【プロが図解なしで解説】電圧と電流の違いは5分でわかる!知らないと9割の人が損する電気の常識

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「なんか怖い…」で終わらせない!電圧と電流の違いを理解して、電気と”なかよし”になろう!

「電圧と電流って、どっちも電気のことでしょ?何が違うの?」 「スマホの充電器に書いてあるVとかAって、一体何のこと?」 「電気の話って、専門用語が多くて苦手意識がある…」

あなたは今、こんな風に思っていませんか?

電気は私たちの生活に欠かせない、いわば”相棒”のような存在です。それなのに、その仕組みについては「なんだかよくわからない」「難しそう」「下手に触ると危ない」と、少し距離を置いてしまっている人が多いのではないでしょうか。

でも、安心してください。この記事を読み終える頃には、あなたは「電圧と電流の違い」を誰かに自慢げに話せるようになっているはずです。なぜなら、この記事は単なる言葉の説明で終わらないからです。

  • 専門用語を一切使わず、日常の「あるある!」な例えで解説します。
  • スマホの充電、ドライヤーでブレーカーが落ちる理由など、身近な疑問がスッキリ解決します。
  • プロの目線で、家電選びや海外旅行で失敗しないための実践的な知識が身につきます。
  • 感電の本当の怖さ、安全な電気との付き合い方がわかります。

もう「電気は苦手」なんて言わせません。この記事は、あなたの日常をちょっぴり豊かに、そして安全にするための「電気のトリセツ」です。さあ、一緒に電気の世界を冒険しましょう!

【結論】一言でいうとコレ!電圧は「圧力」、電流は「量」

今すぐ答えが知りたいあなたのために、結論からお伝えします。

電圧と電流の最も大きな違いは、「役割」です。

  • 電圧(V:ボルト):電気を回路に押し出す「力・圧力」のこと。
  • 電流(A:アンペア):回路上を流れる電気の「量・勢い」のこと。

これを理解するだけで、電気の基本は8割マスターしたと言っても過言ではありません。この記事では、この「力」と「量」というキーワードを軸に、あなたの「なぜ?」を一つひとつ、丁寧に解きほぐしていきます。

水の流れで例えると一瞬!電圧と電流の根本的な違いを徹底解説

電気は目に見えないから、わかりにくいんですよね。そんなときは、私たちの身近にある「水の流れ」に例えてみましょう。これが驚くほどしっくりくるんです!

電圧は「滝の高さ」!高ければ高いほどパワフル

電圧は、電気をグイッと押し出す力のこと。 水に例えるなら、これは「滝の高さ(水圧)」です。

想像してみてください。

  • 低い滝(低電圧):ちょろちょろと水が流れ落ちる小さな滝。水の勢いは弱いですよね。
  • 高い滝(高電圧):ナイアガラの滝のように、ものすごい高さから大量の水が叩きつけられる巨大な滝。その破壊力はすさまじいものです。

電気もこれと全く同じです。電圧(V:ボルト)の数字が大きければ大きいほど、電気を押し出す力が強く、パワフルになります。日本の家庭用コンセントは100Vですが、欧米では220V〜240Vが一般的です。 これは、欧米の滝の方が日本の滝より2倍以上高い、とイメージすると分かりやすいですね。

電流は「川の幅」!広ければ広いほどたくさんの水が流れる

電流は、実際に流れている電気の量のこと。 水に例えるなら、これは「川の幅(水量)」です。

いくら滝が高くても(電圧が高くても)、川の幅が狭かったら少しの水しか流れません。逆に、滝はそれほど高くなくても、川幅がとても広ければ、ゆったりと大量の水が流れていきます。

これが電流(A:アンペア)のイメージです。アンペアの数字が大きいほど、たくさんの電気が流れていることを示します。

【SNSの声】

> 「なるほど!電圧が水圧で、電流が水量って考えると一気にわかりやすくなった!今までごちゃごちゃだったのが嘘みたいだw」

まさにこの感覚です!この「滝と川」のイメージさえ持っていれば、もうあなたは電気の基本をマスターしたも同然です。

電気の用語 単位 水の例え イメージ
電圧 V(ボルト) 滝の高さ(水圧) 電気(水)を押し出す
電流 A(アンペア) 川の幅(水量) 実際に流れる電気(水)の
抵抗 Ω(オーム) 川の中の岩や障害物 電気(水)の流れを妨げる邪魔者

「抵抗」という名の邪魔者も忘れずに!川の中の岩をイメージしよう

ここで、もう一人、重要な登場人物を紹介させてください。それが「抵抗(Ω:オーム)」です。

川の流れを想像してください。川底がツルツルで何の障害物もなければ、水はスムーズに流れますよね。しかし、川の中に大きな岩がゴロゴロしていたり、水草がたくさん生えていたりしたらどうでしょう?水の流れは邪魔されて、流れにくくなります。

この「流れにくさ」が、電気の世界でいう「抵抗」です。 抵抗が大きいほど電気は流れにくく(電流は小さく)なり、抵抗が小さいほど電気は流れやすく(電流は大きく)なります。

オームの法則を「滝と川の法則」として優しく解説

中学の理科で「オームの法則」という言葉を聞いて、アレルギー反応が出てしまう人もいるかもしれませんね。 V=IR という公式を丸暗記させられた記憶がある人も多いでしょう。

でも、もう大丈夫。「滝と川」のイメージがあれば、この法則は驚くほど簡単に理解できます。

電圧(V) = 電流(I) × 抵抗(R)

これは、

滝の高さ = 川を流れる水量 × 川の中の岩の多さ

と言い換えることができます。

  • たくさんの水を流したい(電流を大きくしたい)なら、滝を高くする(電圧を上げる)か、川の岩を取り除く(抵抗を小さくする)必要がありますよね。
  • 逆に、滝の高さが同じ(電圧が一定)なら、川の岩が増える(抵抗が大きくなる)と、流れる水の量は減ってしまいます(電流は小さくなる)

どうですか?公式を睨みつけるよりも、ずっと直感的に理解できませんか?この関係性さえわかっていれば、電気の現象の多くを説明できてしまうのです。

【日常あるある】あなたの身近にもある!電圧と電流の違いを感じる瞬間5選

「理論はわかったけど、それって実生活で何かの役に立つの?」

もちろんです!電圧と電流の違いがわかると、私たちの身の回りにある「なぜ?」が次々と解き明かされていきます。ここでは、特に皆さんが体験したことのあるであろう「あるある」なシチュエーションを5つご紹介します。

スマホの充電器、「V」と「A」の数字の意味、知ってた?(急速充電の仕組み)

スマホの充電器やモバイルバッテリーをよく見てください。「5V/2A」や「9V/3A」といった表記がありませんか?これがまさに電圧と電流です。

  • V(ボルト):電気を送り込む
  • A(アンペア):電気を送り込む

そして、この2つを掛け合わせたものが電力(W:ワット)、つまり充電のスピードになります。

電力(W) = 電圧(V) × 電流(A)

例えば、2つの充電器を比較してみましょう。

  • 充電器A:5V / 1A → 5W(iPhoneの昔の付属品など)
  • 充電器B:9V / 2A → 18W(最近の急速充電器)

充電器Bは、充電器Aに比べて3倍以上のパワーで電気を送り込めることがわかります。これが「急速充電」の基本的な仕組みです。 より高い電圧(力)で、より多くの電流(量)を送り込むことで、充電時間をグッと短縮しているのです。

【プロの視点】

> 「ここで一つ注意点があります。急速充電は、充電器だけが高性能でもダメなんです。スマホ本体とケーブルも、その高い電圧と電流に対応している必要があります。三位一体、すべてが揃って初めて、その真価が発揮されるんですよ。安いからといって規格の合わないケーブルを使うと、充電が遅いだけでなく、バッテリーの劣化や故障の原因にもなりかねません。」

なぜドライヤーを使うとブレーカーが落ちやすいの?犯人は電流だった!

冬の寒い朝、暖房をつけ、電子レンジで朝食を温め、お湯を沸かしながらドライヤーを使ったら…「バチン!」と家中の電気が消えた。そんな経験はありませんか?

この犯人は、ズバリ「電流の使いすぎ」です。

家庭の電気は、電力会社との契約で一度に使える電流の上限(契約アンペア)が決まっています。 例えば「30A(アンペア)」で契約している場合、家全体で同時に使える電流の合計が30Aまで、ということです。

ここで、消費電力の大きな家電を見てみましょう。

家電製品 消費電力(目安) 電流(100Vの場合)
ドライヤー 1200W 12A
電子レンジ 1400W 14A
電気ケトル 1300W 13A
エアコン(暖房) 1000W~2000W 10A~20A
IHクッキングヒーター 3000W 30A

※電流(A) = 電力(W) ÷ 電圧(V)。ここでは100Vで計算。

見てください、ドライヤーや電子レンジは、たった一台で10A以上の大きな電流を消費します。 これらを同時に使うと、あっという間に契約アンペアの上限を超えてしまいます。

ブレーカーは、電線が熱くなって火事になるのを防ぐための安全装置です。 契約アンペアを超える電流が流れると、「これ以上は危険だ!」と判断して、電気の流れを強制的にストップします。これが「ブレーカーが落ちる」の正体です。 犯人は電圧ではなく、流れる電気の「量」である電流だったのです。

LED電球と白熱電球、電気代が違うのはなぜ?(消費電力Wとの関係)

「LED電球は電気代が安い」というのは、今や常識ですよね。でも、なぜ安いのかを電圧と電流の視点から説明できますか?

答えは、同じ明るさを出すために必要な「消費電力(W)」が全く違うからです。

  • 白熱電球(60W相当の明るさ):消費電力 約54W → 電流 0.54A
  • LED電球(60W相当の明るさ):消費電力 約7W → 電流 0.07A

同じ100Vの電圧(力)で電気を送っても、LED電球は白熱電球の約8分の1の電流(量)で済んでしまうのです。電気代は消費電力(W)に比例しますから、これがそのまま電気代の差となって現れます。

【ちょっとした発見】

> 「昔、夏祭りの屋台で使われていたたくさんの電球、あれってすごく熱かったですよね?あれが白熱電球です。白熱電球は、消費した電気のほとんどが『熱』に変わってしまい、光になるのはほんのわずか。一方、LEDは電気のほとんどを効率よく『光』に変えられるんです。だから消費電力が少なくて済むし、電球自体も熱くなりにくいんですよ。」

静電気の「バチッ!」は高電圧・低電流の仕業だった!

冬の乾燥した日にドアノブに触れて「バチッ!」とくる、あの嫌な静電気。あの瞬間、実は数千ボルトから、時には1万ボルトを超える「高電圧」が発生しています。

「え、1万ボルト!?コンセントの100Vでも危ないのに、死んじゃわないの!?」

そう思いますよね。でも、大丈夫。なぜなら、静電気は電圧こそ非常に高いものの、流れる「電流」がマイクロアンペア(μA:100万分の1アンペア)レベルと、非常に小さいからです。

感電の危険性を決めるのは、実は電圧の高さよりも「人体を流れる電流の量」なのです。 静電気は、滝の高さはエベレスト級だけど、流れる川は糸のように細い、というイメージ。一瞬ピリッとはしますが、人体に深刻なダメージを与えるほどの電気の量ではないため、大事には至らないのです。

海外旅行で変圧器が必要な本当の理由(各国の電圧の違い)

海外旅行に行く際、「変圧器を持っていかなきゃ」と考えたことはありませんか? なぜ変圧器が必要なのでしょうか。

それは、先ほども触れたように、国によってコンセントから供給される電圧が違うからです。

国・地域 電圧
日本 100V
アメリカ、カナダ 110V〜120V
ヨーロッパの多くの国 220V〜240V
中国、韓国 220V

日本の100V仕様の電化製品を、電圧が2倍以上高いヨーロッパの240Vのコンセントに直接差し込むとどうなるでしょう?

これは、軽自動車用のエンジンに、F1レース用の強力な燃料を無理やり流し込むようなものです。エンジン(電化製品)は過剰な力に耐えられず、一瞬でショートして壊れてしまったり、最悪の場合は発火したりする危険性があります。

変圧器は、この海外の高い電圧(240Vなど)を、日本の電化製品が使える100Vまで下げてくれる、いわば「電圧の翻訳機」のような役割を果たしてくれるのです。

【知らないと損する豆知識】

> 「実は、最近のスマホやノートパソコンの充電器(ACアダプター)は、世界中の電圧に対応している『ユニバーサル仕様(AC100-240Vと表示)』がほとんどです。 そのため、これらの製品に限っては変圧器は必要なく、コンセントの形状を合わせる『変換プラグ』さえあればOKな場合が多いんですよ。 旅行前に、お持ちの電化製品の表示をぜひチェックしてみてください!」

プロはここを見ている!家電選びで失敗しないための電圧・電流チェック術

電圧と電流の違いがわかると、家電選びがもっと賢く、もっと楽しくなります。ここでは、家電量販店の店員さんやプロの電気工事士が、普段どんな視点で製品をチェックしているのか、そのコツをこっそりお教えします。

「アンペア(A)」に注目!契約アンペア数と家電の同時使用

新しい家電を買う前に、まず確認してほしいのが、ご自宅の「契約アンペア数」です。これは、電力会社との契約書や、分電盤にあるアンペアブレーカーの色と数字で確認できます。

【多くの人がやりがちな失敗談】

> 主婦のAさんは、最新の高機能なオーブンレンジと食洗機、そして強力な掃除機を同時に購入しました。しかし、いざ夕飯の準備でオーブンと食洗機を同時に使ったところ、ブレーカーが頻繁に落ちるように。「せっかく買ったのに、同時に使えないなんて…」と頭を抱えてしまいました。Aさんのお宅の契約アンペアは30A。オーブンレンジ(14A)と食洗機(13A)を同時に使うと、それだけで27Aも消費してしまい、そこに他の照明や冷蔵庫の電流が加わると、簡単に30Aを超えてしまっていたのです。

このような失敗をしないために、消費電力の大きな家電(エアコン、電子レンジ、ドライヤー、IHクッキングヒーターなど)を購入する際は、「今ある家電と同時に使っても、契約アンペア数の範囲内に収まるか?」をシミュレーションすることが非常に重要です。

もし頻繁にブレーカーが落ちるようなら、電力会社に連絡して契約アンペア数を上げる(例:30A→40A)ことも検討しましょう。(※集合住宅の場合は管理組合の確認が必要な場合があります)

「ボルト(V)」を確認!日本と海外の電圧事情と注意点

日本国内で使う分にはあまり気にする必要はありませんが、海外製の家電を購入したり、海外で日本の家電を使ったりする場合には「電圧(V)」の確認が必須です。

  • 日本国内の電圧:基本的に100V。ただし、エアコンやIHクッキングヒーターなど、パワーが必要な機器用に200Vのコンセントが設置されている家庭もあります。
  • 海外の電圧:110V〜240Vと国によって様々。

【プロならこうする、という視点】

> 「最近はインターネットで海外のおしゃれなデザイン家電を個人輸入する人も増えています。しかし、ここで注意したいのが電圧の違いです。例えば、ヨーロッパ仕様(230V)の電気ケトルを日本(100V)で使うと、本来のパワーが出せず、お湯が沸くのにものすごく時間がかかったり、そもそも動作しなかったりします。逆はもっと危険で、日本の100V仕様の製品を海外で使うと故障や火災の原因になります。必ず『AC100-240V』のようなユニバーサル対応製品か、対応していない場合は適切な変圧器を用意することが鉄則です。」

「ワット(W)」から電流を計算する方法【簡単公式】

家電製品のカタログや本体には、よく「消費電力:〇〇W」と書かれています。 このワット数から、その家電がどれくらいの電流を必要とするのかを簡単に計算できます。

電流(A) = 電力(W) ÷ 電圧(V)

日本の電圧は100Vなので、単純に「ワット数を100で割る」と考えればOKです。

  • 例1:消費電力1200Wのドライヤー

1200 ÷ 100 = 12A

  • 例2:消費電力800Wのトースター

800 ÷ 100 = 8A

この計算方法を知っているだけで、「この2つの家電を同時に使うと、合計で20Aくらいだな。うちの契約は40Aだから、まだ余裕があるな」といった判断が自分でできるようになります。

失敗談:契約アンペアを考えずに家電を買い揃えたBさんの悲劇(創作エピソード)

一人暮らしを始めた大学生のB君。彼は大の映画好きで、夢だったホームシアターセットを揃えることにしました。大型テレビ(200W)、AVアンプ(300W)、ウーファー(150W)、そしてゲーム機(180W)。さらに、快適な映画鑑賞のために、小型の冷蔵庫(100W)とポップコーンメーカー(800W)も自室に設置しました。

ある週末の夜、友人を招いて映画鑑賞会を開くことに。エアコン(暖房:1000W)をつけ、ポップコーンを作り、冷蔵庫から飲み物を取り出し、いよいよ大音量で映画をスタート!…した瞬間、「バチン!」という音とともに部屋は真っ暗に。

B君の部屋は、建物全体で契約しているアンペアから、さらに各部屋に分岐される「安全ブレーカー」で管理されていました。 彼が同時に使った家電の電流を計算してみましょう。

  • エアコン:1000W ÷ 100V = 10A
  • ポップコーンメーカー:800W ÷ 100V = 8A
  • 大型テレビなど一式:(200+300+150+180+100)W ÷ 100V = 9.3A
  • 合計:27.3A

おそらく彼の部屋の安全ブレーカーの上限は20Aだったのでしょう。それを大幅に超える電流が流れたため、ブレーカーが落ちてしまったのです。 楽しいはずの映画鑑賞会は、ブレーカーを何度も上げ下げする羽目になり、友人たちも呆れ顔。B君は「家電を買うときは、使う場所の電気の容量も考えなきゃいけないんだ…」と、ほろ苦い教訓を得たのでした。

どっちが危ない?感電の危険性と電圧・電流の関係

電気の話をすると、どうしても「感電」の危険性が気になりますよね。 ここでは、電圧と電流が感電にどう関わっているのか、そしてどうすれば安全に電気と付き合えるのかを解説します。

人体に影響を与えるのは「電流」の量!

「高電圧注意!」という看板をよく見かけるので、「電圧が高いほど危険」と思っている人が多いかもしれません。しかし、人体にとって本当に危険なのは、電圧の高さそのものよりも、体内を流れる電流の量(アンペア)なのです。

一般的に、人体に流れる電流の大きさとその影響は以下のようになると言われています。

電流の大きさ(交流) 人体への影響
1mA(ミリアンペア) ピリッと感じる程度
5mA 痛みを感じる
10mA〜20mA 筋肉がけいれんし、自力で電線から離れられなくなる(不随意筋収縮)
50mA 短時間でも命に危険が及ぶ可能性がある
100mA 致命的な結果(心室細動など)を招く

(1A = 1000mA)

ほんのわずかな電流でも、人体には大きな影響があることがわかります。静電気が数千ボルトでも安全なのは、この電流値が極めて小さいからでしたね。

なぜ高電圧は危険と言われるのか?オームの法則で謎を解く

「じゃあ、なぜ『高電圧』が危険だと言われるの?」

その答えも、先ほど登場した「オームの法則」に隠されています。

電流(I) = 電圧(V) ÷ 抵抗(R)

この式を思い出してください。人体にも電気抵抗があります(乾燥した皮膚で数千Ω、濡れていると数百Ωまで下がると言われています)。この式が示す通り、電圧(V)が高ければ高いほど、人体を流れる電流(I)も大きくなるのです。

つまり、100Vの電圧に触れた時と、6600Vの送電線に触れた時とでは、後者の方が圧倒的に大きな電流が体内を流れ、致命的な結果になる可能性が極めて高くなります。これが「高電圧が危険」と言われる本当の理由です。

SNSの声:「乾電池なら舐めても大丈夫って本当?」「鳥はなぜ電線で感電しないの?」にプロが回答

電気に関する素朴な疑問は尽きません。SNSでよく見かける質問に、プロの視点からお答えします。

Q1. 「子供の頃、乾電池(1.5V)を舐めてピリッとしたけど、あれは大丈夫なの?」

> A1. はい、基本的には大丈夫です。乾電池の電圧は1.5Vと非常に低いため、オームの法則に従って人体に流れる電流もごくわずかです。舌がピリッとするのは、唾液で濡れて抵抗が下がり、微弱な電流を敏感な舌先で感じ取っているだけです。ただし、だからといって推奨される行為ではありませんし、特にボタン電池の誤飲は化学やけどなどを引き起こし大変危険ですので、小さなお子様がいるご家庭では厳重な管理が必要です。

Q2. 「鳥はなぜ高圧電線にとまっても感電しないの?」

> A2. これは素晴らしい質問ですね!答えは「身体の2点間に電圧の差(電位差)がないから」です。鳥は1本の電線に両足でとまっていますよね。その両足の間は距離が非常に近いため、電圧の差がほとんどありません。電気は水が高いところから低いところへ流れるように、電圧に差がある場所を通って流れます。鳥の体には電圧の差がないため、電流が体内を通り抜けず、感電しないのです。 > もし鳥が、翼を広げて2本の違う電線に同時に触れたり、電線にとまったまま電柱(地面と繋がっている)に触れたりすれば、そこに大きな電圧の差が生まれるため、感電してしまいます。

安全のために知っておきたい、身近な電気の安全対策

感電事故を防ぐために、日常生活で以下の点に注意しましょう。

  • 濡れた手でコンセントや電気製品に触らない:水は電気抵抗を大幅に下げるため、感電のリスクが非常に高まります。
  • コードを束ねたまま使わない:延長コードなどを束ねて大きな電流を流すと、熱がこもって発火する危険性(トラッキング現象)があります。
  • タコ足配線をしすぎない:一つのコンセントから取れる電流には上限(通常15A)があります。上限を超えると発熱・発火の原因になります。
  • アース線を正しく接続する:洗濯機や電子レンジなど、水回りで使う家電についている緑色の線がアース線です。万が一漏電(電気が漏れること)した際に、電気を地面に逃がして感電を防ぐ重要な役割があります。

もう一歩先へ!直流(DC)と交流(AC)で変わる電圧と電流の世界

最後に、少しだけマニアックな話をしましょう。これまで説明してきた電気には、実は「直流(DC)」「交流(AC)」という2つの種類があるのです。

乾電池は直流、コンセントは交流。何が違うの?

この2つの最大の違いは「電気の流れる向き」です。

  • 直流(Direct Current: DC):電気の流れる向き、電圧、電流が常に一定です。 プラス極とマイナス極が決まっていて、一方向にしか流れません。乾電池やスマホのバッテリーなどが直流です。
  • 交流(Alternating Current: AC):電気の流れる向き、電圧、電流が周期的にプラスとマイナスに変化します。 家庭のコンセントから供給される電気が交流です。 コンセントにプラグを差し込むとき、向きを気にしなくていいのはこのためです。

直流と交流、それぞれの得意なこと

なぜ2種類も存在するのでしょうか?それは、それぞれに得意なことがあるからです。

種類 特徴 得意なこと 使われている場所
直流 (DC) 流れが一定 電力を貯める(充電)、電子回路を動かす 乾電池、バッテリー、スマホ、パソコン
交流 (AC) 向きが変わる 高い電圧に変えやすい、遠くまで電気を送る(送電) 発電所、送電線、家庭のコンセント

発電所で作られた電気は、送電ロスを少なくするために非常に高い電圧の「交流」で送られてきます。そして、家庭のコンセントに届いた「交流」の電気を、スマホやパソコンなどの電子機器を使う際に、ACアダプターを使って「直流」に変換して利用しているのです。

テスラ vs エジソン!歴史を変えた電流戦争の意外な結末

19世紀末、この「直流」と「交流」のどちらが送電システムの主流になるかを巡って、発明王トーマス・エジソンと天才科学者ニコラ・テスラの間で激しい争いが繰り広げられました。これは「電流戦争」として知られています。

  • エジソン陣営:「直流」こそが安全で優れていると主張。
  • テスラ陣営:「交流」の方が高電圧に変換しやすく、長距離送電に向いていると主張。

エジソンは交流の危険性をアピールするために、動物を交流電気で感電死させる公開実験まで行いました。しかし、結果はご存知の通り、送電効率に優れたテスラの「交流」が現在の送電システムの標準となりました。 もしエジソンが勝利していたら、私たちの生活は今とは全く違うものになっていたかもしれませんね。

まとめ:電圧と電流を制する者は、電気を制す!

長い旅、お疲れ様でした!これでもう、あなたは「電圧と電流の違い」を自信を持って語れるようになったはずです。最後に、今日の冒険の要点を振り返ってみましょう。

  • 電圧(V)は電気を押し出す「力」で、水の「滝の高さ(水圧)」に例えられます。
  • 電流(A)は流れる電気の「量」で、水の「川の幅(水量)」に例えられます。
  • スマホの急速充電やブレーカーが落ちる現象、感電の危険性など、日常の多くの「なぜ?」は電圧と電流の関係で説明できます
  • 感電の本当の危険性は電圧の高さよりも人体を流れる「電流の量」で決まります。
  • 家電選びでは「契約アンペア」を意識し、消費電力(W)から電流(A)を計算する習慣をつけると失敗がありません。

電気は、正しく理解すれば決して怖いものではありません。むしろ、私たちの生活を豊かに、そして便利にしてくれる最高のパートナーです。この記事が、あなたが電気と”なかよし”になるきっかけとなれば、これほど嬉しいことはありません。

さあ、今日からあなたも「電気のことがわかる人」。身の回りの電気製品の表示をチェックしたり、家族や友人に今日学んだ知識を話してあげたりしてみてください。きっと、昨日までとは少し違った世界が見えてくるはずです。

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