卓球選手丹羽孝希選手、オンラインカジノ賭博容疑で書類送検
賭博容疑と書類送検
2025年1月29日、千葉県警は、2021年東京五輪卓球男子団体で銅メダルを獲得した丹羽孝希選手(30)を、賭博容疑で書類送検したと発表しました。捜査関係者への取材により明らかになった情報によると、丹羽選手は2023年夏、海外のオンラインカジノサイトに接続し、暗号資産を使って賭博を行った疑いが持たれています。 丹羽選手は任意の事情聴取において容疑を認め、スポーツの勝敗を予想して賭博をしていたとみられています。書類送検は1月20日付で、起訴を求める厳重処分の意見が付けられました。警視庁によるオンラインカジノ決済代行業者の摘発をきっかけに、丹羽選手の関与が浮上したとされています。丹羽選手は共同通信の取材に対し、「違法と分からずやってしまい、反省している。ファンの皆さまに申し訳ない」とコメントしています。 この事件は、警視庁がオンラインカジノの決済代行業者を摘発した際に、その利用者として丹羽選手が特定されたことが発端となっています。 複数の報道機関が、丹羽選手が暗号資産を元手に賭博を行っていたと報じており、賭けた金額は数千万円に上ると推測されています。
所属チームによる契約解除
丹羽選手が所属するTリーグの岡山リベッツは、1月30日、丹羽選手との契約を双方合意の上で解除したと発表しました。 岡山リベッツは丹羽選手の賭博行為を重く受け止め、チームへの影響を考慮した結果、契約解除という結論に至ったと説明しています。 チーム社長である羽場誠氏はNHKの取材に対し、「私個人としては正直びっくりした。行為を認めているので重く受け止める処分とした。ファンには大変申し訳ないし、深くおわびしたい」とコメント。 また、チームの聞き取りに対して、丹羽選手は2022年の夏ごろまでオンラインカジノサイトで複数回賭博をしたことを認め、「暗号資産を元手に行った。違法だと認識していなかった。申し訳ない」と説明したと報じられています。 契約解除に加え、管理監督責任として、羽場誠社長は減給100%(無期限)、白神宏佑監督は減給30%(12月末まで)の処分を受けました。羽場社長は会見で、「関係する皆様にご迷惑・ご心配をおかけしましたことを深くお詫び申し上げます」と謝罪し、チームとしての反省と今後の対応について述べました。白神監督も、チーム力の低下を認めつつ、残りの試合にチーム一丸となって臨む決意を表明しました。
丹羽孝希選手の経歴
丹羽孝希選手は北海道出身の30歳です。2012年のロンドン五輪、2016年のリオデジャネイロ五輪、2021年の東京五輪に出場し、リオデジャネイロ五輪では卓球男子団体で銀メダル、東京五輪では銅メダルを獲得しました。2022年秋には国際大会から引退しています。 これまで数々の国際大会で活躍し、日本代表として活躍した実績を持つ丹羽選手ですが、今回の事件によってそのキャリアに大きな影が落とされました。 17歳でロンドン五輪に出場したという若くしての活躍ぶりは、多くのファンに記憶に残るものとなっています。 国内ではTリーグの岡山リベッツに所属し、チームの主軸として活躍していました。
スポーツ界における賭博問題
今回の丹羽選手による賭博容疑の書類送検は、スポーツ界における賭博問題の深刻さを改めて浮き彫りにしました。 過去にも、バドミントンの桃田賢斗選手が違法賭博に関与し、五輪出場を逃した事例や、野球界では大谷翔平選手の通訳だった水原一平被告が違法スポーツ賭博に関与した事例など、多くの問題が起きています。 これらの事件は、アスリートの倫理観や、スポーツ界全体の健全性に対する懸念を強めるものとなっています。 今回の丹羽選手への処分も、こうした問題への厳格な対応を示すものと言えるでしょう。