沖縄市長選挙:自民・公明推薦の花城大輔氏初当選、オール沖縄系候補に勝利
選挙結果:花城大輔氏の初当選
2025年1月26日に行われた沖縄市長選挙において、無所属新人で自民党と公明党が推薦した花城大輔氏(53)が初当選を果たしました。花城氏は、同じく無所属新人で立憲民主党、共産党、社民党、沖縄社会大衆党が推薦した仲村未央氏(52)との一騎打ちを制し、3万1267票を獲得しました。仲村氏は2万2801票でした。投票率は49.11%で、前回選挙を3.97ポイント上回りました。花城氏は、陸上自衛隊勤務や自営業を経て、2014年の県議会議員補欠選挙で初当選し、4期目の途中で市長選に立候補しました。過去には自民党沖縄県連の幹事長も務めています。当選を受け、花城氏は桑江前市長の市政運営を高く評価する市民が多く、その政治姿勢や人柄が結果に繋がったと述べ、桑江氏が目指した沖縄市の姿を実現するため、尽力していくと抱負を語りました。一方、落選した仲村氏は、自身の訴えの浸透が不十分だったと述べ、市政継承への市民の期待の高さを認め、結果を受け止めるとコメントしました。
オール沖縄系の連敗と今後の県政
今回の沖縄市長選挙で、玉城デニー知事を支持する「オール沖縄」系勢力が支援した仲村氏が敗れたことで、1月19日投開票の宮古島市長選に続く連敗となりました。「オール沖縄」系市長はゼロとなりました。玉城知事は、今回の結果を「大変残念」と述べ、市政の継承か刷新かという点で市民の判断が「継承」に傾いたと分析しました。また、宮古島市長選と同様、十分な準備期間が確保できなかった点を敗因として挙げ、今後の選挙において体制や連携の構築が重要になると指摘しました。当選した花城氏については、県との協力を求める発言をしました。
投票率と選挙の背景
今回の沖縄市長選挙の投票率は49.11%となり、前回選挙(45.14%)を上回りました。これは、前沖縄市長桑江朝千夫氏の急逝に伴う選挙であり、その市政運営の継承を訴えた花城氏と、市政刷新を掲げた仲村氏との対決という構図が影響したと考えられます。沖縄市は米軍嘉手納基地があり、「基地の門前町」とも呼ばれる地域であることから、基地問題や経済活性化、貧困対策なども重要な争点となりました。
候補者の主張と選挙戦
花城氏は「桑江市政の継承」を掲げ、沖縄アリーナなどの桑江氏の実績を強調し、国とのパイプを生かした大型事業による街づくりを訴えました。告示日には石破茂氏からメッセージも受け取っています。一方、仲村氏は、市民の声を反映した市政運営、米兵による性暴力事件の再発防止、日米地位協定の改定などを訴えました。県議選で沖縄市選挙区でトップ当選するなど知名度が高く、玉城知事の応援も受けましたが、花城氏に敗れました。
沖縄市の課題
沖縄市は沖縄県内で第2の人口規模を誇りますが、県民所得が全国最下位である沖縄県の中でも、市民所得はさらに低い状況です。そのため、経済振興や貧困対策が大きな課題となっています。市中心部では、米軍基地の近接によりかつては賑わっていた商店が、現在では人通りが少ない状況にあるとされ、経済活性化への期待が高まっています。