時事・トレンド
PR

日本遺産「古代日本の『西の都』」認定取り消しに関する報道

oufmoui
記事内に商品プロモーションを含む場合があります
スポンサーリンク

初の認定取り消しと小樽への認定

文化庁は2月4日、文化財を観光振興に活用する「日本遺産」において、福岡県と佐賀県にまたがる「古代日本の『西の都』」の認定を取り消したと発表しました。これは、2015年の制度開始以来初めての認定取り消しです。同時に、北海道の小樽市を新たに「北海道の『心臓』と呼ばれたまち・小樽」として認定しました。 「古代日本の『西の都』」は、大宰府政庁跡や太宰府天満宮など30の文化財で構成され、古代における大陸との交流拠点としての歴史を物語る遺産として評価されてきました。しかし、今回の取り消しの背景には、関係団体間の連携不足や住民の認知度が低いといった問題があったとされています。 一方、新たに認定された小樽市は、「民の力」でよみがえった商都というストーリーで高く評価されました。これにより、日本遺産の数は104件のまま維持されます。文化庁は、日本遺産の上限を100件程度としており、今回の入れ替えは、件数の増加を防ぐための措置と説明しています。

取り消しの理由と今後の対応

「古代日本の『西の都』」の認定取り消しは、関係団体間の連携不足と住民の認知度が低いことが主な理由として挙げられています。具体的には、複数の自治体が関与する中で、連携が十分でなく、日本遺産としてのストーリーが住民に十分に浸透していなかった点が問題視されました。また、集客力の高い太宰府天満宮などから周辺の構成文化財への誘導が不十分だったことも指摘されています。 認定が取り消された「古代日本の『西の都』」は、今後、日本遺産を対象とした補助金申請ができなくなり、日本遺産のロゴマーク入りのチラシなども新たに作成できなくなります。しかし、2026年度以降に認定を再申請できる可能性があり、その際には、課題とされた点の改善が求められることになります。

点数評価制度の導入と他の認定状況

今回の認定取り消しは、今年度から導入された「点数評価」によるものです。この制度は、地域によって日本遺産への取り組みの温度差があることを受けて導入され、取り組みが不十分な認定地域と、認定を目指す候補地域を入れ替える仕組みとなっています。 今回の点数評価では、2021年度に条件付き認定となった4件と新規候補1件の計5件が対象となり、観光事業化や普及啓発など7つの指標による42点満点で評価されました。「古代日本の『西の都』」は31点と最低評価となり、認定取り消しとなりました。一方、新たに認定された小樽市は40点の高評価を得ています。 その他の条件付き認定地域であった鳥取県「六根清浄と六感治癒の地」、岐阜県「『信長公のおもてなし』が息づく戦国城下町・岐阜」、島根県「津和野今昔」は、それぞれ40点、39点、37点と高評価を得て、日本遺産としての認定を継続し、上位の支援地域に分類されました。

各地の反応と今後の展望

「古代日本の『西の都』」の認定取り消しを受けて、関係自治体からは様々な反応が聞かれています。太宰府観光協会は残念がる一方で、観光客誘導の努力を継続する意向を示しています。太宰府市も、文化や歴史の発信を続けるとしています。福岡県も、今後の対応を検討していくとしています。 今回の認定取り消しは、日本遺産制度の課題を浮き彫りにしたと言えるでしょう。今後、文化庁は、点数評価制度などを活用し、日本遺産の質の向上と地域活性化への貢献を図っていくことが期待されます。 また、この事例は、他の日本遺産の認定地域にとっても、地域連携の重要性や住民への啓発活動の必要性を改めて認識させる機会となるでしょう。

スポンサーリンク
ABOUT US
雑談力向上委員会
雑談力向上委員会
編集部
記事URLをコピーしました