大谷翔平選手元通訳・水原一平被告の裁判に関する報道
水原一平被告への求刑と量刑言い渡し延期
アメリカの検察は、大谷翔平選手の元通訳である水原一平被告に対し、銀行詐欺などの罪で禁錮4年9ヶ月を求刑しました。 求刑内容は、禁錮4年9ヶ月に加え、釈放後3年間の保護観察処分、大谷選手への約1700万ドル(約26億円)の賠償金支払い、IRS(内国歳入庁)への約115万ドル(約1億8000万円)の支払いなどを含んでいます。検察は、水原被告が大谷選手のデビットカードを不正利用し、高額な野球カード購入や違法賭博への資金送金などを行っていたと指摘。ギャンブル依存症ではなく「強欲」による犯行だと断定し、大谷選手は「全くの被害者」であると主張しています。 当初、量刑言い渡しの期日は12月20日に予定されていましたが、水原被告の体調不良を理由に、来年1月24日に延期されました。 水原被告は検察との司法取引に応じ、起訴内容を認めているため、求刑は当初予想よりも大幅に軽減された形となっています。最終的な量刑は、来年1月24日に言い渡される予定です。 複数の報道機関が、検察が提出した文書や、水原被告と銀行オペレーターの通話音声ファイルの内容を詳細に報じています。通話音声ファイルでは、水原被告が大谷選手になりすまして本人確認を行い、送金手続きを行っていた様子が記録されています。
水原一平被告の年収と生活状況
検察は、水原被告の年収について、エンゼルス時代は年間25万ドル(約3900万円)、ドジャース移籍後は50万ドル(約7800万円)に増加していたと明らかにしました。 高額な給与と高級車の提供を受けていたにもかかわらず、ギャンブルによる負債を解消できなかったと指摘しています。 水原被告自身は、減刑を求める申立書の中で、24時間365日の対応を強いられる過酷な労働環境と「ひどい低賃金」を訴え、経済的困窮からギャンブルに依存するようになったと主張しています。 しかし、検察は申立書の内容を全面的に否定し、ギャンブル依存症ではなく金銭欲が犯行の動機だと主張しています。
水原一平被告と大谷翔平選手の関係
水原被告は、大谷翔平選手の専属通訳として長年勤務していました。 検察の主張によれば、水原被告は2021年9月から大谷選手の銀行口座に不正アクセスできるようになり、口座に登録された電話番号を自身の番号に変更。 違法な賭博の胴元への送金時に、大谷選手になりすまして銀行の電話確認を行っていたとされています。 大谷選手は、この事件において被害者であり、水原被告の行為によって経済的損失だけでなく、評判や信用にも大きな被害を受けていると複数の報道で強調されています。 大谷選手は水原被告を解雇し、事件後も野球に集中している様子が報道されています。
事件発覚とドジャースの対応
水原被告による不正送金事件の発覚後、大谷翔平選手所属のロサンゼルス・ドジャースは水原被告を解雇しました。 複数の報道によると、大谷選手の銀行口座から少なくとも450万ドル(約6億8000万円)が違法賭博の胴元へ送金されていたとされています。 ドジャースは事件発覚当初、情報を収集中であるとしながらも、水原一平氏との契約を打ち切ったことを認めています。 MLB(メジャーリーグベースボール)は独自の規約で、選手、審判、チーム関係者による野球賭博を禁止しており、この事件はMLBにも大きな影響を与えました。
判決言い渡し延期の影響
当初、12月20日に予定されていた量刑言い渡しが、水原被告の精神科医による診断の遅延により、来年1月24日に延期されました。この延期によって、水原被告側の弁護戦略、特にギャンブル依存症を主張する根拠となる診断書が裁判に間に合うかどうかが焦点となります。 延期によって、判決内容に影響が出る可能性も指摘されています。 また、大谷選手への賠償金請求についても、水原被告の刑期終了後、アメリカ、もしくは日本において、どのように回収されるのか、今後の展開が注目されます。