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三菱電機の最新動向2025:人工光合成から事業再編まで、未来を拓く戦略を徹底解説!

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はじめに

三菱電機は、日本の産業界を牽引する総合電機メーカーとして、常に技術革新と社会貢献を追求してきました。2025年を迎えるにあたり、同社は新たな中期経営計画に基づき、大胆な事業構造改革と未来を見据えた技術開発を加速させています。本記事では、直近発表された三菱電機の最新ニュースを深掘りし、その経営戦略、研究開発、そして社会貢献への取り組みについて、具体的な数字やデータを交えながら詳しく解説していきます。カーボンニュートラル社会の実現に向けた人工光合成技術の確立や、電動車市場を牽引するSiCパワー半導体の強化、さらには事業ポートフォリオの見直しなど、多岐にわたる三菱電機の最新動向から、未来への明確なビジョンが見えてくることでしょう。

人工光合成技術の確立:CO2からギ酸を生成する画期的な挑戦

三菱電機は、カーボンニュートラル社会の実現に向け、人工光合成技術の研究開発に注力しています。2025年7月28日、同社は国立大学法人東京科学大学理学院化学系の前田和彦教授らと共同で、可視光を利用する光触媒パネルを使ってCO2からエネルギー物質であるギ酸を生成する人工光合成技術を確立したと発表しました。

世界初のパネル化とギ酸生成の高効率化

この画期的な技術のポイントは、有機半導体である窒化炭素を用いた人工光合成触媒系を平面状に形成し、ガラス基板上に固定化することに世界で初めて成功した点にあります。 これまでの人工光合成研究は、主に紫外域の光を使用し、反応液中に光触媒を分散させる方法が主流でした。しかし、この方法では太陽光の全てをエネルギーに活用できていないという課題がありました。

今回開発された技術では、ホウケイ酸ガラス基板上に酸化チタン層を形成し、その上にポリマー状の窒化炭素(PCN)を塗布することで、2層構造の光触媒パネルを構築しています。 このパネルにCO2の還元活性点となるルテニウム錯体(RuP)を吸着させ、可視光を当てることで、CO2を原料としてギ酸が生成されることを確認しました。

パネル化された人工光触媒は、反応液からのろ過といった従来の工程が不要となり、ギ酸の回収が容易になるため、回収コストの削減に貢献します。 さらに、ギ酸の選択率は85%に達し、これは従来の液中分散方式(約80%)と同等の高い効率を維持できることも大きな特徴です。

再生可能エネルギーの利用拡大への貢献

ギ酸は、液体であるため運搬や貯蔵が容易であり、再生可能エネルギーの一種として注目されています。 三菱電機は、この技術を他の人工光合成技術と組み合わせることで、より高効率なエネルギー変換システムの実現とギ酸の大量生成を目指しています。 これは、再生可能エネルギーの利用拡大と、カーボンニュートラル社会の早期実現に大きく貢献する取り組みと言えるでしょう。

電動車市場を牽引するSiCパワー半導体の進化と戦略

三菱電機は、xEV(電動車)市場の拡大を見据え、車載SiC(炭化ケイ素)デバイスの技術開発を強化しています。

独自モジュール「J3」シリーズの新製品投入

2024年に量産品として同社初のSiC MOSFET搭載品である「J3」シリーズを発表した三菱電機は、2025年5月にドイツで開催された世界最大規模のパワーエレクトロニクス展示会「PCIM Expo & Conference 2025」において、開発中の「J3シリーズ SiCリレーモジュール」を初公開しました。

この「J3」シリーズは、SiC MOSFETに最適な設計を採用することで、サイズを60%も削減するなど、大幅な小型化を実現しています。 自動車メーカーは小型車からハイパワー車まで様々な車種を扱っており、設計開発のリソースや労力の最適化が求められています。1つの基本設計でモジュール式に拡張できる「J3」は、そうした課題に対応するソリューションとして期待されています。

三菱電機は、1997年に世界で初めてハイブリッド車向けにパワー半導体を供給して以来、xEV向けパワー半導体モジュールの出荷実績を積み重ね、これまでに3350万台以上の車両に搭載されてきました。 「J3」シリーズは既にサンプル提供が開始されており、2026年には量産を開始する見込みです。

設備投資計画の調整と中長期的な展望

一方で、直近ではBEV(バッテリー電気自動車)需要の鈍化や中国景気後退などを背景に、2025年5月にはパワーデバイス事業の設備投資の一部延期を発表しています。 8インチSiCウェハー生産に対応した熊本県菊池市の泗水地区の新工場棟の立ち上げは計画通りに進めるものの、拡張投資は2031年度以降に延期するとしました。

しかし、三菱電機は中長期的にはパワー半導体市場が成長すると見ており、車載SiCデバイスの技術開発を引き続き強化していく方針です。 中国とのコスト競争にも自信を見せており、その独自技術と長年の実績が今後の電動車市場における同社の存在感をさらに高めるでしょう。

経営戦略の深化:成長投資と事業ポートフォリオの見直し

三菱電機は、2025年度を起点とした新たな経営方針を掲げ、事業構造改革の成果を基盤に新たな価値創造に向けて舵を切っています。

成長投資1兆円とM&A戦略

2025年度以降、同社は2027年度までの3年間で、新たなM&A(企業の合併・買収)投資枠として1兆円を設け、成長投資を加速する計画です。 この投資は、既存事業領域、事業間シナジー創出領域、そしてAI(人工知能)・デジタル領域の3つの分野に投下されます。

具体的には、既存事業ではインダストリー分野やHVAC(空調関連)分野でのM&A、成長が見込まれる防衛システム事業への投資を進めます。 事業間シナジー創出においては、デジタル技術を活用したエネルギーマネジメント分野でのM&Aを推進するとのことです。 AI関連では、データ収集と分析、運用最適化、予知保全を強化するためのM&Aを計画しています。

漆間啓社長CEOは、2025年5月28日に開催されたIR Dayで、「リスクを恐れないイノベーティブカンパニーへの変革に取り組み、挑戦できる企業を目指す」と述べ、ROE(自己資本利益率)10%の早期達成を目指す姿勢を示しました。

低収益事業の見直しと撤退

一方で、収益性の改善も重要課題としています。 2024年度までに5000億円規模の不採算事業の撤退・売却を進めてきましたが、2025年度中にはさらに8000億円規模の低収益事業について見極めを行い、一部事業については撤退も視野に入れているとのことです。

この事業ポートフォリオの見直しは、成長性と収益性を基準に、「重点成長事業」「レジリエント事業」「育成事業・新規事業」「価値再獲得事業」の4象限で分類され、売却や撤退で生まれたリソースは重点成長事業に再投入し、収益向上につなげていく方針です。

FAシステム事業の強化

FA(ファクトリーオートメーション)システム事業は、三菱電機の重点成長事業の一つであり、2025年度には売上高1兆円の生産体制を構築する計画です。 2017年度には、自動化やIoT化に向けた国内外の旺盛な設備投資需要を受けて好調で、売上高は過去最高を更新する見通しでした。 同社は、新分野や新市場の開拓、シェアアップを通じて事業目標を達成し、生産能力の増強も積極的に進めています。

サステナビリティへの取り組み:環境計画2025とCDP最高評価

三菱電機は、サステナビリティの実現を経営の根幹に位置づけており、環境課題への長期的な取り組み姿勢を定めた「環境ビジョン2050」に基づき、具体的な計画を策定し実行しています。

環境計画2025とSBT認定

2024年2月7日、同社は「環境計画2025(2024~2025年度)」を策定したと発表しました。 この計画では、2030年度までに工場・オフィスからの温室効果ガス排出量を実質ゼロ、2050年度までにバリューチェーン全体での温室効果ガス排出量を実質ゼロとすることを目指しています。

さらに、2030年に向けた温室効果ガス排出量削減目標は、パリ協定の「1.5℃目標」を達成するための科学的根拠に基づいた目標であると認められ、SBT(Science Based Targets)イニシアチブの認定を取得しました。 これは、CDP(国際的な非政府団体)から「気候変動」「水セキュリティ」の2分野で通算7回目の最高評価「Aリスト企業」に選定されたことにも表れています。

脱炭素経営EXPOへの出展

三菱電機は、2025年2月19日から21日に東京ビッグサイトで開催された「第6回 脱炭素経営EXPO【春】」に、「三菱電機グループのサステナビリティソリューション」をテーマに出展しました。

この展示会では、サステナビリティに関する五つの重要課題(脱炭素、サーキュラーエコノミー、安心・安全、インクルージョン、ウェルビーイング)への取り組みを紹介。 特に、再生可能エネルギーの最適運用を支援するエネルギーマネジメントシステム「SMART-LiCO」や、複数拠点間の電力融通を最適化する「マルチリージョンEMS」などが展示されました。 また、サプライチェーン全体の温室効果ガス排出量を可視化するクラウドサービスや、海水からCO2を回収する新技術「Direct Ocean Capture」の開発状況についても紹介されました。

その他の注目ニュース

四半期決算の好調な推移

2025年7月31日に発表された2026年3月期第1四半期(4-6月期)の連結最終利益は、前年同期比85.0%増の909億円に拡大し、通期計画の3400億円に対する進捗率は26.7%と好調に推移しています。 直近3ヶ月間の売上営業利益率は、前年同期の4.6%から8.5%へと大幅に改善しました。

子会社の株式譲渡

三菱電機は、子会社である三菱電機保険サービスの株式を、2025年11月4日にマーシュ ジャパン株式会社へ譲渡する契約を2025年7月28日に締結しました。 これは、事業ポートフォリオ戦略の推進と経営体質の強靭化の一環であり、グローバルで保険に関する知見を持つマーシュ ジャパンとの連携が、三菱電機保険サービスの事業発展に寄与すると判断されたためです。

メカトロニクスフェアでの新型ワイヤ放電加工機公開

2025年7月30日には、「三菱電機メカトロニクスフェア」が開催され、新型ワイヤ放電加工機が初公開されました。 この新型機は、熟練技術者の加工ノウハウを再現できる技術が盛り込まれており、製造現場のさらなる自動化・効率化に貢献することが期待されます。

大阪・関西万博への協賛出展

三菱電機は、2025年8月に大阪・関西万博で開催される「世界青少年発明工夫展2025」に協賛出展することを発表しました。 また、大阪・関西万博を支える同社の技術として、多言語同時翻訳ソリューション「MelBridge(メルブリッジ)」などが紹介されています。

「心理的安全性AWARD2025」での最高評価

三菱電機ビルソリューションズ株式会社は、株式会社ZENTechが主催する「心理的安全性AWARD2025」において、最高評価である「PLATINUM RING」を受賞しました。 これは、従業員が安心して意見を言える職場環境の構築に積極的に取り組んでいる証であり、同社の「人」を大切にする経営姿勢を裏付けるものです。

まとめ

2025年における三菱電機の動向は、未来への明確なビジョンと、それを実現するための積極的な戦略が特徴です。人工光合成技術の確立に見られるように、地球規模の課題解決に貢献する先進的な研究開発を進める一方で、SiCパワー半導体のように成長市場を牽引する事業への投資を強化しています。

経営戦略においては、1兆円規模のM&A投資枠を設定し、コンポーネントとデジタルの融合による新たな価値創出を目指しています。 同時に、低収益事業の見直しや撤退を進め、事業ポートフォリオの最適化を図ることで、経営体質のさらなる強靭化を目指しています。

サステナビリティを経営の根幹に据え、「環境計画2025」に基づいた温室効果ガス排出量削減目標の達成や、CDPからの最高評価獲得など、環境負荷低減への貢献も着実に進めています。

これらの取り組みは、三菱電機が「リスクを恐れないイノベーティブカンパニー」へと変革し、持続可能な社会の実現に貢献していくという強い意思を示しています。 今後も三菱電機の技術革新と事業戦略から目が離せません。

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