【速報まとめ】済州航空機が韓国・務安空港で墜落炎上、179人死亡 バードストライク原因か

2024年12月29日、韓国南西部・全羅南道の務安国際空港で発生した済州航空機墜落事故について詳しく解説します。バードストライク（鳥衝突）が原因とみられるこの事故により、179人が死亡。韓国航空史上最悪の惨事となりました。本記事では、事故の詳細な経緯や原因、航空会社や政府の対応、そして過去の類似事例を交えながら、航空安全の課題について考察します。

事故発生状況

事故は2024年12月29日午前9時頃、務安国際空港への着陸時に発生しました。

事故機は、通常の進入経路とは異なる方向から着陸を試みたとされています。 午前8時57分、管制塔はバードストライクの危険性を警告し、着陸を待つよう指示しました。 しかし、その2分後の午前8時59分、コックピットから緊急信号「メーデー」が発せられました。 ほぼ同時に、乗客の女性が夫に「鳥が翼に…着陸できない」とのメッセージを送信しています。 午前9時3分頃、車輪が正常に作動しないまま着陸に至り、滑走路で大きな衝撃を受けた後、炎上しました。

現場の映像には、車輪などの着陸装置がないまま胴体着陸し、滑走路を高速で進んで空港の外壁に激突、炎上する機体の様子が捉えられています。 胴体は真っ二つに割れ、激しい火災が発生しました。 また、飛行中に右エンジンから煙のようなものが出ている様子も確認されています。 消防隊は、午前9時46分までに火災を鎮圧しました。

乗客の遺族の証言

事故に遭遇した乗客の1人は、家族に「鳥が翼にくっついていて、飛行機が着陸できない」というメッセージを送っていました。 さらに、「最期の言葉を書いた方がいいのか」と書き送ってきたのを最後に、連絡が途絶えてしまったといいます。 このメッセージは、事故の悲惨さを物語るとともに、バードストライクが事故原因であった可能性を強く示唆しています。

事故原因

事故原因については、現在も調査中ですが、管制塔がバードストライクの危険性を警告していたこと、乗客のメッセージ、そして現場の状況から、バードストライクによって着陸装置が故障した可能性が高いとみられています。 韓国の国土交通省は、事故原因の徹底的な調査を指示しており、ブラックボックスの解析などが進められています。

特に注目すべきは、管制塔からのバードストライク警告からわずか数分の間に、緊急事態が発生し、墜落に至ったという点です。 これは、バードストライクが引き起こす航空機への影響の深刻さと、パイロットが緊急事態に直面した際の判断の難しさを示しています。

済州航空の対応

事故を受けて、済州航空はホームページに謝罪文を掲載し、事故の収束と遺族への支援に全力を尽くすことを表明しました。 12月29日までに予約した乗客を対象に、全路線でキャンセル料を免除するなどの特別対応も実施しています。 遺族らに対する賠償は、三星火災を主保険会社として他に4社が参加し、アクサXLを再保険会社とする、総額1兆4,000億韓国ウォン（10億米ドル）規模の賠償保険に加入していることも明らかにしました。

キム・イベ社長は記者会見を開き、「事故の原因にかかわらず、CEOとして責任を痛感している」と謝罪しました。 また、「この事故で尊い命を失われた方々のご冥福を心よりお祈り申し上げるとともに、ご遺族の皆さまに深くお詫び申し上げます」と述べ、遺族へのサポートを約束しました。

政府の対応

韓国政府は、事故を受けて国家哀悼期間を設けました。 ユン・ソンニョル大統領は事故原因の徹底的な調査と遺族への情報公開を指示しました。 崔相穆大統領権限代行は、政府の対策本部会議で、事故原因の徹底調査と再発防止策の策定を指示しました。

過去の類似事例

バードストライクによる航空機事故は、過去にも世界各地で発生しています。

これらの事例を見ると、バードストライクは必ずしも墜落や死者につながるわけではないことが分かります。 例えば、「ハドソン川の奇跡」として知られるUSエアウェイズ1549便の事故では、バードストライクにより両エンジンが停止したものの、パイロットの冷静な判断と操縦技術により、ハドソン川への不時着水に成功し、乗員乗客全員が生存しました。 一方、今回の済州航空の事故のように、バードストライクが着陸装置の故障を引き起こし、墜落に至るケースもあります。 事故の規模や被害状況は、バードストライクが発生したタイミング、航空機の機種、パイロットの対応、そして空港周辺の環境など、様々な要因によって大きく左右されると考えられます。

米国でも、航空機のバードストライク事故は年々増加しており、深刻な問題となっています。 米連邦航空局（FAA）の報告書によると、2023年には米国内で野生動物が民間航空機に衝突したという報告が1万9367件あり、そのうちバードストライクは1万8394件と全体の94％を占めています。 エンジンの騒音低減や出力向上により、動物が航空機を感知して避けることが難しくなっていることなどが、バードストライク増加の要因として指摘されています。

韓国国内で発生した航空事故

韓国国内で発生した航空事故の中でも、特に死者数の多いものや、機体の損傷が大きかったものを中心にまとめたものです。

事故後の対策と今後の課題

今回の事故は、改めてバードストライクの危険性と航空安全の重要性を浮き彫りにしました。再発防止に向けて、空港周辺の鳥類対策の強化、パイロットの緊急時対応訓練の充実、そして航空機の安全対策のさらなる向上が求められます。

具体的な対策

• 空港周辺の鳥類対策: 鳥類の生息状況調査、鳥類忌避剤の使用、レーザー照射、捕獲などの対策を強化することにより、空港周辺におけるバードストライクのリスクを低減する。
• パイロットの訓練: バードストライク発生時のシミュレーション訓練などを実施し、緊急時対応能力を高めることで、被害を最小限に抑える。
• 航空機の安全対策: エンジンの耐鳥性能向上、機体構造の強化、バードストライク検知システムの開発などを推進することで、航空機の安全性を向上させる。

まとめ

済州航空機墜落事故は、韓国航空史上最悪の惨事であり、179人もの尊い命が失われました。 事故原因の究明、再発防止策の徹底、そして遺族への支援は、韓国社会全体の責務です。

今回の事故は、バードストライクが航空機の安全運航に及ぼす影響の大きさを改めて示しました。 バードストライクは、世界中の航空業界にとって共通の課題であり、各国が協力して対策を強化していく必要があります。 韓国政府は、今回の事故を教訓に、航空安全に関する規制や制度を見直し、再発防止に全力を尽くす必要があります。 また、航空会社は、安全運航を最優先事項とし、パイロットの訓練や機体の安全対策に継続的に投資していく必要があります。

この事故で犠牲になった方々のご冥福をお祈りするとともに、ご遺族に心よりお悔やみ申し上げます。 そして、航空業界全体で教訓を共有し、航空安全の向上に一層努力していく必要があります。

雑談力向上委員会

編集部