知らないと損!SNSデマに騙されないためのファ-クトチェックの手順【一般人でもできる9つの方法】
その情報、本当に信じて大丈夫?ファクトチェックで情報を見抜く力を手に入れよう
「【緊急速報】〇〇でライオンが逃走中!」「この野菜を食べるとガンが治る!」
SNSを開けば、毎日ものすごい量の情報が流れてきますよね。中には、思わず「え、本当!?」と声を上げてしまうような衝撃的な情報も少なくありません。
でも、ちょっと待ってください。その情報、本当に信じて大丈夫でしょうか?
実は、私たちの周りには、意図的に作られたデマや、悪意はなくても間違った情報がたくさん溢れています。 そうした情報に気づかずに「大変だ!」と拡散してしまったら、社会に混乱を招いたり、誰かを傷つけたり、最悪の場合、あなた自身の信用を失ってしまうかもしれません。
「でも、プロの記者でもないし、何が本当かなんて見分けられないよ…」
そう感じていませんか?
ご安心ください。ファクトチェックの手順は、特別なスキルやツールがなくても、誰でも実践できるんです。
この記事では、「ファ-クトチェックの手順 一般人でもできる方法」をテーマに、探偵のように情報の真偽を突き止めるための具体的で簡単なステップを、どこよりも分かりやすく解説します。
この記事を読み終える頃には、あなたは情報に振り回される側から、情報を見抜き、賢く活用する側に変わっているはずです。情報過多の現代社会を生き抜くための必須スキルを、この機会にぜひ手に入れてください。
結論:ファクトチェックは「5つの習慣」で誰でもできる!
忙しいあなたのために、まず結論からお伝えします。一般人でもできるファクトチェックの手順は、突き詰めると以下の5つのシンプルな習慣に集約されます。
- ①「誰が言っている?」をチェックする習慣(情報源の確認)
- ②「他の人も言っている?」を探す習慣(複数ソースの比較)
- ③「元ネタはどこ?」を遡る習慣(一次情報の探索)
- ④「いつの話?」を確認する習慣(情報の鮮度)
- ⑤「これって意見?事実?」と考える習慣(意見と事実の分離)
これだけ見ると「なんだか難しそう…」と感じるかもしれませんが、大丈夫です。これから、一つひとつのステップを具体的なエピソードやSNSでの声を交えながら、楽しく解説していきます。
まずは落ち着いて!情報に接した瞬間の「感情コントロール術」がファ-クトチェックの第一歩
「許せない!」「これはひどい!」「すごい発見だ!」
こうした強い感情を抱かせるニュースほど、一度立ち止まる必要があります。なぜなら、デマや誤情報は、私たちの不安や怒り、喜びといった感情を煽り、冷静な判断力を奪うことで拡散していくからです。
みんなやりがち!「善意」がデマを拡散させたAさんの失敗談
私の友人Aさんは、とても心優しく、正義感の強い人です。ある日、SNSで「迷子のペットを探しています。寒空の下で震えているかもしれません。どうか拡散にご協力ください!」という投稿を見つけました。写真には、悲しそうな瞳のかわいい犬が写っています。
「これは大変!一刻も早く見つけてあげないと!」
Aさんはすぐに投稿をシェアしました。友人たちからも「見つかるといいね」「私もシェアしたよ」とコメントがつき、Aさんは「少しでも役に立ててよかった」と温かい気持ちになりました。
しかし、数日後、その投稿が数年前にすでに解決していたデマだったことが発覚。元の投稿者はアカウントを削除しており、古い情報が繰り返し拡散されているだけだったのです。Aさんの元には「これ、デマらしいですよ」という指摘が寄せられ、彼女は善意で行ったことが、結果的に人々の親切心を利用したデマの拡散に加担してしまったことに、ひどく落ち込んでしまいました。
感情が揺さぶられた時こそ「6秒ルール」
Aさんのように、善意からデマの拡散に加担してしまうケースは後を絶ちません。 こうした失敗を避けるために有効なのが、怒りの感情をコントロールするアンガーマネジメントで知られる「6秒ルール」です。
強い感情が湧き上がってきたら、シェアボタンを押す前に、まず6秒だけ待ってみるのです。
- . ゆっくり深呼吸する
- . 一旦スマートフォンを置く
- . 飲み物を一口飲む
- 例1:公的機関の発表
- 例2:大手新聞社のニュース記事
- 例3:その分野の専門家の解説ブログ
- ニュース記事に出てくる「〇〇大学の研究によると」「政府の発表では」といったキーワードに注目する。
- Google検索で「site:go.jp」(政府機関のサイトに限定)や「site:ac.jp」(大学などの学術機関に限定)といったコマンドを使って、信頼できる情報源に絞って検索する。
- 統計データを探すなら「e-Stat(政府統計の総合窓口)」を見てみる。
- 論文を探すなら「CiNii Articles」や「Google Scholar」を使ってみる。
- 記事の公開日、最終更新日をチェックする。
- SNSの投稿日時を確認する。
- 写真や動画が撮影された日時を疑う。(過去の映像が現在の出来事のように使われることがある)
- 感情的な言葉が多い:「許せない!」「衝撃の事実!」など、読者の感情を過度に煽る表現。
- 断定的な表現が多い:「絶対に〇〇だ」「間違いなく〇〇」など、根拠なく断言している。
- 特定の個人や団体への攻撃:客観的な批判ではなく、単なる悪口や誹謗中傷になっている。
- 意見と事実が混ざっている:客観的な事実に、発信者の主観的な意見が巧妙に混ぜ込まれている。
- . 気になる画像を長押しして「Googleレンズで画像を検索」を選択する。(機種によって操作は異なります)
- . 検索結果が表示され、その画像がいつ、どこで、どのような文脈で使われてきたのかが分かります。
- . 口の動きと音声のズレ:話している内容と口の動きが微妙に合っていない。
- . 不自然な瞬きや表情:人間らしくない、機械的な動きをしている。
- . 背景の歪みやノイズ:人物の輪郭の周りや背景が不自然に歪んでいる。
- 日本ファクトチェックセンター(JFC):日本国内の偽情報・誤情報について、専門家が検証した結果を記事として公開しています。 気になるニュースがあれば、まずここで検索してみるのがおすすめです。
- Fact Check Explorer (Google):世界中のファクトチェック機関による検証記事を検索できるツールです。 海外の情報を調べる際に役立ちます。
- 賛成意見を調べたら、次は必ず反対意見も調べる。
- 「〇〇 批判」「〇〇 問題点」「〇〇 デメリット」といったキーワードで検索してみる。
- その人は本当にその分野の専門家か?(経済評論家が医療について語っているなど)
- その発言に利害関係はないか?(特定の商品を宣伝することで利益を得る立場にないか)
- 他の専門家は同じ意見を言っているか?
- いつも見ている新聞社のサイト
- NHKや主要なテレビ局のニュースサイト
- お住まいの自治体の公式サイト
- 日本ファクトチェックセンター(JFC)
- 感情に流されない:強い感情を抱かせる情報ほど、一度立ち止まり、冷静になることがファクトチェックの第一歩です。
- 基本の5ステップを実践する:①情報源の確認、②複数ソースでの裏付け、③一次情報の探索、④情報の鮮度の確認、⑤言葉遣いのチェック、という探偵のような基本手順を身につけましょう。
- 画像や動画も疑う:便利な逆引き検索などを活用し、ビジュアル情報が偽造や誤用でないかを確認する習慣を持ちましょう。
- 自分の「心のクセ」を知る:「自分の信じたい情報ばかり見てしまう」確証バイアスなどの存在を意識し、あえて反対意見を探すなど、客観的な視点を心がけましょう。
たったこれだけで、感情のピークが過ぎ去り、冷静な思考を取り戻すことができます。そして「この情報、シェアする前に少し調べてみようかな」という気持ちの余裕が生まれるのです。
> 【SNSの声】
> 「『拡散希望』って書いてある投稿は、9割疑ってかかるようにしてる。本当に大事なことなら、公的機関とか大手メディアが報道するはずだし。感情で動く前に一呼吸おくのが大事だよね。」
探偵気分でやってみよう!基本の「ファクトチェックの手順」5ステップ
感情の波を乗りこなし、冷静さを取り戻したら、いよいよ本格的なファクトチェックのステップに進みましょう。ここからは、あなたも名探偵。一つひとつ証拠を集め、情報の真偽を突き止めていきます。
ステップ1:発信者は誰?「情報源」の信頼度チェックリスト
まず最初に確認すべきは、「誰がその情報を発信しているのか?」ということです。 情報源の信頼性は、情報の信憑性を判断する上で最も重要な手がかりとなります。
以下のチェックリストを使って、情報源の「身元調査」をしてみましょう。
チェック項目 | 信頼度 高 | 信頼度 中 | 信頼度 低 |
---|---|---|---|
発信元の種類 | 政府機関、公的機関、大学、研究機関、主要メディア | 専門家や著名人の個人ブログ、企業の公式発表 | 匿名の個人SNSアカウント、まとめサイト、掲示板 |
発信者の専門性 | その分野の専門家、研究者、長年の取材経験がある記者 | 関連分野の専門家、インフルエンサー | 全くの素人、経歴不明 |
過去の投稿内容 | 一貫性があり、客観的な情報が多い | 個人的な意見や宣伝が多い | 偏った意見、陰謀論、デマの拡散歴がある |
連絡先や所在地の明記 | 明確に記載されている | 記載はあるが不十分 | 記載が全くない |
例えば、健康に関する情報であれば、匿名のブログよりも、厚生労働省や大学病院のウェブサイトの方が信頼できるのは明らかですよね。
> 【プロならこうする!】
> 「発信者の名前で検索するだけでなく、『〇〇(発信者名) 評判』『〇〇 批判』のように、あえてネガティブなキーワードを加えて検索してみるのも有効です。多角的な視点から発信者の信頼性を評価することができますよ。」
ステップ2:それって他の人も言ってる?「複数ソース」での裏付け
一つの情報源だけを鵜呑みにするのは非常に危険です。 必ず、複数の異なる情報源(ソース)で同じ情報が報じられているかを確認しましょう。 これを「裏付け(裏取り)」と言い、ジャーナリズムの基本中の基本です。
理想は、立場の異なる最低3つのソースを確認することです。
もし、多くの信頼できるメディアが同じ内容を報じていれば、その情報の信憑性は高いと言えるでしょう。 逆に、一つの怪しげなサイトしかその情報に言及していない場合は、デマの可能性が濃厚です。
> 【多くの人がやりがちな失敗談】
> 「いろんなニュースサイトで同じことが書かれているから安心!」と思ったら、実は全てのサイトが、最初に報じた一つの記事をコピー&ペーストしていただけだった…ということがあります。これは複数のソースを確認したことにはなりません。全く関係のない、独立した情報源を探すことが重要です。
ステップ3:元ネタはどこ?「一次情報」を探す旅
ニュース記事やブログは、誰かが調査した結果をまとめた「二次情報」であることがほとんどです。 ファクトチェックの精度をさらに高めるには、その元となった「一次情報」を探し出すことが最強の武器になります。
一次情報とは、あなた自身が直接体験したり、調査したりして得た情報のことですが、一般的には公的機関の発表や統計データ、研究論文、当事者への直接のインタビューなどを指します。
一次情報の探し方のコツ
少し手間はかかりますが、一次情報にたどり着くことができれば、情報が加工されたり、意図的に解釈が変えられたりしていないかを確認できます。
ステップ4:日付はいつ?「情報の鮮度」を確認するクセづけ
見落としがちですが、情報がいつ発信されたのかを確認することも非常に重要です。
特に災害情報や感染症に関する情報など、状況が刻一刻と変化するものでは、古い情報が「最新情報」として再拡散され、混乱を招くケースがよくあります。
「この情報、今でも通用する話なのかな?」と一歩引いて考える癖をつけましょう。
ステップ5:偏ってない?「論調や言葉遣い」の違和感センサー
情報の信頼性は、その内容だけでなく、使われている言葉遣いにも表れます。 以下の様な特徴が見られる場合は、注意が必要です。
こうした文章は、読者を特定の方向に誘導しようという意図が隠されている可能性があります。 常に「この記事には何か裏の目的があるのではないか?」と、少しだけ疑いの目を持つことが大切です。
画像や動画は嘘をつく?AI時代に必須の「ビジュアル情報」ファクトチェック術
「百聞は一見に如かず」と言いますが、現代では写真や動画でさえ簡単に偽造できてしまいます。 特にAI技術の進歩により、本物と見分けがつかない「ディープフェイク」と呼ばれる精巧な偽動画も登場しており、注意が必要です。
しかし、基本的なビジュアル情報のファクトチェックなら、特別なツールがなくても簡単に行えます。
超簡単!Google画像検索で「画像の逆引き」
「この写真、初めて見たけど本当かな?」と思ったら、画像の逆引き検索を試してみましょう。これは、画像そのものを使って、インターネット上で同じまたは類似の画像を探す機能です。
【スマホでの簡単なやり方】
この方法を使えば、「〇〇国の災害写真」として拡散されていた画像が、実は全く別の国の、数年前の出来事だった、なんてことが簡単に判明します。
> 【意外な発見!】
> 以前、「戦場で子猫を救う兵士の感動的な写真」が話題になりましたが、逆引き検索したところ、実は映画のワンシーンを切り取ったものだと判明したことがあります。文脈が変わるだけで、画像の持つ意味は全く異なってしまうのです。
動画の不審な点を見抜く3つのポイント
動画のファクトチェックは画像よりも少し難易度が上がりますが、注意深く観察すれば不自然な点を見つけられることがあります。
怪しいと感じたら、動画の一部分をスクリーンショットで撮影し、その画像を逆引き検索してみるのも有効な手段です。
知っておきたい便利なツールたち
より本格的に調べたい方向けに、ファクトチェックを支援してくれる便利なサービスも存在します。
これらのツールも活用しながら、情報の真偽を見極める精度を高めていきましょう。
意外な落とし穴!ファクトチェックで「多くの人がやりがちな失敗」ワースト3
ここまでファクトチェックの具体的な手順を解説してきましたが、実は私たちの心の中には、せっかくのチェックを台無しにしてしまう「思考のワナ」が存在します。ここでは、多くの人が陥りがちな失敗とその対策について解説します。
失敗談1:「自分の信じたい情報」だけを集めてしまう確証バイアス
人間は誰でも、無意識のうちに自分の考えや信じたいことを支持する情報ばかりを探し、反対の意見や不都合な情報から目をそらしてしまう傾向があります。 これを心理学で「確証バイアス」と呼びます。
例えば、「A社の商品は素晴らしい!」と信じている人は、「A社 商品 おすすめ」と検索し、絶賛するレビューばかりを読んで満足してしまいます。「A社 商品 評判 悪い」とは、なかなか検索しようとしません。
この確証バイアスは、ファクトチェックにおいて最大の敵です。 自分では客観的に調べているつもりでも、気づかぬうちに自分の考えを補強する証拠だけを集め、誤った結論に至ってしまうのです。
【対策:悪魔の代弁者になれ!】
確証バイアスに打ち勝つには、意識的に「悪魔の代弁者」、つまり自分の意見にあえて反対する立場に立ってみることが有効です。
このように、物事を両面から見ることで、より客観的でバランスの取れた判断ができるようになります。
失敗談2:一部分だけが事実でも「全体が正しい」と勘違い
巧妙なデマは、9割の嘘の中に、1割だけ誰もが知っている事実を混ぜ込むことがあります。
例えば、「〇〇市(実在する市)で、空飛ぶ巨大イカが目撃されました!これは政府が秘密裏に進める生物兵器の実験です!」という情報があったとします。「〇〇市」という地名が事実であるため、それに続く「空飛ぶ巨大イカ」という荒唐無稽な話まで、なんとなく信じてしまいそうになるのです。
一部分に事実が含まれているからといって、情報全体が正しいとは限りません。どこまでが事実で、どこからが嘘や憶測なのかを丁寧に見分ける必要があります。
失敗談3:「専門家」や「権威」の言葉を鵜呑みにしてしまう
「〇〇大学教授が推薦!」「元〇〇省の役人が暴露!」
このような肩書きを見ると、つい「この人が言うなら間違いないだろう」と信じてしまいがちです。しかし、肩書きだけで情報を100%信用するのは危険です。
【チェックポイント】
どんなに立派な肩書きを持つ人でも、間違うこともあれば、特定の意図を持って発言することもあります。常に「なぜこの人はこう言うのだろう?」と背景を考える視点を持ちましょう。
ファクトチェックを習慣化する!日常で使える3つの小さな工夫
ファクトチェックは、一度やれば終わり、というものではありません。日々の生活の中で、自然に実践できる「習慣」にすることが大切です。ここでは、今日から始められる3つの小さな工夫を紹介します。
工夫1:SNSの「シェア」ボタンを押す前に一呼吸
情報を見て「面白い!」「みんなに教えたい!」と思っても、すぐにシェアボタンを押すのはやめましょう。Aさんの失敗談を思い出してください。
シェアする前に、「この記事は本当に信頼できるか?」「もしデマだったらどうなるか?」と自問自答する習慣をつけましょう。たとえ数分でも自分で調べてみて、確信が持ててからシェアするだけでも、デマの拡散を防ぐ大きな一歩になります。
工夫2:家族や友人との会話で「それって本当?」と問いかける
家族や友人から「テレビで言ってたんだけど、〇〇らしいよ」といった話を聞いたとき、「へぇ、そうなんだ」で終わらせず、「それって、どこ情報?」「元ネタは何だろうね?」と、一緒に考えてみるのも良いトレーニングになります。
ただし、相手を問い詰めるような言い方にならないように注意が必要です。「面白い話だね!もっと詳しく知りたいから、一緒に調べてみない?」といったスタンスで、会話を楽しみながら情報リテラシーを高めていきましょう。
工夫3:信頼できる情報源をブックマークしておく
いざという時にすぐ確認できるよう、信頼できる情報源をいくつかスマートフォンのブラウザやPCにブックマークしておくことをお勧めします。
気になる情報に触れたとき、これらのサイトにアクセスして関連情報がないか確認するだけで、多くのデマや誤情報を見抜くことができます。
まとめ
情報が洪水のように押し寄せる現代社会において、ファクトチェックは自分自身と大切な人を守るための強力な「盾」であり、より良い社会を築くための「武器」にもなります。最後に、この記事の要点を振り返りましょう。
ファクトチェックは、決して難しいものではありません。この記事で紹介した手順や工夫は、すべて今日から、あなた一人で始められることばかりです。
一つひとつの情報を吟味し、その真偽を確かめる小さな習慣が、あなたを情報に振り回されない、賢い情報活用者へと成長させてくれます。さあ、今日からあなたの探偵物語を始めてみませんか?