スズキ新型「ジムニー ノマド」:注文殺到と納期遅延に関する報告
ジムニー ノマドの受注状況と注文一時停止
2025年1月30日に発表され、4月3日発売予定だったスズキ新型「ジムニー ノマド」は、発表からわずか数日で約5万台の注文を受けました。これは当初の販売計画を大幅に上回る数字であり、スズキは2月3日、注文受付を一時的に停止すると発表しました。 販売計画を大きく上回る需要に対応するため、受注再開に向けて全社を挙げて取り組むと同時に、すでに注文済みの車両については一日も早い納車を目指して対応を継続すると発表しています。 この注文殺到は、ジムニーシリーズ初の5ドアモデルという点、そして「ノマド」という、かつて初代エスクードの5ドアモデルにも使用されていたネーミングの復活が、多くのユーザーの購買意欲を高めた要因と考えられます。 受注停止は、販売計画の月販台数1200台をはるかに超える需要の高まりを反映したものであり、スズキの予想を大きく上回る人気ぶりを示しています。 この状況を受け、全国のショッピングモールで予定されていた先行展示会やイベントでの展示も中止となりました。
ジムニー ノマドの仕様と特徴
ジムニー ノマドは、ジムニー シエラをベースにボディを延長し、5ドア化したモデルです。ホイールベースはシエラより340mm長い2590mmとなり、全長は3890mmに拡大しました。これにより、後席とラゲッジスペースが大幅に広がり、実用性が向上しています。具体的には、前後席間距離が90mm拡大し、後席の着座位置が50mm後方へ移動することで、膝周りのゆとりが大幅に増えました。座面高も20mm高く設定され、クッションの厚さも増した快適性の高いシートを採用しています。 乗降性についても配慮されており、フロントドアを100mm切り詰めることでリアドアの設置スペースを確保し、幅300mmの足抜きスペースを確保しています。リアシートの座面の角を斜めにカットするなど、細かい工夫が随所に見られます。ラゲッジスペースの床面奥行きもシエラより350mm長い590mmに延長され、床面ラゲッジボックスを排除することで、荷室空間を最大限に活用できるよう設計されています。 外装デザインでは、ガンメタリックにクローム装飾を施した専用のラジエーターグリルを採用し、ボディカラーは専用色の「シズリングレッドメタリック/ブラックルーフ」と「セレスティアルブルーパールメタリック」を含む6色展開となっています。
ジムニー ノマドの安全装備と走行性能
ジムニー ノマドは、安全装備についても強化されています。AT仕様車にはジムニーシリーズ初となるアダプティブクルーズコントロール(40km/h以上の車速域で使用可能)を搭載。後退時ブレーキサポートや後方誤発進抑制機能も備えています。 さらに、間欠ワイパーの作動間隔調節機能や、3ドアモデルにはないリアフォグランプも標準装備となっています。 走行性能に関しても、ホイールベースの延長と専用にチューニングされた足回りによって、より穏やかな乗り心地とハンドリング特性、高い直進安定性を追求しています。リアクオーターウィンドウ周りにはトリムを追加することで、車内空間の質感向上も図っています。パワートレインは、ジムニーシエラと同様の1.5リッター直列4気筒ガソリンエンジンで、トランスミッションは4速ATと5速MTが用意されています。燃費は4速AT仕様が13.6km/L、5速MT仕様が14.9km/L(WLTCモード)です。
ジムニー ノマドの価格とグレード
ジムニー ノマドは、「FC」という単一グレードのみの設定です。価格は、4速AT仕様が275万円、5速MT仕様が265万1000円となっています。LEDランプ、アルミホイール、オーディオスイッチ付きの本革巻きステアリングホイールなどを標準装備した、上級装備が充実したモデルです。
ディーラーにおける状況と納期に関する情報
複数の報道機関がスズキディーラーへの取材を行っており、ジムニーノマドの発表後、販売店は大混乱に陥っている状況が伝えられています。 一部報道では、発表日の1月30日だけで2万2000台の予約が入ったという情報もあり、月産台数から単純計算すると、納期は9ヶ月以上になる可能性が示唆されています。既存のジムニーシエラやジムニーの納期も考慮すると、ジムニーノマドの納期は1年以上、場合によっては数年になる可能性も懸念されています。 さらに、一部ディーラーではすでに予約受付を終了しているとの情報もあります。 正確な納期については、スズキディーラーに直接問い合わせる必要があります。