【9割が知らない】sayとtellの違いは、たった1つの原則で解決!知らないと損するネイティブ感覚が身につく魔法の解説書
「えーっと、sayだっけ?tellだっけ?」そんなあなたの長年の悩みをこの記事で完全に終わらせます!
「彼がこう言ってたよって伝えたいんだけど、”He said me…” だと、なんかネイティブの先生に首を傾げられたんだよな…」 「”Could you say me the way?” って聞いたら通じなかった…。正しくは “tell me” だったみたいだけど、なんで?」 「sayとtellの違いなんて、中学で習ったはずなのに、いまだに感覚で使ってて自信がない…」
英語学習者なら誰もが一度はぶつかる巨大な壁、それが「sayとtellの違い」ではないでしょうか?
どちらも日本語に訳せば「言う」だから、ついごちゃ混ぜに使ってしまいがち。そして、そのたびに「あれ、今ので合ってたかな?」と不安になる…。そんな経験、あなたにもきっとありますよね。
でも、安心してください!この記事を最後まで読めば、あなたのその悩みは、まるで霧が晴れるかのようにスッキリ解消されます。
この記事では、小手先のルール暗記ではありません。ネイティブが頭の中で描いている「コアイメージ」から、絶対に間違えなくなる文法の鉄則、さらには日本人がやりがちな失敗談まで、ありとあらゆる角度から「sayとtellの違い」を徹底的に、そして世界一わかりやすく解説します。
読み終わる頃には、あなたはもう二度とsayとtellで迷うことはなくなり、まるでネイティブスピーカーのような自然な感覚で、自信を持ってこの2つの単語を使い分けられるようになっているはずです。さあ、長年のモヤモヤに終止符を打ち、英語表現の新しい扉を開きましょう!
【結論】もう迷わない!sayとtellの違いは「焦点」の違いだけ!
細かいルールを覚える前に、まずは最も大切な結論からお伝えします。sayとtellの違いは、たった一つのシンプルな原則に集約されます。
それは「何に焦点を当てているか?」の違いです。
- say の焦点は「発言内容そのもの(セリフ)」
- tell の焦点は「相手への情報伝達(メッセージ)」
もう少しイメージしやすくしてみましょう。
- say は、まるでマンガの「吹き出し(” “)」のようなもの。誰かが発した言葉そのものをポンっと置くイメージです。
- tell は、「Aさん → Bさん」という情報の矢印をイメージしてください。誰かから誰かへ、情報が手渡される感覚です。
たったこれだけです。「え、本当にこれだけ?」と思うかもしれませんが、この根本的なイメージの違いを頭に叩き込むだけで、あなたの「say/tell」使い分け能力は劇的に向上します。
この先では、この大原則をベースに、具体的な文法ルールや使い方を詳しく見ていきましょう。この「焦点の違い」という羅針盤があれば、もう迷うことはありません!
コアイメージで一撃理解!sayは「吹き出し」、tellは「矢印」で捉えよう
多くの人がsayとtellでつまずくのは、日本語の「言う」という便利な言葉に頼りすぎて、それぞれの単語が持つ本来の「絵」をイメージできていないからです。ここでは、それぞれの単語のコアイメージを、あなたの頭の中に焼き付けていきましょう。
「say」は吹き出し(” “)をイメージしよう:言葉そのものが主役!
`say`の核心は、「何を言ったか」という言葉そのものにあります。 話し手から発せられたセリフや言葉を、そのまま切り取って見せるような感覚です。だから、マンガのキャラクターが話すときの「吹き出し」を思い浮かべるのが一番わかりやすいでしょう。
例文で見てみよう!
- `She said, “I’m so happy!”`
- 彼女は「すごく嬉しい!」と言った。
- まさに “I’m so happy!” というセリフ(吹き出し)がポンと置かれていますよね。
- `He said that he was tired.`
- 彼は疲れていると言った。
- “He was tired.” という彼の発言内容に焦点が当たっています。
`say`を使うとき、聞き手が誰かは重要ではありません。 もちろん、「誰に」言ったのかを示したい場合は `to` を使って付け加えることができます。
- `She said to me, “Let’s go.”`
- 彼女は私に「行こう」と言った。
- あくまで主役は “Let’s go.” というセリフであり、「to me(私に)」は補足情報にすぎません。
> SNSの声(創作)
>
> > @Eigo_Gambaru
> >
> > オンライン英会話で先生が言ったことを伝えようとして “My teacher said me…” って言ったら、すかさず “said TO me” って直された(笑)。sayの後ろにいきなり人は置けないって、100回くらい間違えてる気がする。
英語学習 #あるある
「tell」は矢印(→)をイメージしよう:情報伝達が使命!
一方、`tell`の核心は、「誰かに情報を伝える」という行為そのものにあります。 話し手(Aさん)から聞き手(Bさん)へ、情報というボールが投げ渡されるイメージです。だから、「情報伝達の矢印(→)」を思い浮かべると、その役割がハッキリと見えてきます。
`tell`を使うとき、「誰に」伝えたのかが非常に重要になります。 そのため、`tell`の後ろには、原則として「伝える相手(人)」がすぐに来ます。
例文で見てみよう!
- `She told me a secret.`
- 彼女は私に秘密を教えてくれた。
- 彼女 → 私 に「秘密」という情報が伝達されています。
- `Please tell me the truth.`
- 私に真実を教えてください。
- あなた → 私 に「真実」という情報を伝えてほしい、という依頼です。
`tell`が持つ「情報伝達」のニュアンスから、「教える」「知らせる」「命じる」といった意味に発展することもよくあります。
- `Can you tell me the time?` (時間を教えてくれますか?)
- `My boss told me to finish the report.` (上司は私にレポートを仕上げるよう言った(命じた))
このように、`say`は「セリフ」に、`tell`は「伝達」に焦点を当てている、というコアイメージをしっかり持つことが、あらゆる応用ルールを理解するための土台になるのです。
文法(カタチ)で見分ける!99%迷わなくなる鉄則ルール
コアイメージを理解したところで、次はもっと具体的に、文の「カタチ」に注目して`say`と`tell`の違いを見ていきましょう。実は、この2つの単語は、後ろに続く言葉のパターンが全く異なります。この文法ルールさえ押さえてしまえば、あなたの正答率は99%に達するはずです!
ルール1:後ろに「人」がすぐ来るのはどっち?【最重要】
これが`say`と`tell`を使い分ける上で、最もシンプルかつ強力なルールです。
動詞 | 後ろにすぐ「人」が来るか? | 例文 |
---|---|---|
say | 来ない(×) | He said that he was busy. (彼は忙しいと言った。) |
tell | 来る(○) | He told me that he was busy. (彼は私に忙しいと伝えた。) |
`say`は、後ろに直接「人」を置くことができません。 もし「誰に」言ったかを伝えたい場合は、必ず前置詞の`to`が必要です。
- 間違い: `He said me…`
- 正解: `He said to me…`
一方、`tell`は、後ろに必ず「伝える相手(人)」が来ます。 `tell`と`to`は相性が悪いので、`tell to me`とは言いません。
- 間違い: `He told to me…`
- 正解: `He told me…`
この「`tell`の後ろは人!」というルールは絶対です。これを覚えるだけで、日常会話で遭遇する`say/tell`問題のほとんどは解決できます。
> プロの視点:なぜこんな違いが生まれたのか?
> > 英語の動詞には、目的語を1つとる動詞(他動詞)と、2つとる動詞があります。 > `say`は基本的に「何を言うか」という目的語を1つだけとります(`say something`)。 > 一方、`tell`は「誰に」「何を」伝えるか、という2つの目的語をとることができる特別な動詞なんです(`tell someone something`)。 だから、`tell`の後ろには自然と「人」が来やすい構造になっているんですね。
ルール2:「that節」を伴う場合の注意点
「彼が〜だと言った」のように、文(〜が…する)をまるごと目的語にする`that節`。これも`say`と`tell`で使い方が異なります。ルール1の延長線上にあるので、合わせて覚えましょう。
動詞 | that節との組み合わせ | 例文 |
---|---|---|
say | say that … | She said that she was happy. (彼女は幸せだと言った。) |
tell | tell 人 that … | She told me that she was happy. (彼女は私に幸せだと伝えた。) |
ここでもやはり、`tell`を使う場合は、`tell`と`that`の間に必ず「人」が入ります。 `He told that…` のように、`tell`の直後に`that`が来ることは基本的にありません(例外はありますが、まずは原則を覚えましょう)。
SNSで見かけたリアルな失敗談(創作)
> @Biz_Eigo_Man
>
> 海外クライアントへのメールで “I said that the deadline is next Friday.” って書くべきところを、うっかり “I told that…” って書いてしまった…。文法エラーの赤線が出て気づいたけど、危なかった。tellの後には人が必要って、頭ではわかってるのに手が勝手に…。
ビジネス英語
ルール3:疑問詞やto不定詞と仲良しなのは?
「何をすべきか」「どこへ行くべきか」といった「疑問詞 + to do」や、「~するように言う」という「to do」の形と相性が良いのは、主に`tell`です。これは`tell`が持つ「教える」「指示する」というニュアンスから来ています。
使い方 | say | tell |
---|---|---|
疑問詞 + 文 | 〇 | 〇 |
疑問詞 + to do | △ (あまり使わない) | ◎ (よく使う) |
to do (~するように言う) | △ (特定の状況のみ) | ◎ (よく使う) |
具体的な例文
- tell + 疑問詞 + to do
- `Could you tell me how to get to the station?` (駅への行き方を教えてくれませんか?)
- `She told me what to do.` (彼女は私に何をすべきか教えてくれた。)
- tell + 人 + to do (指示・命令)
- `The doctor told me to take a rest.` (医者は私に休むように言った。)
- `He told her not to worry.` (彼は彼女に心配しないように言った。)
`say`も `say to do` の形で使われることがありますが、それは直接話法(セリフをそのまま引用する)の場合がほとんどです。
- `”Be quiet!” he said.` (「静かにしろ!」と彼は言った。)
- これを間接話法にすると → `He told us to be quiet.` (彼は私たちに静かにするように言った。)
このように、`tell`は「教える」「指示する」という具体的な伝達行為と結びつきやすいため、「疑問詞 + to do」や「to do」の形と非常に相性が良いのです。
【失敗談から学ぶ】日本人がやりがちな「say/tell」の典型的な間違い5選
理論はわかった!でも、いざ話そうとすると、ついやってしまうのが日本人の悲しい性…。ここでは、多くの英語学習者が陥りがちな「say/tell」の典型的な間違いを、具体的な失敗エピソードと共に見ていきましょう。「あ、これやったことある…」と共感しながら、二度と同じ轍を踏まないように心に刻みましょう!
失敗エピソード1:「彼に愛してるって言ったの!」で撃沈
> 友人のアキコさん(28歳)は、意中の彼に告白した日のことを、興奮気味にネイティブの友人に話そうとしました。 > > アキコ:「Guess what! I finally said him that I loved him!」 > ネイティブの友人:「Oh? You… said… him? You mean, you told him?」 > > アキコは頭が真っ白に。「え、`say`って『言う』じゃないの?なんでダメなの!?」
【なぜ間違い?】
これは最も典型的な間違いです。先ほど学んだ通り、`say`の直後に「人」を置くことはできません。 日本語の「彼に言う」という感覚に引きずられてしまうと、`say him`という形を無意識に作ってしまいます。
- 間違い: `I said him that I loved him.`
- 正解: `I told him that I loved him.`
- 正解 (sayを使うなら): `I said to him, “I love you.”`
失敗エピソード2:「値段を言ってください」が通じない…
> 海外旅行中のタカシさん(35歳)。お土産屋さんで素敵な置物を見つけましたが、値札がありません。店員さんに値段を聞こうとして、自信満々にこう言いました。 > > タカシ:「Excuse me, could you say me the price?」 > 店員さん:「Sorry? Say… the price?」 > > 店員さんは困惑顔。タカシさんはジェスチャーでなんとか伝えましたが、「なんで通じないんだ…」と落ち込みました。
【なぜ間違い?】
これもエピソード1と同じ理由です。`say me`という形は存在しません。情報を「教えてほしい」「伝えてほしい」という場面では、情報伝達の矢印を持つ`tell`の出番です。
- 間違い: `Could you say me the price?`
- 正解: `Could you tell me the price?`
失敗エピソード3:「面白い話を言ってあげる」の罠
> 英語学習サークルで、メンバーを笑わせようと思ったユミさん(21歳)。 > > ユミ:「Hey guys! I’ll say you a funny story!」 > メンバー:「A funny story? You mean, you’ll tell us a funny story?」 > > ユミは「話を言う」だから`say`でいいはず、と思っていたのに、またしても`tell`に訂正されてしまいました。
【なぜ間違い?】
「物語を語る」「嘘をつく」「真実を言う」といった、まとまった内容を相手に伝える場合は、`tell`を使うのが決まり文句です。`tell a story`, `tell a lie`, `tell the truth`は3点セットで覚えてしまいましょう。 `say a story`とは言いません。
- 間違い: `I’ll say you a funny story.`
- 正解: `I’ll tell you a funny story.`
失敗エピソード4:「彼は何も言わなかった」で混乱
> ケンカ中の彼女について、友人に相談しているマサトさん(24歳)。 > > マサト:「I asked her why she was angry, but she didn’t tell anything.」 > 友人:「Hmm, she didn’t say anything, you mean.」 > > マサトは「え、この場合は`say`なの!?もうワケがわからない!」とパニックに。
【なぜ間違い?】
これは少しトリッキーな例です。「何も言わなかった」=「口を開かなかった、言葉を発しなかった」というニュアンスの場合、焦点は「言葉そのもの」にあります。そのため、吹き出しのイメージを持つ`say`が適切です。 `tell`を使うと「何も情報をくれなかった」という意味合いが強くなりますが、「一言も発さなかった」という状況を描写するには`say anything`の方が自然です。
- 少し不自然: `She didn’t tell anything.`
- より自然: `She didn’t say anything.`
失敗エピソード5:「よろしくお伝えください」で赤っ恥
> 海外支社のブラウンさんとの電話を切る際、上司の田中さんへの伝言を頼もうとしたスズキさん(30歳)。 > > スズキ:「Could you tell hello to Mr. Tanaka?」 > ブラウンさん:「Oh, you want me to say hello to him. Got it!」 > > スズキは「伝えるだから`tell`で完璧なはずなのに!」と、自分の英語力に自信をなくしてしまいました。
【なぜ間違い?】
「よろしく伝える」という挨拶の決まり文句は `say hello to (人)` です。 これは「helloという言葉(セリフ)を(人)に言ってください」という成り立ちなので、セリフに焦点がある`say`が使われます。`tell hello`という組み合わせは使われません。
- 間違い: `Could you tell hello to Mr. Tanaka?`
- 正解: `Could you say hello to Mr. Tanaka?`
これらの失敗談は、多くの学習者が通る道です。大切なのは、間違えるたびに「なぜダメだったのか?」をコアイメージや文法ルールに立ち返って確認すること。そうすれば、同じ間違いは二度と繰り返さなくなります。
ネイティブはこう使い分ける!応用編:豊かな表現の世界
基本の`say`と`tell`の違いをマスターしたら、次は一歩進んで、ネイティブが日常的に使うイディオムや決まり文句の世界を覗いてみましょう。これらを使いこなせると、あなたの英語はぐっと自然で表現豊かになります。
「say」じゃないとダメな表現
`say`は「言葉を発する」というコアな意味から、特定の言葉や祈りを「口に出す」という表現で活躍します。
表現 | 意味 | 例文 |
---|---|---|
say a prayer | 祈りを捧げる | I’ll say a prayer for your success. (あなたの成功を祈っています。) |
say a few words | 一言挨拶する | I’d like to say a few words at the party. (パーティーで一言ご挨拶させてください。) |
say yes / no | はい/いいえと答える | She said yes to his proposal! (彼女、彼のプロポーズにイエスって言ったのよ!) |
needless to say | 言うまでもなく | Needless to say, health is more important than wealth. (言うまでもなく、富より健康が大事だ。) |
so to say | いわば、言ってみれば | He is, so to say, a walking dictionary. (彼はいわば、生き字引だ。) |
これらの表現は、`tell`に置き換えることはできません。塊(かたまり)で覚えてしまうのが一番の近道です。
「tell」じゃないとダメな表現
`tell`は「情報を伝達する」というコアイメージから、様々な決まり文句を生み出しています。これらは丸ごと暗記必須です!
表現 | 意味 | 例文 |
---|---|---|
tell a story | 物語を話す | My grandpa used to tell me a lot of stories. (祖父はよく私にたくさんの物語を話してくれた。) |
tell a lie | 嘘をつく | You should never tell a lie. (絶対に嘘をついてはいけない。) |
tell the truth | 真実を言う | Please tell the truth. I won’t get angry. (本当のことを言って。怒らないから。) |
tell the time | 時間を言う、時間を知る | My son is learning to tell the time. (息子は時計の読み方を習っている。) |
tell the difference | 違いがわかる | I can’t tell the difference between them. They look exactly the same. (私にはその違いがわからない。全く同じに見える。) |
tell A from B | AとBを見分ける | Can you tell real leather from fake? (本革と偽物を見分けられますか?) |
特に `tell a lie` と `tell the truth` は対で覚えておきましょう。「嘘」や「真実」という情報を相手に伝える、という感覚が`tell`にぴったりですね。
こんな意味もあったの!? “I can’t say.” と “I can’t tell.” の意外な違い
最後に、非常に似ていますが、ネイティブが明確に使い分けている表現を2つ紹介します。これがわかると、あなたも「英語ができる人」の仲間入りです!
“I can’t say.”
- 意味: 「なんとも言えません」「断言できません」
- ニュアンス: 自分の意見や未来のことについて、確信が持てないため明言を避ける感じ。情報が不十分で判断できない、というニュアンスが強いです。
- 例文:
- A: “Will it rain tomorrow?” (明日、雨かな?)
- B: “I can’t say. The weather forecast is unclear.” (なんとも言えないね。天気予報がはっきりしないから。)
- A: “Who is the best singer in Japan?” (日本で一番歌がうまいのは誰?)
- B: “That’s a tough question. I can’t say.” (難しい質問だね。一概には言えないよ。)
“I can’t tell.”
- 意味: 「(見ても聞いても)わかりません」「見分けがつきません」
- ニュアンス: 五感(特に視覚や聴覚)を使っても、違いを区別したり、何かを判断したりできない状況。
- 例文:
- A: “Are these twins identical?” (この双子は一卵性?)
- B: “I can’t tell. They look so alike.” (見分けがつかないよ。すごく似てるから。)
- A: “Is he serious or just joking?” (彼、本気なのかな、それとも冗談?)
- B: “Honestly, I can’t tell.” (正直、わからないんだ。)
この違い、面白いですよね! `I can’t say` は「言うことができない」、`I can’t tell` は「見分ける/判断することができない」という、それぞれの動詞のコアイメージが色濃く反映されています。
say, tellだけじゃない!「言う・伝える」仲間たちの使い分けマップ
`say`と`tell`の違いが明確になったところで、視野を広げて、他の「言う・伝える」系の動詞との関係性も整理しておきましょう。`speak`や`talk`との違いを理解することで、あなたの表現力はさらに向上します。
動詞 | コアイメージ | 相手の有無 | 内容 vs 行為 | フォーマル度 | 例文 |
---|---|---|---|---|---|
say | セリフを言う | 不要 (一方向) | 内容重視 | 中 | She said she was busy. |
tell | 情報を伝える | 必要 (双方向) | 内容重視 | 中 | She told me she was busy. |
speak | (一方的に)話す | 不要 (一方向) | 行為重視 | 高 | He will speak at the conference. (会議で講演する) |
talk | (対等に)会話する | 必要 (双方向) | 行為重視 | 低 | Let’s talk about it. (それについて話そうよ) |
“speak” と “talk” – 対話のニュアンス
`say`と`tell`が「話す内容」に焦点を当てるのに対し、`speak`と`talk`は「話すという行為そのもの」に焦点を当てます。
- speak: よりフォーマルで、一方的なスピーチや言語を「話す」能力を指すときに使われます。
- `She speaks three languages.` (彼女は3ヶ国語を話す。)
- `The CEO will speak to the employees.` (CEOが従業員に話をする。)
- talk: よりカジュアルで、対等な立場でのおしゃべりや会話を指します。
- `We talked on the phone for hours.` (私たちは電話で何時間も話した。)
- `I need to talk to you.` (ちょっと話があるんだけど。)
ワンポイント: `speak to/with 人`と`talk to/with 人`は似ていますが、`speak`の方が少し一方的で真面目なニュアンス、`talk`の方が相互的な会話のニュアンスが強くなります。
“explain” – 詳しく説明する
`explain`は、その名の通り「説明する」です。`say`や`tell`よりも、物事を分かりやすく、詳細に解説するニュアンスが含まれます。
- `Can you explain the rule to me?` (そのルールを私に説明してくれますか?)
- 注意!: `explain`は`tell`と違い、「人に」を先に置くことはできません。`explain me the rule`は間違い。必ず `explain the rule to me` のように `to 人` を使います。
“mention” – さらっと言及する
`mention`は「~について軽く触れる」「言及する」という意味です。会話の中で、重要事項としてではなく、ついでに話すような軽いニュアンスです。
- `Did she mention my name?` (彼女、私の名前を出してた?)
- `He mentioned in passing that he’s moving.` (彼は引っ越すんだって、ついでに言ってたよ。)
これらの類義語を使いこなすことで、「言う」という行為の微妙なニュアンスを的確に表現できるようになります。
【プロの視点】なぜ私たちは「say」と「tell」でこれほどつまずくのか?
ここまで`say`と`tell`の違いを徹底的に解説してきましたが、最後に少し視点を変えて、「なぜ私たち日本人は、この2つの単語でこんなにも苦労するのか?」という根本原因を考えてみましょう。この原因を知ることで、あなたの英語学習への向き合い方が変わるかもしれません。
答えは非常にシンプルです。それは、日本語の「言う」という言葉が、あまりにも万能すぎるからです。
考えてみてください。
- セリフを言う → She said, “I’m tired.”
- 人に伝える → She told me she was tired.
- 言語を話す → She can speak Japanese.
- おしゃべりする → We talked for hours.
- 説明する → Can you explain it?
これらすべて、日本語では「言う」や「話す」という言葉で、文脈に応じてカバーできてしまいます。私たちは、この便利な日本語の感覚を無意識のうちに英語に持ち込んでしまうため、「言う=say」と単純に変換してしまい、`tell`や`speak`が持つ独自の役割を見過ごしがちになるのです。
一方、英語は「動詞ごとに役割分担がハッキリしている言語」です。それぞれの動詞が、特定の文型(文のカタチ)と密接に結びついて、特定の役割を担っています。
- `say` → 「セリフ」というモノを目的語にとる
- `tell` → 「人」と「情報」という2つのモノを目的語にとる
- `speak` → 「言語」を目的語にとるか、目的語なしで「話す行為」を表す
- `talk` → 目的語はとらず、`with`や`about`を伴って「会話」という状況を表す
つまり、`say`と`tell`で迷うという現象は、単なる単語の知識不足ではなく、「日本語と英語の根本的な設計思想の違い」に起因しているのです。
この事実に気づけば、今後の学習へのアプローチも変わってきます。単に単語の意味を1対1で暗記するのではなく、「この動詞は、後ろにどんなカタチが続くのが得意なんだろう?」という「文型」を意識する視点を持つことが、ネイティブ感覚を身につけるための最大の近道となるのです。
`say`と`tell`のマスターは、英語という言語の「動詞中心の設計思想」を理解するための、最高のトレーニングなのかもしれませんね。
まとめ
長年の謎だった「sayとtellの違い」、いかがでしたでしょうか?もうあなたの頭の中は、スッキリ整理されているはずです。最後に、この記事の最も重要なポイントを振り返りましょう。
- sayの焦点は「発言内容(セリフ)」、tellの焦点は「相手への情報伝達(メッセージ)」である。 このコアイメージが全ての基本です。
- 文法的な最大の違いは、後ろにすぐ「人」が来るかどうか。`tell`の後ろには人が来るが、`say`の後ろには直接は来ない。 これを覚えれば9割の問題は解決します。
- `tell a story/lie/truth` や `say hello to` のような決まり文句は、そのまま覚えてしまうのが一番早い。 これらがスッと口から出るようになれば、ネイティブに一歩近づけます。
英語学習は、こうした小さな「なるほど!」の積み重ねです。今日学んだ知識は、明日からのあなたの英語を確実に変えてくれます。
完璧を目指す必要はありません。まずは、オンライン英会話のレッスンで、あるいは独り言でも構いません。「`He told me that…`」や「`She said to me…`」のように、今日学んだことを意識して一つでも使ってみてください。その小さな一歩が、自信につながり、やがては流暢なコミュニケーションへと繋がっていきます。
あなたの英語の世界が、今日、また一つ豊かになったことを心から願っています。