高校授業料無償化に関する動向:所得制限撤廃案と各方面の反応
政府・与党による所得制限撤廃案の提示
自民党と公明党は、高校授業料無償化に関して、支援対象の所得制限を撤廃する案を日本維新の会に提示しました。この案では、公立・私立を問わず、年間11万8800円を上限に支援金を支給するとしています。現在の就学支援金制度では、年収910万円未満の世帯が対象で、公立高校は実質無償化、私立高校は年収590万円未満の世帯で年間39万6000円を上限に支援金が支給されています。自公案では、年収制限を撤廃し、一律上限11万8800円を支援する一方、年収590万円未満の世帯への私立高校の追加支援は維持するとしています。この案により、公立高校は実質無償化されます。しかし、私立高校を含む2025年度からの無償化を求める維新の会は、この案に「不十分だ」と反発しており、3党は今月中旬の結論を目指して協議を継続しています。NHK、時事通信、朝日新聞、読売新聞の記事が、この政府・与党の提案について報じています。
各政党・関係者の反応
日本維新の会は、4月からの高校授業料無償化を求めており、自公案に対し、助成額の積み増しや開始時期について、協議を継続する姿勢を示しています。2024年12月には、維新の前原共同代表が、所得制限なしの無償化が来年度予算案に盛り込まれれば賛成する可能性を示唆する発言をしています。一方、朝日新聞の記事では、私立高校を含む全体の無償化を目指す維新の会が難色を示していることが伝えられています。 また、東京都の小池知事は、高校授業料の実質無償化は国が責任を持って行うべきだと主張しつつ、国の方策が講じられるまでの間、先行して取り組むことを決定したと説明しています。これは、東京都が既に所得制限を撤廃して実質無償化を実施していることを踏まえています。
地方自治体の対応
東京都は2024年度から所得制限を撤廃し、高校授業料を実質無償化しました。この東京都の措置に対し、神奈川県、埼玉県、千葉県の知事は、教育格差の問題点を指摘し、国による全国一律の対応が必要だと訴えています。特に、税収の偏在が原因で、東京都と隣接する1都3県で大きな差が生じていることを懸念しています。九都県市首脳会議においても、この問題が議論され、子どもに関する施策の地域格差是正のため、国による無償化と財源確保が強く要望されました。 NHK首都圏のニュースでは、神奈川県知事、埼玉県知事、千葉県知事のコメントが紹介され、国による全国一律の無償化への期待と、財源確保の困難さが強調されています。
世論調査の結果
TBS NEWS DIGが実施した2月のJNN世論調査では、所得制限のない高校授業料無償化に65%の人が賛成、28%の人が反対と回答しました。これは、国民の間で所得制限のない高校授業料無償化への支持が比較的高いことを示唆しています。
東京都の無償化制度の詳細
東京都の高校授業料無償化は、2024年度から開始されました。私立高校と都立高校の両方、さらに都立大学、都立産業技術大学院大学、都立産業技術高等専門学校が対象です。 申請方法はオンラインが中心で、私立高校は支給まで時間を要する一方、都立高校などは授業料の支払いが不要です。NHK首都圏のニュースとNHKの別記事では、申請方法や開始時期、必要な書類などが詳細に説明されています。