ドミノピザ172店舗閉鎖:コロナ禍後の市場変化と経営戦略転換
172店舗閉鎖の発表と概要
オーストラリアに本社を置くドミノ・ピザ・エンタープライゼス(DPE)は、2025年内を目処に、日本国内の172店舗を閉鎖すると発表しました。これは、日本国内の約1000店舗のうち約2割に相当する規模です。閉鎖対象となるのは、直営店114店舗とフランチャイズ店58店舗です。DPEは、世界各国でドミノピザのフランチャイズ展開を行い、日本では「ドミノ・ピザジャパン」を通じて事業を運営しています。今回の閉鎖により、年間1550万豪ドル(約15億円)のコスト削減を見込んでいると発表しており、収益改善が見込める地域への投資を強化するとしています。
コロナ禍における急拡大と不採算店舗の増加
ドミノピザは、新型コロナウイルス感染拡大によるフードデリバリー需要の急増に対応するため、2020年から2023年の間に約400店舗を新規出店しました。しかし、コロナ禍が終息に向かうと消費者の行動は変化し、外食の回帰やスーパー・コンビニの総菜・冷凍ピザの需要増加により、宅配ピザの売上は減少しました。その結果、一時1000店舗を超える規模にまで拡大したドミノピザにおいて、不採算店舗が増加し、収益性の低下を招いたのです。
競争激化と市場環境の変化
宅配ピザ市場の縮小に加え、競争環境も大きく変化しています。近年、ドン・キホーテやオーケー、ロピアなどのディスカウントストアやスーパーが店内調理ピザの販売に力を入れていること、そして2024年8月にはセブン-イレブンが宅配ピザ市場に参入したことが、競争激化に拍車をかけました。 消費者にとって、より手軽にピザを購入できる選択肢が増えたことが、ドミノピザの売上減少に影響を与えたと考えられます。さらに、日本国内の消費者の半数以上が50歳以上であるという高齢化も、ピザ消費の伸び悩みの一因として指摘されています。
宅配ピザ業界全体の厳しい状況
ドミノピザだけでなく、宅配ピザ業界全体が厳しい状況に直面しています。東京商工リサーチの調査によると、2023年1~11月の宅配ピザ店の倒産件数は13件に上り、これは2009年の統計開始以来最多となりました。年間最多倒産件数が6件だったことを考えると、2023年は倍以上の倒産件数となっています。
今後の展望とドミノピザの戦略
DPEのマーク・バンダイク最高経営責任者(CEO)は、「長期的な成功のため、事業の再構築を進める」と述べ、収益性の高い地域への投資強化の方針を示しています。 今後は、デジタル戦略の強化、アプリを活用した注文システムの改善、より効率的なデリバリーオペレーションの確立を進めるとみられています。 これまでの「攻めの出店」戦略から「選択と集中」へとシフトすることで、日本市場におけるドミノピザの立ち位置がどのように変化していくのか、注目が集まっています。 閉店する具体的な店舗リストは公表されていません。
閉店店舗に関する情報と問い合わせ
多くの記事で閉店する店舗のリストは公開されていないと明記されています。 Yahoo!知恵袋などでは、閉店する店舗に関する問い合わせが多数寄せられていますが、具体的な情報は提供されていません。 個々の店舗の閉鎖状況については、ドミノピザの公式ウェブサイトや各店舗への直接の問い合わせが必要となります。
厚木市中荻野店の事例
厚木市中荻野店は、一時閉店した後、運営会社変更の上、2024年12月16日に営業を再開しました。これは、今回の172店舗閉鎖とは別に、個別の事情による一時閉店と再開の事例であり、今回の大規模閉店とは直接的な関連性はありません。