東洋水産「赤いきつね」CMに関する報道と分析
「赤いきつね」CMの性的な表現に関する議論
東洋水産株式会社の「赤いきつね」「緑のたぬき」ウェブCM「ひとりのよると赤緑」おうちドラマ編が、一部から「性的」または「いやらしい」と批判されました。このCMは、若い女性が自宅で「赤いきつね」を食べる様子を描いた約30秒のアニメーションです。批判の焦点は、女性の目を潤ませたり、うどんをすする際に頬を赤らめたり、口元を強調したり、髪を耳にかける様子などが「男性視点で描かれている」「気持ち悪い」「性的なアピールではないか」といった点にありました。一方で、「性的には思えない」「単に熱さを表現しただけ」「過剰反応だ」と擁護する意見も多く、賛否両論が巻き起こりました。 批判はCM公開から数日後、SNS上で集中して発生したとされ、炎上そのものの規模については、実際には限定的で「非実在型炎上」という見方も出ています。 このCMは、服装に性的な要素は含まれていないとされていますが、表現方法自体が問題視された点に注目すべきです。
「非実在型炎上」と東洋水産の対応
ダイヤモンド・オンラインの記事では、この「赤いきつね」CMに関する騒動を「非実在型炎上」として分析しています。「非実在型炎上」とは、批判の声が必ずしも多数派ではないにもかかわらず、ノイジー・マイノリティ(騒々しい少数派)の強い批判がメディアに取り上げられることで、あたかも大規模な炎上であるかのように錯覚させる現象を指します。 記事によると、東洋水産の対応は危機管理のプロから「完璧」と評価されており、炎上を最小限に抑えることに成功したとされています。具体的な対応内容については記事では触れられていませんが、適切な広報戦略が奏功したと推察できます。 類似の事例として、過去に亀田製菓で発生した不買運動も「非実在型炎上」として挙げられており、企業における情報戦の重要性が指摘されています。
過去の炎上事例と広告規制
「赤いきつね」CM以外にも、過去には環境省の広告やJR大阪駅のコラボ広告、日本赤十字社の広告などが、性的な表現や描写方法を理由に批判を受け炎上した事例があります。これらの事例は、性的な服装をしていない場合でも、表現や描写によって批判の対象となる可能性を示唆しています。 広告に関する規制としては、景品表示法、不正競争防止法、薬事法、商標法、著作権法、特定商取引法などの法律に加え、東京都青少年保護育成条例のような各自治体の条例も存在します。しかし、法律上問題がない広告であっても、道徳上の解釈で炎上するケースがあり、企業は注意が必要です。 企業は、過去の炎上事例を参考に、どのような表現が問題視されるのかを社内で共有し、適切な表現方法を検討する必要があります。
武田鉄矢さん起用の「赤いきつね」CM、ギネス世界記録認定
東洋水産株式会社の「マルちゃん 赤いきつねうどん」のTVCMは、1978年の発売以来、武田鉄矢さんをCMキャラクターとして起用し続けており、この功績が「同じ俳優を起用したTVCMを、最も長い間放映し続けている商品」としてギネス世界記録に認定されました。 2019年8月28日の「テレビCMの日」に認定証授与式が行われ、武田鉄矢さんは41年間のCM出演を振り返り、様々なエピソードを披露しました。 アメリカでの撮影や、CMのイメージが強すぎてライブ会場で赤いきつねを投げられたというエピソードは、長年のCM出演ならではの貴重な経験談です。 武田さんは、CM出演を当初は戸惑っていたものの、社長の熱意に感銘を受け、現在もCM出演を継続していることを明かしました。 今後も、様々な共演者と楽しいCM制作を続けたいと意気込みを語っています。 このギネス世界記録認定を記念したキャンペーンも実施されました。