チームがマウスを用いた実験を行っているが、プベルル酸の投与により実験動物の一部が死亡したことが確認されている。しかし、これはあくまでマラリア原虫に感染させたマウスに対する実験であり、健常なマウスへの影響は不明である。プベルル酸の毒性メカニズムや、腎障害などの健康被害との因果関係についても、現時点では明らかになっていない。

今回の事例を受けて、プベルル酸の安全性評価や人体への影響について、早急に研究を進める必要性が指摘されている。健康食品の安全性確保や消費者の保護の観点から、プベルル酸の科学的知見の集積が急務となっている。

原因究明の課題

小林製薬の紅麹サプリメントによる健康被害が明るみに出たことで、その原因究明が急ピッチで進められている。しかし、現時点では未解明の部分が多く、原因の特定には至っていない。

製造工程の調査が必要

最大の焦点は、プベルル酸がどのような経緯で製品に混入したのかという点だ。小林製薬は自社の製造工程を詳細に調査しているが、具体的な混入ルートは特定できていない。紅麹の製造過程で、何らかの理由により青カビが混入し、プベルル酸が生成された可能性が指摘されているが、断定には至っていない。生産設備の衛生管理の不備など、製造工程上の問題点の有無についても精査が必要である。

健康被害との因果関係

プベルル酸の毒性メカニズムや、腎障害をはじめとする健康被害との因果関係の解明も急務となっている。現時点では、プベルル酸がどのようなメカニズムで人体に悪影響を及ぼすのか、明らかになっていない。被害者の症状や検査結果などを詳細に分析し、プベルル酸との関連性を検証する作業が進められている。

多角的な検証が必要

プベルル酸以外の原因物質の可能性も完全には排除できない。小林製薬は問題の製品に含まれる成分を幅広く分析し、有害物質の有無を確認する方針を示している。複数の物質が複合的に作用して健康被害を引き起こした可能性なども視野に入れ、多角的な検証を進める必要がある。

小林製薬の品質管理体制

小林製薬の品質管理体制の問題点も指摘されている。医薬品とは異なり、機能性表示食品を含む健康食品の製造販売にあたっては、厳格な基準に基づく審査や承認は求められていない。ただし、製品の安全性や品質を確保する責任は販売企業にあり、そのための十分な管理体制の構築が求められる。今回の事例を受けて、小林製薬の品質管理の実態や、危機管理体制の不備などについても徹底的な調査が必要だ。

健康被害の全容解明と、原因究明、再発防止に向けた課題は山積している。行政や専門家を交えた調査チームによる徹底的な原因究明と、十分な情報公開、再発防止策の策定などが求められる。

消費者の不安と企業の対応

サプリ愛用者に不安が広がっている

小林製薬の紅麹サプリメントによる健康被害の発生は、消費者に大きな衝撃と不安を与えている。「紅麹コレステヘルプ」をはじめとする紅麹サプリメントは、コレステロール値の改善を目的として、医薬品ではない健康食品の選択肢の一つとして人気を集めてきた。発売以来、大きな健康被害の報告はなく、安全性の高い製品として認知されてきただけに、今回の事態は予想外の出来事として受け止められている。

健康被害が報じられるようになって以降、「紅麹コレステヘルプ」の愛用者を中心に、強い不安の声が上がっている。長年にわたって紅麹サプリメントを摂取してきた人の中には、「自分も健康被害を受けているのではないか」と強い恐怖心を抱く者も少なくない。症状が出ていなくても、知らないうちに体に悪影響が及んでいるのではないかと不安を口にする人は多い。

小林製薬の対応の不十分さに指摘も

実際に健康被害に遭った人の中には、小林製薬の対応の不十分さを指摘する声もある。健康被害の申告を行っても、具体的な説明や誠意あるフォローを得られないと訴える人もいる。「企業側に問題の深刻さに対する認識が欠けているのではないか」との不信感を口にする被害者もいる。

小林製薬には、こうした消費者の不安に真摯に向き合い、十分な説明責任を果たしていくことが強く求められている。被害の実態や原因究明の状況について、適時適切な情報公開を行うことが重要だ。

健康被害の申告を行った消費者に対しては、誠意を持って対応し、必要なフォローを行っていく必要がある。被害者に寄り添い、円滑なコミュニケーションを図ることで、不安の解消に努めるべきだ。

小林製薬は迅速な対応が求められる

被害の拡大防止に全力で取り組む必要がある。販売中止や自主回収などの措置を速やかに行うとともに、問題の製品を摂取した可能性のある消費者に対し、注意喚起を積極的に行うことが求められる。

原因究明と再発防止に全力で取り組む姿勢を明確に示し、消費者の信頼回復に努めることが肝要だ。二度とこのような事態を引き起こさないよう、品質管理体制の抜本的な見直しや、危機管理体制の強化などに取り組むことが不可欠である。

専門家の見解

今回の小林製薬の紅麹サプリメントによる健康被害をめぐり、医療関係者など専門家からは、サプリメントの安全性に対する過度の信頼に警鐘を鳴らす声が上がっている。

サプリは有効性や安全性の確認が不十分

日本医師会の見解によれば、医薬品とは異なり、サプリメントを含む健康食品は、有効性や安全性に関する審査が義務付けられていない。医薬品のような厳格な品質管理や副作用のモニタリングは行われていないのが実情だ。

「健康食品は天然由来の安全なものと思い込んでいる消費者が少なくないが、それは大きな誤解だ」と指摘するのは、国立健康・栄養研究所の佐々木敏医師だ。「いくら天然由来でも、人体に悪影響を及ぼす可能性のある物質が含まれている場合がある。医薬品と同等の安全性が担保されているわけではない」と述べ、安全性を過信しないよう注意を促している。

定期的な健康チェックが望ましい

サプリメントを長期的に摂取する場合は、定期的な健康診断などで体への影響をチェックすることが望ましいと指摘する声もある。「サプリメントによる健康被害は、症状が出るまでに時間がかかることが少なくない。定期的なチェックを行わないと、気づかないうちに体に悪影響が及んでいる恐れがある」と、国立がん研究センターの津金昌一郎医師は警告する。

薬とサプリの飲み合わせにも注意

医薬品とサプリメントの飲み合わせによるリスクにも十分な注意が必要だと専門家は口をそろえる。「医薬品とサプリメントの相互作用で、予期せぬ副作用が生じる可能性がある」と指摘するのは、東京大学の豊田智基准教授だ。「普段から医薬品を服用している人は、サプリメントを摂取する際には、必ず医師や薬剤師に相談すべきだ」と述べ、注意を喚起している。

まとめ

小林製薬の紅麹サプリメントによる一連の健康被害問題は、改めてサプリメントの安全性確保の重要性を浮き彫りにした。専門家からは、サプリメントに過度に依存することなく、バランスの取れた食生活や適度な運動習慣など、健康的なライフスタイルを心がける必要性が強調されている。同時に、サプリメントを摂取する際は、その安全性や体への影響について十分に注意を払うことが重要だと指摘されている。

行政には、サプリメントを含む健康食品の安全性確保に向けた取り組みの強化が求められている。専門家からは、製造販売業者に対する監視指導の徹底や、安全性に関する情報提供の充実、健康被害の早期把握と拡大防止に向けた体制の整備などが提言されている。消費者の健康と安全を守るため、行政と企業、専門家が連携し、実効性のある対策を進めていく必要がある。

サプリメントの安全性確保に向けた行政の取り組み

今回の小林製薬の紅麹サプリメントによる健康被害問題を受け、消費者庁や厚生労働省などの行政機関は、サプリメントを含む健康食品の安全性確保に向けた取り組みを強化している。

消費者庁は、健康食品の製造販売業者に対する監視指導を徹底するとともに、健康被害情報の収集と分析に努めている。事業者に対し、健康被害の報告義務の遵守や、品質管理体制の強化などを指導している。

厚生労働省は、健康食品による健康被害の早期把握と拡大防止に向けた体制整備を進めている。医療機関からの健康被害情報の収集や、専門家による分析評価の仕組みを強化するほか、消費者への情報提供や注意喚起の充実を図っている。

また、健康増進法の改正により、2020年4月から、健康食品の表示に関するルールが強化された。事業者には、科学的根拠に基づいた適正な表示を行うことが求められている。虚偽や誇大な表示に対する監視指導も強化されている。

専門家からは、こうした行政の取り組みを評価する声がある一方で、さらなる規制強化を求める意見もある。「サプリメントの製造販売に関する審査承認制度の導入などを検討すべきだ」と指摘するのは、国立医薬品食品衛生研究所の合田幸広所長だ。「現状の規制では、安全性の確保に限界がある。抜本的な見直しが必要だ」と述べ、行政に対し、積極的な対策を求めている。

海外におけるサプリメントの規制状況

サプリメントの安全性確保をめぐっては、各国で規制の在り方が異なっている。米国では、1994年に制定された「ダイエタリー・サプリメント健康教育法(DSHEA)」により、サプリメントは食品として位置づけられている。製造販売にあたって、政府による事前審査は義務づけられていない。ただし、安全性に問題がある場合は、食品医薬品局(FDA)が事後的に規制を行う仕組みとなっている。

一方、欧州連合(EU)では、サプリメントは食品として扱われるものの、一定の規制が設けられている。EU指令により、サプリメントに使用可能な原材料のリストが定められており、リストに掲載されていない原材料を使用する場合は、安全性の審査が必要とされる。

中国では、サプリメントは「保健食品」として位置づけられ、政府による認可制度が敷かれている。製造販売には、安全性や有効性に関する審査を受ける必要がある。ただし、認可基準の不明確さや、審査の不透明性などが課題として指摘されている。

韓国では、2004年に「健康機能食品に関する法律」が制定され、サプリメントの規制が強化された。製造販売業者は、政府に製品の情報を申告し、安全性や機能性に関する審査を受ける必要がある。虚偽・誇大広告に対する監視も徹底されている。

こうした海外の状況を見ると、日本のサプリメント規制は相対的に緩やかだと言える。専門家からは、諸外国の規制を参考に、日本の実情に合った制度設計を検討すべきだとの意見が出ている。ただし、規制強化によるデメリットにも配慮が必要だと指摘する声もある。「行き過ぎた規制は、健康食品産業の発展を阻害しかねない」と警告するのは、日本サプリメント評議会の山田和彦会長だ。「安全性の確保と産業振興のバランスを取った規制の在り方を模索すべきだ」と述べ、慎重な議論を求めている。

消費者の健康意識とサプリメント市場の動向

近年、健康志向の高まりを背景に、サプリメント市場は拡大を続けている。矢野経済研究所によれば、2021年度の国内サプリメント市場規模は前年度比5.8%増の7,568億円に達した。新型コロナウイルス感染症の流行を受け、免疫力の維持・向上を目的としたサプリメントが伸長したことが要因とみられる。

消費者の間では、医薬品に頼らず、日常的な健康管理でサプリメントを活用する人が増えている。「体調管理のために、ビタミンやミネラルのサプリメントを飲んでいる」と話すのは、東京都在住の会社員男性(45)だ。「仕事が忙しく、食生活が乱れがちなので、不足しがちな栄養を補うためにサプリメントを利用している」と述べ、健康維持に役立てている。

ただし、専門家からは、サプリメントを過剰に摂取することへの警鐘も鳴らされている。「必要以上のサプリメントの摂取は、かえって体に悪影響を及ぼす恐れがある」と指摘するのは、管理栄養士の高橋美加氏だ。「サプリメントはあくまで補助的なもの。基本は、バランスの取れた食事と適度な運動による健康づくりが大切だ」と述べ、サプリメントに過度に依存しないよう呼びかけている。

小林製薬の紅麹サプリメントによる健康被害問題は、改めてサプリメントの安全性に対する消費者の意識を高める契機となった。専門家は、「サプリメントは万能ではない」と指摘する。消費者には、その特性を正しく理解し、適切に利用することが求められている。事業者には、安全性の確保と適切な情報提供が強く求められる。行政には、消費者の安全を最優先に、実効性のある規制の在り方を検討していくことが期待されている。サプリメントを安心して利用できる環境の整備に向け、関係者が連携して取り組むことが何より重要だ。

サプリメントの正しい選び方

近年、健康志向の高まりを背景に、サプリメントを利用する人は増えている。しかし、サプリメントは医薬品とは異なり、効果や安全性に関する規制が緩やかであるため、適切な選択が重要だ。以下では、サプリメントの正しい選び方について解説する。

1. 目的を明確にする

サプリメントを選ぶ際は、まず自分の目的を明確にすることが重要だ。

体調の改善、美容、スポーツのパフォーマンス向上など、目的に合ったサプリメントを選ぶことが大切である。

漠然とサプリメントを利用するのではなく、明確な目的意識を持つことが望ましい。

2. 科学的根拠を確認する

サプリメントの効果や安全性については、科学的根拠に基づいて判断することが重要である。信頼できる機関が行った臨床試験や研究結果を確認し、その成分の有効性や安全性を見極めることが求められる。評判や口コミだけで選ぶのは避け、客観的なデータを重視することが大切だ。

3. 成分表示を確認する

サプリメントの容器や包装には、必ず成分表示が記載されている。選ぶ際は、この成分表示をしっかりと確認したい。アレルギーのある成分が含まれていないか、医薬品との相互作用が懸念される成分がないかなど、自分の体質や健康状態に合った成分かどうかを見極めることが重要である。

4. 認証マークを確認する

サプリメントには、GMP(適正製造規範)やトクホ(特定保健用食品)など、一定の基準をクリアした製品に与えられる認証マークがある。これらのマークが付与された製品は、品質管理や安全性に一定の配慮がなされているため、選ぶ際の目安になるだろう。

5. 価格だけで判断しない

サプリメントは、価格の安さだけで選ぶべきではない。安価な製品は、品質管理や安全性に問題がある場合があるからだ。一方、高価な製品が必ずしも高品質とも限らない。価格だけでなく、製品の品質や安全性、自分の目的に合っているかどうかを総合的に判断することが重要である。

6. 医療機関や専門家に相談する

サプリメントの利用に不安がある場合は、医療機関や専門家に相談することをおすすめする。特に、持病がある場合や医薬品を服用している場合は、サプリメントとの相互作用などに注意が必要だ。医師や薬剤師、管理栄養士などの専門家に相談し、適切なアドバイスを受けることが大切である。

サプリメントは、適切に選択し、正しく利用することで、健康の維持・増進に役立つことができる。しかし、その一方で、誤った選択や利用は、健康被害のリスクを高める可能性がある。自分の目的や体質、健康状態に合ったサプリメントを選び、適切な量を摂取することが重要だ。サプリメントを利用する際は、正しい知識を身につけ、慎重に選択することが求められる。

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