フジテレビCM差し替え拡大:中居正広さん女性トラブル報道を受け、多数の企業がCM放映見合わせ
CM放映見合わせ企業の拡大
1月20日までに、セブン&アイ・ホールディングス、JR東日本、イオン、日本マクドナルド、花王、オリエンタルランド、サントリーホールディングス、サッポロビール、東京電力ホールディングス、ホンダ、日産自動車、ダイハツ工業、スズキなど、幅広い業種の企業がフジテレビでのCM放映の見合わせを決定しました。 これに加え、1月18日までにトヨタ自動車、明治安田生命、日本生命、NTT東日本などがCMの差し替えを発表しており、既にCM放映を見合わせている企業数は50社規模に拡大しているとの報道もあります。 見合わせの理由は企業によって異なりますが、「自社の人権方針と企業理念にのっとって総合的に判断した」(花王)、「フジテレビに対してより透明性の高い調査と事実関係の確認を求める。フジテレビの対応を総合的に判断した上で、今後の対応を検討したい」(サントリーホールディングス)といったコメントが発表されています。 多くの企業が公益社団法人ACジャパンの広告にCMを差し替えています。 フジテレビは、CM放映見合わせの動きが広がっていることについて、「多数の広告主・広告会社にご迷惑をおかけしております。営業の詳細に関しては差し控えさせていただきます」とコメントしています。
消防庁によるPRポスター配布延期
総務省消防庁は、フジテレビのドラマ「119エマージェンシーコール」と連携した消防のPRポスターの配布を延期しました。 5500枚余りのポスターは20日に全国の消防本部に配布予定でしたが、延期された理由について消防庁は「広報するにあたって適切なタイミングを検討するため、諸般の事情を勘案して今回は延期した」としています。 フジテレビはこれについて、「総務省消防庁からの申し出により、本日の配布は延期することになりました。今後の予定については総務省消防庁と協議して参ります」とコメントしています。 この延期も、中居正広さん女性トラブル報道とフジテレビの対応への批判が背景にあると考えられます。
フジテレビの対応と調査委員会
タレントの中居正広さんと女性とのトラブルにフジテレビの社員が関与していたとの週刊誌報道を受け、フジテレビは1月17日に港浩一社長が記者会見を行いました。会見では、第三者の弁護士を中心とした調査委員会を立ち上げる方針が明らかになりました。しかし、この記者会見の内容や対応について、多くの企業や報道機関から批判の声が上がっています。 会見では、報道されている事案の詳細については調査委員会に委ねるとするなど、具体的な説明が不足していた点が指摘されています。 特に、日弁連のガイドラインに沿った第三者委員会の設置を求める声に対し、フジテレビ側は「第三者性は非常に高く、独立性・専門性が高い方々に担っていただく」と回答するにとどまり、具体的な委員構成や調査方法については明らかにしていません。 この曖昧な対応が、CM差し替えの拡大につながっている要因の一つと考えられます。
広告業界への影響
複数の報道によると、フジテレビの番組スポンサー企業は約150社あり、その3分の1以上の企業がCM差し替えや放映見合わせを決めているとされています。 広告業界では、フジテレビの記者会見以前はCM発注継続の見方が多かったものの、会見後の対応に多くの企業が「不十分」と判断し、CM差し替えに踏み切っています。 これは、企業イメージの低下を懸念した措置であり、フジテレビへの不信感が広がっていることを示唆しています。 CM再開の時期は未定の企業が多く、今後の調査委員会の報告内容によっては、差し止めの長期化も懸念されています。