西田敏行さんお別れの会:弔辞と参列者、そして会場の様子
西田敏行さんのお別れの会概要
2025年2月18日、東京都港区の増上寺において、2024年10月に虚血性心疾患のため76歳で亡くなった俳優、西田敏行さんのお別れの会が営まれました。生前交流のあった関係者やファンなど、約700名(NHK報道、毎日新聞報道では約850名)が参列し、別れを惜しみました。会場となった増上寺は、江戸幕府の歴代将軍が埋葬されている場所で、西田さんが大河ドラマ「葵徳川三代」で徳川秀忠を演じた縁から選ばれました。祭壇は西田さんの遺影を中心に、故郷である福島県の磐梯山と猪苗代湖をイメージし、4000本(NHK報道、朝日新聞報道)の花と緑で飾られました。会場には西田さんの出演作品ポスターや等身大パネルの展示、ヒット曲「もしもピアノが弾けたなら」などのBGMが流れ、参列者は祭壇に花を手向け、故人を偲びました。
弔辞:著名人からの追悼の言葉
お別れの会では、数名の著名人が弔辞を読み上げました。
米倉涼子さん
テレビ朝日「ドクターX」シリーズで11年間共演した米倉涼子さんは、涙ながらに弔辞を読み上げました。西田さんとの思い出を語り、共演者、飲み仲間、カラオケ仲間、相談相手として、俳優としても人間としても目標とする存在だったと述べました。「ドクターX」での共演を振り返り、西田さんの死を「心の準備もなく、電車の中で大声をあげて泣いた」と表現しました。西田さんの人柄や俳優としての姿勢に触れ、深い感謝の思いを伝え、「天国からこれからもずっと日本のエンターテインメント界を見守ってください。そして気が向いたら私の体を使ってお芝居をしに来てくださいね。大好きだよ」と締めくくりました。
三谷幸喜さん
脚本家・映画監督の三谷幸喜さんは、西田さんと共演した映画のエピソードを交えながら、ユーモアのある弔辞を読み上げました。「西遊記」のロケ中、西田さんが草むらで用を足しているところを自衛隊員に敬礼されたという逸話や、映画「ステキな金縛り」の撮影前に西田さんから自身の脚本を絶賛されたエピソードを紹介し、西田さんの人柄と才能を称えました。「西田さんが演じた様々な登場人物たちはこれからもずっと僕らを楽しませてくれます」と、西田さんの遺作への感謝を述べました。
松崎しげるさん
西田さんと50年来の親交があった松崎しげるさんは、弔辞の中で西田さんとの出会いから「ハッスル銀座」での共演、そして「愛のメモリー」の大ヒットまでを振り返り、深い友情を語りました。 西田さんの数々の偉業を「記録保持者」と称え、亡くなる10日前に一緒に飲んだ時の会話を紹介しました。西田さんが大谷翔平選手の活躍を称賛したことに対し、「西やん、あんたも記録ずくめですごいぜ」と返したエピソードを披露しました。「お別れは言いません。また会いましょう」と、楽園で再会することを約束する言葉で弔辞を締めくくりました。
柴俊夫さん
「五人会」のメンバーである柴俊夫さんは、弔辞で西田さんを「記憶だけでなく心に残る役者」と表現し、長年の友情と感謝の気持ちを表しました。「長い間、友達として尊敬し合えたこと、感謝します。あなたは私の誇りです」と、深い敬意と惜別の言葉を述べました。
その他の参列者とコメント
多くの著名人が参列し、取材に応じました。
* **武田鉄矢さん**: 西田さんとの長年の親交と、突然の訃報への驚きを語りました。西田さんを「一つ年上の兄貴みたいな人」と表現し、紅白歌合戦での共演秘話も披露しました。
* **山田涼介さん**: 映画で共演した際、西田さんからアイドルと俳優の両立への葛藤を見抜かれた手紙をもらったことを明かし、西田さんの温かい人柄と洞察力を語りました。
* **遠藤憲一さん**: 長年共演したドラマでの思い出を語り、西田さんの演技指導への感謝を述べました。
* **名取裕子さん**: 西田さんの人柄と、役者としての才能を「天才」と表現しました。
* **観月ありささん**: 亡くなる直前に偶然会った時のことを語り、西田さんの明るさと俳優としての影響力を語りました。
* **堺正章さん**: 「西遊記」での共演を振り返り、西田さんのプロ意識の高さを称えました。
これらの情報から、西田敏行さんのお別れの会は、故人の功績と人となり、そして多くの人々に与えた影響を偲ぶ、温かくも感動的な場であったことがわかります。