くら寿司の株主優待制度廃止と再導入に関するニュース
株主優待制度の廃止発表と株価への影響
2024年12月11日、くら寿司株式会社は2024年10月期決算と同時に、株主優待制度の廃止を発表しました。 それまで、100株以上保有の株主に対して、保有株数に応じて2500円~最大2万円分の食事割引券などが提供されていましたが、2024年4月末日時点の株主を対象とした優待をもって廃止となりました。廃止の理由は、配当を含めた株主への公平な利益還元のあり方という観点からの慎重な協議の結果として発表されています。 この発表を受け、翌12日には株価が急落し、終値は前日比610円安の3255円(-15.78%)となりました。廃止された株主優待の利回りは、株価3255円を基準にすると、100株保有の場合で0.76%程度でした。 株価の急落は、株主優待によるメリットを期待していた投資家にとって、大きな影響を与えたことを示しています。 発表後、くら寿司の株価は大きく変動し、投資家の動向に注目が集まりました。
株主優待制度の再導入発表
2025年2月19日、くら寿司株式会社は、2024年12月11日に廃止を発表した株主優待制度を2025年4月から再導入すると発表しました。 再導入の決定は、株主からの優待再開を求める声が多く寄せられたことなどを踏まえたものです。具体的な内容については、改めて発表される予定ですが、株価は発表直後に急騰し、夜間取引では前日比19%超の上昇を見せました。 これは、株主優待制度の廃止発表によって落ち込んだ株価が、再導入の発表によって大きく回復したことを示しており、投資家にとって株主優待制度の重要性が改めて認識されたと言えるでしょう。 再導入の発表は、企業と株主とのコミュニケーションの重要性を示す事例となりました。
くら寿司2024年10月期決算概要
くら寿司の2024年10月期連結決算は、売上高が前期比11%増の2349億円、純利益が約4倍の32億円でした。 しかし、収益性が低い店舗の減損損失17億円を計上したため、純利益は従来予想を3億円下回る結果となりました。 2025年10月期は、売上高が3%増の2430億円と過去最高を見込む一方で、営業利益は前期比12%減の50億円と減益となる見通しです。原材料価格の高騰、特に米価上昇が収益を圧迫する要因として挙げられています。 純利益は、減損損失計上の反動もあり、5%増の34億円と増益を確保する見込みです。 2024年10月期の年間配当は、大阪・関西万博への出店を記念して前期比20円増の40円とされましたが、2025年10月期の年間配当予想は20円となっています。
その他のニュース
2月20日には、くら寿司の株価がストップ高買い気配となり、株主優待制度の再導入発表が好感されたと報じられました。 また、回転レーンを使った誕生日ケーキの宅配サービス開始なども、集客につながると期待されています。 これらの情報から、くら寿司はエンタメ性を重視した戦略を積極的に展開していることがわかります。 株価の動向と合わせて、今後の事業展開にも注目が集まります。