みずほ銀行貸金庫窃盗事件:2019年発生、元行員による数千万円の現金窃盗
事件の概要と発覚
2019年、みずほ銀行の支店で当時行員だった1人が、顧客2人の貸金庫から数千万円の現金を窃盗していたことが、2025年2月18日に明らかになりました。みずほ銀行は、事案発覚後、金融庁に報告し、関係者への処分を終えていると発表しています。 被害を受けた顧客とは個別に協議を行い、銀行側が一定の対応を取ったとされています。顧客側からも理解を得ているとのことです。みずほ銀行は、顧客との関係などを踏まえ、これまでこの事件を公表していませんでした。 事件発覚後、みずほ銀行は行内調査を実施し、同様の事案がないことを確認しています。また、副鍵の保管や持ち出しの手続きを見直し、体制を強化しました。
みずほ銀行の対応と今後の対策
みずほ銀行は、この事件を踏まえ、2025年1月16日から全国の支店において、貸金庫の新規受け付けを原則停止しています。既存の利用者についてはサービスを継続するものの、新規店舗開設時にも貸金庫の設置は原則行わない方針です。 銀行側は「信用を第一とする金融機関として、心配をおかけし深くお詫び申し上げる」とコメントを発表し、謝罪しています。 事件発覚後、顧客への補償や関係者の懲戒解雇処分などの対応が完了しているとのことです。
金融庁の対応と業界への影響
金融庁は、2019年度から2024年12月までの間に、三菱UFJ銀行の事件を含め、貸金庫からの窃取事案を計3件報告を受けていることを明らかにしました。みずほ銀行の事件はこの3件のうちの1件とみられています。 また、ハナ信用組合でも2024年2月に同様の事件が発生しており、元職員が顧客の貸金庫の鍵を不正に複製して現金を窃盗していたことが発表されています。 加藤勝信金融担当大臣は、2月18日の閣議後記者会見で、みずほ銀行の事件について「金融機関が公表していない事案についてのコメントは差し控える」と述べ、具体的なコメントは控えました。しかしながら、金融機関に対してしっかりとした対応を周知徹底していくと発言しています。 三菱UFJ銀行での同様の事件に続き、メガバンクでの貸金庫関連の不祥事が相次いで発覚したことで、銀行業界全体の信頼が大きく揺らぐ可能性があると懸念されています。
他の金融機関における同様の事件
三菱UFJ銀行では、2024年に元行員が都内の店舗で貸金庫から金品を盗んでいたことが発覚し、警視庁により逮捕されています。この事件を受けて、みずほ銀行も点検を実施しましたが、直近で貸金庫に関する問題は起きていないとしています。 金融庁は、貸金庫業務の再点検のため、庁内に検討会を設置する方針を示しています。
報道各社の反応
複数の報道機関(日本経済新聞、朝日新聞、産経新聞、共同通信、毎日新聞、Bloomberg)が、この事件について報道しています。報道内容は概ね一致しており、事件の概要、みずほ銀行の対応、金融庁の対応、業界への影響などが中心となっています。 各報道機関は、みずほ銀行の対応や金融庁の今後の対応について、詳細な情報や分析を加えています。