柔道耳はなぜできる?知らないと損する原因と予防法、治療まで完全ガイド!

oufmoui
記事内に商品プロモーションを含む場合があります
スポンサーリンク

柔道耳って、どうしてなるの?その疑問、すべて解決します!

「柔道やレスリングをやってる人の耳って、なんであんな形なんだろう?」 「餃子みたいって聞くけど、痛くないのかな?」 「これから柔道を始めるんだけど、自分もああなっちゃうの?」

テレビで格闘技を見ていたり、身近に柔道をしている人がいると、ふとそんな疑問が浮かびますよね。あの独特の形をした耳は「柔道耳」と呼ばれ、激しい練習を積んできた証とも言われます。しかし、その正体や、なぜそうなるのかというメカニズム、そして予防や治療の方法まで詳しく知っている人は意外と少ないのではないでしょうか。

この記事を読めば、そんな「柔道耳、なぜ?」というあなたの疑問がスッキリ解決します。柔道耳の正体から、できてしまうメカニズム、リアルな症状、そして今日からできる予防法、万が一なってしまった場合の治療法まで、どこよりも詳しく、そして分かりやすく解説していきます。

柔道を頑張るお子さんを持つ親御さん、ご自身がコンタクトスポーツに打ち込んでいる方、そして純粋に「なぜ?」と気になっていたあなたも、この記事を読み終える頃には柔道耳博士になっているはずです。正しい知識を身につけて、ケガの不安なく、スポーツを思いっきり楽しみましょう!

結論:柔道耳の正体は「内出血」。正しい予防と早期治療がカギ!

まず結論からお伝えします。多くの人が疑問に思う「柔道耳はなぜできるのか?」という問いへの答えは、「耳への度重なる強い摩擦や圧迫によって内出血(耳介血腫)が起こり、その血液が固まって変形してしまうから」です。

これは、柔道やレスリング、ラグビーといったコンタクトスポーツの宿命ともいえるケガの一種です。一度変形してしまうと元に戻すのは簡単ではありませんが、幸いなことに、しっかりとした予防策があり、万が一なってしまっても初期段階で適切な治療を受ければ、変形を防ぐことが可能です。

重要なのは、「耳に異変を感じたら、放置せずにすぐ対処する」こと。この記事で、その具体的な方法をしっかり学んでいきましょう。

そもそも柔道耳とは?その正体を徹底解剖

まずは「柔道耳」そのものについて、もう少し詳しく見ていきましょう。呼び名や医学的な正体を知ることで、理解がぐっと深まりますよ。

「ギョーザ耳」「カリフラワーイヤー」呼び名の由来は?

柔道耳は、その独特な見た目から様々な愛称で呼ばれています。

  • ギョーザ耳(餃子耳): 最もポピュラーな呼び名かもしれません。ぷっくりと膨らんだ形が、まさに焼き餃子にそっくりなことから名付けられました。
  • カリフラワーイヤー: 欧米ではこちらの呼び方が一般的です。ゴツゴツとした表面が、野菜のカリフラワーのように見えることから来ています。
  • レスリング耳、力士耳: 柔道以外でも、レスリングや相撲の選手にも多く見られるため、このように呼ばれることもあります。

これらの呼び名は、いずれも見た目の特徴を捉えたものですが、選手にとっては長年の厳しい練習を物語る「勲章」と捉えられることもあります。

柔道耳の正体は「耳介血腫(じかいけっしゅ)」というケガ

親しみやすい(?)呼び名とは裏腹に、柔道耳の医学的な正式名称は「耳介血腫(じかいけっしゅ)」と言います。

これは病気ではなく、耳介(いわゆる耳たぶ全体)に繰り返し摩擦や圧迫などの刺激が加わることで起こる、ケガの一種です。 具体的には、薄い皮膚と軟骨の間で内出血が起こり、血の塊(血腫)ができてしまう状態を指します。

最初はただの内出血でブヨブヨと柔らかいのですが、これを放置したり、何度も繰り返したりしているうちに、溜まった血液が線維化(せんいか)という現象を起こしてカチカチに固まり、耳が変形してしまうのです。

なぜ柔道選手に多いのか?その理由を深掘り

では、なぜ特に柔道選手にこの「耳介血腫」が多いのでしょうか?その理由は、柔道の特性に隠されています。

  • 寝技での摩擦: 柔道の大きな特徴である寝技では、畳に耳を強くこすりつけられる場面が非常に多くあります。
  • 組み手争いでの圧迫: 相手と組み合う際、相手の腕や道着が耳に強く当たったり、圧迫されたりすることも日常茶飯事です。
  • 投げられた際の衝撃: 投げ技を受けた際に、受け身を取りきれず耳を畳に打ち付けてしまうことも原因の一つです。

このように、柔道の練習では、他のスポーツに比べて耳へ直接的なダメージが加わる機会が圧倒的に多いのです。 まさに、激しい稽古を積み重ねた結果として現れる、特有のケガと言えるでしょう。

【柔道耳なぜできる?】発生メカニズムを3ステップで解説

「内出血が原因なのはわかったけど、具体的に耳の中で何が起こっているの?」 そんな疑問にお答えするために、柔道耳ができるまでのメカニズムを、もっと詳しく3つのステップに分けて見ていきましょう。

ステップ1:激しい摩擦で皮膚と軟骨がズレる

柔道耳の最初のきっかけは、耳への強い摩擦や圧迫です。 寝技で畳に耳をこすりつけられたり、相手の道着で強く擦られたりすると、耳の表面にある薄い皮膚と、その下にある軟骨との間に「ズレ」が生じます。

耳の皮膚は非常に薄く、すぐ下に軟骨があるため、外部からの力がダイレクトに伝わりやすい構造になっています。 この「ズレ」によって、皮膚と軟骨をつなぎとめている細い血管が引き伸ばされたり、断裂してしまったりするのです。

ステップ2:内出血が発生し、血の塊(血腫)ができる

ステップ1で血管が傷つくと、そこから出血が起こります。これが内出血です。 出血した血液は、皮膚と軟骨の間にできた隙間にどんどん溜まっていきます。 この溜まった血液の塊が、柔道耳の正体である「血腫(けっしゅ)」です。

この段階では、耳は赤紫色に腫れあがり、熱っぽさを感じたり、ズキズキとした痛みを伴ったりすることがあります。 触ってみると、ブヨブヨとしていて、中に液体が溜まっているのが分かります。柔道家の間では、この状態を「耳が沸く」と表現することがあります。

ステップ3:血腫が固まり、線維化して変形する

できてしまった血腫を放置すると、体はそれを吸収しようとしたり、修復しようとしたりします。その過程で、血腫の中にコラーゲンなどの線維組織が作られていきます。これを「器質化(きしつか)」や「線維化(せんいか)」と呼びます。

この線維化が進むと、最初は液体だった血腫が徐々に硬い組織に置き換わり、ゴツゴツとした塊になってしまいます。 これが、元には戻らない「柔道耳」の完成です。この状態になってしまうと、自然に治ることはほとんど期待できません。

血腫ができてから固まるまでの期間には個人差がありますが、数週間から数ヶ月かかると言われています。 つまり、変形を防ぐためには、ステップ2の「血が溜まっている」段階で、いかに早く適切な処置をするかが非常に重要なのです。

> 【失敗談】「ただの打撲だと思ってた…」放置した先輩の末路

> > 私が高校の柔道部だった頃の話です。一個上のA先輩は、とにかく練習熱心な努力家でした。ある日の練習後、先輩が「なんか耳が痛いな…熱持ってる感じだ」と呟きました。見てみると、耳の上部が少し赤く腫れています。 > > コーチは「おいA、耳が沸きかけてるぞ。今日はしっかり冷やして、明日も腫れが引かなかったら病院に行けよ」とアドバイスしました。しかし、A先輩は「大丈夫っす!これくらい!練習休む方が嫌なんで!」と、アイシングだけして、翌日も普通に練習に参加してしまったのです。 > > それから1週間後。A先輩の耳は見るも無残にパンパンに腫れ上がり、紫色になっていました。歩く振動だけでも痛いと言い、さすがに病院へ。診断はもちろん「耳介血腫」。結局、血を抜く処置をした後、再発を防ぐために1ヶ月近く練習を休むことになってしまいました。 > > 後で先輩は、「あの時、コーチの言うことを聞いておけばよかった。『自分は大丈夫』っていう根拠のない自信が一番ダメだな…」と深く後悔していました。この一件以来、私たちの部では「耳の違和感は、勇気ある撤退のサイン」が合言葉になりました。

痛いの?かゆいの?柔道耳のリアルな症状と経過

では、実際に「耳が沸く」とき、体はどんなサインを発するのでしょうか?初期症状から変形が進んだ後の状態まで、リアルな声も交えながら詳しく見ていきましょう。

初期症状:熱感、腫れ、そしてズキズキする痛み

耳介血腫ができた直後、つまり「耳が沸き始めた」段階では、以下のような症状が現れます。

  • 熱っぽさ(熱感): 炎症が起きているため、患部が熱くなります。
  • 腫れ: 内出血によって、耳がぷっくりと膨らみます。最初は一部分だけだったのが、時間とともに広がっていくこともあります。
  • 痛み: ズキズキ、ジンジンとした拍動性の痛みが特徴です。特に、歩いたり頭を動かしたりする振動で痛むことがあります。
  • 赤み・変色: 患部が赤くなったり、内出血によって青紫色に見えたりします。

この段階は、体が「異常事態だよ!」と知らせてくれているサインです。このサインを見逃さず、すぐに練習を中断し、アイシングなどの応急処置をすることが何よりも大切です。

中期~後期:痛みは引くが、ブヨブヨした感触に

初期の強い痛みが少し和らいでくると、耳はブヨブヨとした感触に変わっていきます。痛みは軽くなりますが、腫れは続いている状態です。 かゆみを伴うこともあります。

この「痛みが引いたから大丈夫だろう」と油断してしまうのが、非常に危険なポイント。内部では血腫が固まる準備を着々と進めています。この段階で病院へ行けば、まだ注射器で比較的簡単に血を抜くことが可能です。

放置した末路:硬く変形し、元には戻らない

そして、ブヨブヨした状態も放置してしまうと、血腫は線維化して硬い組織に変わってしまいます。 こうなると、見た目もゴツゴツとした「カリフラワーイヤー」となり、イヤホンがしにくくなったり、マスクのゴムがかけにくくなったりといった、日常生活での不便が生じることもあります。

> SNSでのリアルな声「耳が沸くってこういうことか…」

> > SNSを検索してみると、選手たちの生々しい声が見つかります。 > > * 「今日の寝技でゴリっとやっちゃった…。耳が熱いしジンジンする。これが噂の『耳が沸く』か…」 > * 「耳、ついに餃子になり始めました。歩くだけで痛い(泣)明日は朝イチで耳鼻科行って血を抜いてもらいます」 > * 「柔術始めて1年、ついに耳が沸いた。冷えピタ貼って寝るけど、明日の練習どうしようかな…」 > > このように、多くの選手が痛みや今後の不安を感じています。やはり、早期の対処が重要であることがよくわかります。

柔道だけじゃない!柔道耳になりやすい意外なスポーツ

「柔道耳」という名前から柔道特有のものと思われがちですが、実は耳への摩擦や圧迫が起こりやすい他のスポーツでも見られます。

格闘技の宿命?レスリング、ブラジリアン柔術、総合格闘技

柔道と同様に、組み技や寝技が主体となる格闘技では、耳介血腫は職業病とも言えるほど頻繁に発生します。

  • レスリング: タックルやグラウンドでの攻防で、常に相手と密着し、マットに耳が擦れるため、柔道以上に耳介血腫になりやすいと言われています。
  • ブラジリアン柔術: 柔道以上に寝技の占める割合が大きく、パスガードの攻防などで耳が擦れる機会が非常に多いです。
  • 総合格闘技(MMA): 打撃だけでなく、レスリングや柔術の要素も含むため、同様にリスクが高いです。
  • 相撲: 立ち合いでのぶつかり稽古などで耳に強い衝撃が加わります。

意外?ラグビー選手にも多い理由

一見、格闘技とは違うように思えるラグビーですが、実は柔道耳になる選手が非常に多いスポーツです。 その理由は、スクラムにあります。フォワードの選手たちは、スクラムを組む際に相手選手と強く頭を押し付け合います。この時、耳が強烈に圧迫され、摩擦を受けることで耳介血腫ができてしまうのです。

これらのスポーツに共通しているのは、「耳への反復的な物理的刺激」です。もし、これらのスポーツをされている方で耳に違和感を感じたら、それは柔道耳のサインかもしれません。

【知らないと損】今日からできる!柔道耳の予防法5選

「一度なると厄介なのはわかった。じゃあ、どうすれば防げるの?」 ご安心ください。柔道耳は、日々の少しの心がけで十分に予防することが可能です。ここでは、プロの選手も実践している効果的な予防法を5つご紹介します。

1. ヘッドギア・イヤーガードの着用【プロの選択】

最も確実で効果的な予防法は、ヘッドギアやイヤーガードを着用することです。 これらは耳全体を保護カップで覆う構造になっており、練習中の摩擦や打撃から物理的に耳を守ってくれます。

レスリングでは着用が一般的ですが、柔道ではまだ普及しているとは言えないのが現状です。 しかし、近年では柔道専用のイヤーガードも販売されており、練習中に使用する選手も増えています。

> プロならこうする!

> 現役の選手、特に耳が腫れやすい人や一度経験した人は、練習の際は必ずヘッドギアを装着しています。 「ちょっとカッコ悪いかな…」と思うかもしれませんが、ケガで練習を休むことになるより、よっぽど賢明な選択です。道場のルールで許可されているなら、積極的に活用しましょう。

予防法 メリット デメリット
ヘッドギア ・保護性能が非常に高い
・頭部全体の保護にもなる
・高価なものがある
・夏場は蒸れやすい
・道場によっては禁止の場合も
イヤーガード ・耳に特化しているため動きやすい
・ヘッドギアより安価な傾向
・保護範囲が耳に限られる

2. 練習後のアイシングを徹底する

練習で耳に刺激を受けたと感じたら、すぐにアイシング(冷却)を徹底しましょう。 これは、柔道耳に限らず、あらゆる打撲や炎症に対する応急処置の基本です。

冷やすことで血管が収縮し、内出血を最小限に抑えることができます。 また、炎症や痛みを和らげる効果も期待できます。

  • 方法: ビニール袋に氷と少量の水を入れ、タオルで包んで患部に15~20分ほど当てる。
  • タイミング: 練習直後、少しでも耳に熱っぽさや違和感を感じたらすぐに行うのがベスト。

3. ワセリンを塗って滑りを良くする

これは少し意外な方法かもしれませんが、練習前に耳にワセリンを塗っておくのも有効です。 ワセリンが潤滑剤の役割を果たし、畳や相手の道着との摩擦を軽減してくれます。これにより、皮膚と軟骨のズレが起こりにくくなるのです。

レスリングの選手などでは、一般的に行われている方法です。ベタつきが気になるかもしれませんが、柔道耳のリスクを考えれば試す価値は十分にあります。

4. 正しい受け身と組み手を身につける

技術的な側面からの予防も重要です。 まず、正しい受け身をマスターすること。これにより、投げられた際に頭部や耳を強打するリスクを減らせます。 また、無理な組み手をしないことも大切です。特に、奥襟を深く持ちすぎると、相手との距離が近くなり、耳が擦れやすくなります。 基本に忠実な、安全な技術を身につけることが、結果的にケガの予防につながるのです。

5. 異変を感じたらすぐに練習を中断する勇気

最後になりますが、これが最も重要かもしれません。 耳に痛み、熱感、腫れなどの少しでも異変を感じたら、勇気を持って練習を中断し、指導者に報告することです。

「これくらい大丈夫」「練習を休みたくない」という気持ちが、取り返しのつかない結果を招くことがあります。 A先輩の失敗談を思い出してください。早期発見、早期対処が、あなたの耳を守る最大の防御策なのです。

もし柔道耳になってしまったら?病院での治療法と費用

万全の予防策を講じていても、激しい練習の中で耳介血腫になってしまう可能性はゼロではありません。もし「耳が沸いてしまった」ら、どうすればいいのでしょうか。ここでは、病院での治療法や費用について解説します。

まずは何科を受診するべき?

耳に血が溜まってしまった場合、受診すべき診療科は主に耳鼻咽喉科または形成外科です。

  • 耳鼻咽喉科: 耳の専門家であり、血を抜く(穿刺)処置や、感染症の管理など、初期治療に迅速に対応してくれます。まずは近くの耳鼻咽喉科を受診するのが一般的です。
  • 形成外科: 変形してしまった耳を元の形に近づける手術(形成術)の専門家です。初期治療も可能ですが、特に症状が進行してしまった場合や、見た目をきれいに治したい場合に相談することになります。

どちらを受診すればよいか迷った場合は、まずは耳鼻咽喉科に相談してみるのが良いでしょう。

治療法①:穿刺(せんし)で血を抜く

耳介血腫の最も基本的な治療法は、注射器で溜まった血液を抜き取る「穿刺(せんし)」です。 腫れている部分に針を刺し、血腫を吸引します。処置自体はすぐに終わりますが、残念ながら一度で完治することは少なく、非常に再発しやすいのが特徴です。

血を抜いても、内部にはまだ隙間が残っているため、再び体液や血液が溜まってしまうのです。 そのため、血が溜まらなくなるまで、週に2~3回程度の通院が必要になることもあります。

治療法②:切開して血腫を除去し、圧迫固定する

穿刺を繰り返しても再発する場合や、血がすでに固まり始めている場合は、皮膚を小さく切開して血腫を完全に取り除く手術が行われることがあります。

そして、処置後に最も重要なのが「圧迫固定」です。血を抜いた後の隙間をなくし、再発を防ぐために、耳の表と裏からガーゼなどを当て、糸で縫い付けて固定(ボルスター固定)したり、包帯やネットで圧迫したりします。 この圧迫固定を1週間程度続ける必要があります。

気になる治療費用と保険適用の有無

ご安心ください。耳介血腫の治療は、健康保険が適用されるため、費用はそれほど高額にはなりません。

  • 穿刺(注射器で抜く処置): 3割負担の場合、1回の処置で数百円程度です。
  • 切開手術(血腫除去手術): 3割負担の場合、手術費用自体は1,500円~4,000円程度が目安です。

これに加えて、初診料や再診料、薬剤費などが別途かかります。 症状や病院によって費用は異なりますので、あくまで目安としてお考えください。

【注意】自分で針を刺すのは絶対にNG!その危険な理由

時々、「自分で針を刺して血を抜けばいい」と考える人がいますが、それは絶対にやめてください!

素人が行うと、以下のような非常に高いリスクがあります。

  • 感染症のリスク: 不衛生な針や環境で処置を行うと、傷口から細菌が入り込み、耳介軟骨膜炎(じかいなんこつまくえん)という重い感染症を引き起こす可能性があります。 これになると、耳がさらにひどく変形したり、最悪の場合、軟骨が壊死(えし)して耳の一部が欠損することもあります。
  • 不完全な処置: 血を完全に抜ききれず、結局すぐに再発したり、中途半端に固まってしまったりする可能性が高いです。

必ず、清潔な環境と専門的な技術を持つ医療機関で、適切な処置を受けてください。

柔道耳のウソ?ホント?よくある疑問に専門家目線で回答

ここでは、柔道耳に関して多くの人が抱く素朴な疑問について、Q&A形式でお答えしていきます。

Q1. 一度(硬く)なったらもう治らない?

A. 基本的には、自然に元の形に戻ることはありません。

一度、血腫が線維化して硬くなってしまうと、残念ながら自然治癒は期待できません。 しかし、見た目が気になる、イヤホンが使えなくて不便といった悩みがある場合は、形成外科で手術(形成術)を受けることで、元の形に近い状態に修正することが可能です。

手術では、変形した軟骨や組織を切除し、耳の形を整えます。 保険適用外の自由診療となる場合もありますが、悩んでいる方は一度専門医に相談してみる価値はあるでしょう。

Q2. 柔道耳は「強さの象徴」って本当?

A. そういう側面もありますが、一概には言えません。

確かに、柔道耳は激しい練習を積み重ねてきた結果として生じるものであり、一部では「努力の勲章」「強さの象徴」と見なされることもあります。 実際、トップレベルの選手には柔道耳の人が多いのも事実です。

しかし、柔道家の間では「耳が沸くのは、受け身や防御が未熟な証拠だ」という考え方もあります。 また、近年では予防意識の高まりから、若手の選手ではきれいな耳を保っている人も増えています。 個人の価値観によりますが、「柔道耳=強い」と単純に結びつけるのは早計かもしれません。

Q3. 放置すると難聴になるリスクは?

A. 直接的な原因にはなりにくいですが、間接的なリスクはあります。

耳介血腫そのものが、内耳や聴神経に影響を与えて難聴を引き起こすことは稀です。 しかし、変形がひどくなり、耳の穴(外耳道)を塞いでしまうほどになると、物理的に音が聞こえにくくなる(伝音難聴)可能性があります。 また、血腫に細菌が感染して重度の炎症(耳介軟骨膜炎)を起こした場合、その炎症が耳の内部に波及するリスクもゼロではありません。 やはり、放置することにメリットは何一つないと言えるでしょう。

Q4. 女性でもなるの?

A. もちろんなります。

耳介血腫の原因は性別ではなく、あくまで物理的な刺激です。 そのため、柔道やレスリングなどの激しいコンタクトスポーツを行っていれば、女性でも男性と同じように柔道耳になる可能性は十分にあります

ただ、美容的な観点から、女性選手の方が予防意識が高く、耳に異変を感じた際に早めに治療する傾向があるため、結果的に重度の変形に至るケースが男性より少ない、ということは考えられます。

まとめ:柔道耳は予防できる!正しい知識で安全にスポーツを楽しもう

最後に、この記事の重要なポイントをもう一度おさらいしましょう。

  • 柔道耳の正体は、耳への繰り返しの刺激による内出血(耳介血腫)です。
  • 原因は、寝技や組み手での摩擦や圧迫。柔道だけでなく、レスリングやラグビーでも起こります。
  • 耳に熱感や痛み、腫れを感じたら、それは「耳が沸き始めた」サインです。
  • 予防の鍵はヘッドギアの着用と、練習後の徹底したアイシングです。
  • もしなってしまったら、自分で治そうとせず、すぐに耳鼻咽喉科か形成外科を受診してください。初期段階なら、血を抜く処置で変形を防げます。

柔道耳は、決して「柔道をやっている人なら仕方ない」ものではありません。正しい知識を持ち、適切な予防と早期対処を心がけることで、そのリスクは大幅に減らすことができます。ケガを恐れて大好きなスポーツを思い切り楽しめないのは、とてももったいないことです。

この記事が、あなたがこれからも安全に、そして全力でスポーツに打ち込むための一助となれば幸いです。

スポンサーリンク
ABOUT US
雑談力向上委員会
雑談力向上委員会
編集部
記事URLをコピーしました