【知らないと損】ニコン2025年Q1決算は減収減益も、9月衝撃のZシネマカメラ「ZR」発表で大逆転なるか?
はじめに
2025年8月7日に発表されたニコンの2026年3月期第1四半期(2025年4月~6月)決算は、売上収益と営業利益が前年同期比で減少という厳しい結果となりました。しかし、その一方で、カメラ業界では「ニコン」のキーワードがかつてないほどに熱を帯びています。特に、今年4月に発売されたフルサイズミラーレス「Z5II」の人気に加え、9月には待望のZマウントシネマカメラ「ZR(仮称)」の発表が目前に迫っているとの噂が飛び交い、カメラ愛好家や映像クリエイターの間で大きな話題を呼んでいます。さらに、「Z7 III」や「Z9 II」、「ZX(グローバルシャッター搭載機)」といった次世代フラッグシップ機の情報も錯綜しており、ニコンの2025年はまさに「変革の年」となりそうです。本記事では、最新の決算情報から、今後のニコンの未来を左右するであろう注目の新製品群まで、読者の皆様が「知らないと損する」ニコンの“今”を徹底解説します。
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2025年Q1決算速報!減収減益の裏に隠された真実とは?
2025年8月7日、ニコンは2026年3月期第1四半期の連結決算を発表しました。この発表は市場に少なからず波紋を呼び、投資家やアナリストの注目を集めています。
売上収益は減少、営業利益は赤字に転落
最新の決算報告によると、ニコンの2026年3月期第1四半期の売上収益は1,581億2,100万円となり、前年同期比で3.5%の減少となりました。さらに、営業利益に至っては11億9,100万円の損失を計上し、前年の2.7億円の営業利益から赤字へと転落しています。この減収減益の背景には、いくつかの要因が複合的に絡み合っていることが指摘されています。
映像事業においては、新製品「Z5II」や「Z50II」といったミラーレスカメラや交換レンズの販売数量は堅調に推移したものの、製品構成の変化や為替変動による平均販売価格の低下、さらには関税の影響などにより、売上収益と利益が前年同期を下回りました。特に米国での関税影響は大きく、会社側は通期の業績予想を下方修正する要因の一つとして挙げています。
親会社株主帰属四半期純利益は大幅増益の「カラクリ」
驚くべきことに、売上収益と営業利益が減少する中で、親会社株主帰属四半期純利益は94億6,900万円となり、前年同期比で243.6%もの大幅増益を達成しました。この一見矛盾するような結果には「カラクリ」があります。実は、連結子会社の解散・清算に伴う税効果会計の適用により、93億円もの繰延税金資産が計上されたことが主な要因です。つまり、事業活動による純粋な利益増加ではなく、一時的な会計上の効果によるものが大きいと言えます。
この特異な状況を受けて、ニコンの株価は発表後に一時5%下落するなど、市場は厳しい評価を下しています。通期の業績見通しも下方修正され、通期の営業利益予想は従来の360億円から210億円へと大幅に引き下げられました。この下方修正の内訳として、カメラ事業で80億円、ヘルスケア事業で45億円の減益が見込まれています。
衝撃の9月発表か!? ニコンZシネマカメラ「ZR」が市場を席巻する日
厳しい決算の一方で、ニコンのイメージング事業からは、映像クリエイターの心を掴むであろう「Zシネマカメラ」の登場が目前に迫っているという熱い情報が届いています。特に、「ZR(仮称)」と呼ばれるモデルは、その革新的な仕様とZマウントへの対応で、大きな期待が寄せられています。
RED買収効果の集大成か? シネマカメラ「ZR」が示す新境地
2025年9月、ニコンから待望のZシネマカメラ「ZR(仮称)」が発表される可能性が高いと複数の情報源が報じています。これは、2024年3月に発表されたRED Digital Cinema(RED)買収の成果が具現化される最初の大型製品となるかもしれません。REDの先進的な動画技術とニコンの光学技術が融合することで、業界に新たなスタンダードが生まれると期待されています。
「ZR」は、ソニーの「FX3」やREDの「KOMODO-X」といった競合製品に挑戦するシネマ志向のカメラとして位置づけられています。最大の注目点は、このクラスのカメラでは初となる「内部6K ProRes RAW記録」に対応する可能性です。これにより、インディーズクリエイターもプロレベルの映像制作をより手軽に行えるようになります。
予測される「ZR」の主な仕様としては、Z6 IIIと同じ24.5MPの部分積層型CMOSセンサーを採用しつつ、プロの動画ワークフローを快適にする大型ディスプレイを搭載すると言われています。EVF(電子ビューファインダー)を省略し、モジュラー式のリグフレンドリーな形状になる可能性も示唆されており、FX3のような動画特化型デザインが予想されます。また、内蔵のカラーグレーディング機能やREDのカラーサイエンスが組み込まれることで、ハイエンドな映像制作ツールがより身近になるでしょう。さらに、アクティブZマウント対応のRED Komodo-X派生モデル「Komodo Z」の登場も期待されており、REDカメラにニコンのZマウントが搭載されるという衝撃的な展開も示唆されています。
9月発表の濃厚情報と「N2410」モデルの登録
「ZR」の発表時期については、2025年9月が有力視されています。これは、2025年4月にニコンが「N2410」というモデルを無線認証機関に登録した情報と完全に一致しています。カメラメーカーは通常、製品登録から3~4か月後に発表を行う傾向があるため、9月発表の可能性は極めて高いと言えるでしょう。
この「ZR」の登場は、ニコンが単なるスチルカメラメーカーに留まらず、本格的な映像制作市場へと深く切り込むという強い意志を示すものです。映像クリエイターにとっては、REDレベルの映像品質を手頃な価格と使いやすさで実現できる可能性があり、今後の動画業界の勢力図を大きく塗り替えるかもしれません。
Zシリーズが続々進化!「Z5II」発売と「Z7 III」「Z9 II」「ZX」の最新情報
ニコンのイメージング事業は、シネマカメラだけでなく、ミラーレス一眼カメラのラインナップも精力的に拡充しています。既存モデルの進化に加え、新たなフラッグシップ機の登場も噂されており、ユーザーの期待は高まるばかりです。
圧倒的コスパの新定番!フルサイズミラーレス「Z5II」の魅力
2025年4月3日、ニコンはフルサイズミラーレスカメラ「Nikon Z5II」を発売しました。このモデルは、Zシリーズのハイエンド機である「Z9」や「Z8」と同じ画像処理エンジン「EXPEED 7」を搭載している点が最大の特長です。これにより、AIを活用した深層学習技術による被写体検出機能が利用可能となり、Z5と比較して約3分の1の時間で高精度・高速オートフォーカスを実現しています。
特に「Z5II」は、暗所での撮影性能が飛躍的に向上しているとニコンはアピールしています。裏面照射型CMOSセンサーとEXPEED 7エンジンの組み合わせにより、高感度時でもノイズを大幅に低減し、ISO 64000(静止画)やISO 51200(動画)までの常用感度で、カフェや水族館、夜景といった暗いシーンでも質感やディテールを保持した美しい描写を可能にしています。コンパクトなデザイン、直感的な操作性、バリアングルモニターも搭載されており、旅行写真家やVlogger、ファミリー層など、幅広いユーザー層に「高画質と扱いやすさ」のバランスを提供するモデルとして高い評価を受けています。
噂が絶えない次世代機群:「Z7 III」「Z9 II」「ZX」
「Z5II」の登場に続き、ニコンのZシリーズにはさらに強力な新モデルが控えているとの噂が絶えません。
* **Z7 III(高解像度モデル):**
ニコンZマウントの中でも比較的旧式化している「Z7 II」の後継機として、「Z7 III」が2025年8月から11月にかけて登場すると予想されています。最新の噂では、ソニー製61MPセンサー、あるいはTowerJazz(タワーセミコンダクター)製67MPセンサーといった、より高解像度のセンサーを搭載し、ソニーのα7Rシリーズと真っ向から競合するモデルになる可能性が指摘されています。8K30pや4K60pの動画撮影、AIベースの被写体検出AFなど、期待されるスペックは多岐にわたります。
* **Z9 II(フラッグシップ後継機):**
フラッグシップモデル「Z9」の後継機「Z9 II」も、2025年第4四半期に発表されるとの予測があります。次世代画像処理エンジン「EXPEED 8」を搭載し、オートフォーカスアルゴリズム(特に3D被写体追尾性能)や連写速度、動画解像度・フレームレートの大幅な向上が期待されています。高感度性能やAF追従精度のさらなる進化にも注目が集まるでしょう。
* **ZX(グローバルシャッター搭載機):**
最も革新的なモデルとして噂されているのが、グローバルシャッターセンサーを搭載したミラーレスカメラ「ZX(プロジェクト名)」です。ソニーと共同開発された20.4MPのグローバルシャッターセンサーにより、ローリングシャッター歪みを完全に排除し、比類ない速度と精度を実現すると言われています。特に、レースカーや鳥、アスリートのような高速で動く被写体において、歪みのない完璧な画像を捉えることが可能になるでしょう。価格は5,500ドル~5,800ドル程度と予想されており、ソニーのα9 IIIに対抗する位置づけになると見られています。
最新レンズ「NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S II」が予約開始
カメラ本体だけでなく、Zマウントレンズのラインナップも拡充しています。2025年8月22日には、インターナルズームを採用した標準ズームレンズ「NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S II」が発表され、8月28日より予約販売が開始されます。このレンズは、ニコン史上最速のAFとクラス最軽量(約675g)を謳っており、高い描写力と機動性を両立。動画撮影にも配慮した設計で、フォーカスブリージングの抑制や、コントロールリングのクリック感切り換えスイッチなどを搭載しています。価格は371,800円前後と予想されています。
この他にも、ポートレート撮影に人気の「85mm f/1.4」や超望遠の「500mm f/2.8 S VR」、さらには動画制作向けのZシネマレンズ群、DXフォーマット用の新レンズなど、多数のレンズが噂されています。
背景・経緯:ミラーレスへの舵切りとRED買収がもたらす変化
ニコンが今、これほどまでに注目を集める背景には、過去数年にわたる戦略的な転換と大型投資があります。一眼レフからミラーレスへの移行、そして映像市場への本格参入は、同社の未来を大きく左右する重要な選択でした。
一眼レフからミラーレス「Zマウント」への大胆な転換
かつて一眼レフカメラの二大巨頭として君臨したニコンは、デジタルカメラ市場のトレンドがミラーレスへと移行する中で、大きな決断を下しました。それが、2018年に発表された「Zマウントシステム」の導入です。一眼レフ(Fマウント)からミラーレス(Zマウント)への本格的な移行は、市場シェアの維持と新たな顧客層の獲得を目指す上で不可欠な戦略でした。
ニコンは2025年には一眼レフの売上が全体の4%になると予想しており、Fマウントシステムの終焉を予感させつつも、Zマウントへの集中を明確に示しています。この数年間で、「Z9」「Z8」「Zf」といった高性能なフルサイズミラーレスカメラを次々と投入し、プロフェッショナルからハイアマチュアまで幅広い層からの支持を獲得してきました。特に「Z9」は、積層型CMOSセンサーとEXPEED 7プロセッサーにより、高速連写や優れたAF性能、長時間の動画記録で高い評価を受け、ニコンの技術力を世界に示しました。続く「Z8」はZ9の性能をコンパクトなボディに凝縮し、こちらも大ヒットとなりました。
RED Digital Cinema買収が加速させる映像戦略
2024年3月、ニコンは米国の高級シネマカメラメーカーであるRED Digital Cinemaの買収を発表しました。この買収は、ニコンがプロフェッショナル動画市場へ本格的に参入するための決定的な一手となりました。REDは「REDCODE RAW」などの独自の圧縮RAW動画技術を持つことで知られており、ハリウッドをはじめとする映画業界で高く評価されています。
ニコンは以前からミラーレスカメラの動画性能向上に注力してきましたが、REDの買収により、その技術的基盤を飛躍的に強化することに成功しました。これにより、ニコンのZシリーズカメラにREDのカラーサイエンスやワークフローが組み込まれる可能性が浮上し、今回の「ZR」のようなZマウントシネマカメラの登場へと繋がっています。この買収は、単に製品ラインナップを増やすだけでなく、ニコンが「スチルとムービーのハイブリッド」という現代のクリエイターのニーズに深く応えるための、戦略的な投資と言えるでしょう。
関連情報・雑学:カメラ以外のニコンの顔と知られざる技術力
ニコンはカメラメーカーとしての知名度が高いですが、実はそれ以外の分野でも世界に誇る高い技術力を持っています。特に「半導体製造装置」は、同社のもう一つの重要な柱であり、その動向は世界のテクノロジー業界に大きな影響を与えます。
半導体製造装置事業の挑戦:ASMLに対抗する「切り札」
ニコンは、カメラのレンズで培った高度な光学技術を活かし、半導体露光装置(ステッパー)の分野でも長年の歴史と実績を持っています。これは、半導体チップの製造において回路パターンをシリコンウェハーに転写する極めて重要な装置です。現在、この市場ではオランダのASMLが圧倒的なシェアを誇っていますが、ニコンも最先端技術の開発に余念がありません。
驚くべきことに、ニコンは2028年度にも、ASML製の装置と互換性のある新しいフッ化アルゴン(ArF)液浸露光装置を市場に投入する計画を発表しています。この戦略は、既存のASMLユーザーがニコンの装置を導入しやすくすることで、シェア拡大を狙うものです。現在、半導体メーカーと共同でプロトタイプの開発を進めており、日本の技術力が世界の半導体業界に新たな競争と可能性をもたらすとして、大きな注目を集めています。ニコンは、半導体デバイス製造の後工程向けの露光装置にも注力しており、600mm角の大型基板に対応するなど、多様なニーズに応える技術を提供しています。カメラ事業の収益が厳しい局面にある中で、この半導体製造装置事業は、ニコンの安定した成長を支える重要なカギとなるでしょう。
クリエイターを応援!「Nikon Creators 応援 サマーキャンペーン2025」
ニコンは、製品提供だけでなく、クリエイターの活動を支援する取り組みも積極的に行っています。2025年6月には「Nikon Creators 応援 サマーキャンペーン2025」を開始し、対象製品購入者に対して最大7万円のキャッシュバックを実施しています。このキャンペーンは、ZシリーズのカメラやNIKKOR Zレンズの購入を検討しているユーザーにとって、非常に魅力的な機会となっています。8月には一部対象製品の応募締め切り延長も発表されており、より多くのクリエイターがニコン製品を手にするチャンスが広がっています。このようなキャンペーンは、製品の普及だけでなく、ニコンブランドへのエンゲージメントを高める上でも重要な役割を果たしています。
今後の展望・まとめ
2025年のニコンは、まさに変化と挑戦の渦中にあります。直近の第1四半期決算は減収減益という厳しい結果となったものの、これは一時的な要因や戦略的な投資の過渡期における影響と捉えることもできます。特に、親会社株主帰属四半期純利益の大幅増益は、連結子会社の解散・清算に伴う税効果という会計上のテクニカルな要素が大きいものの、経営の柔軟性を示唆するものとも言えます。
しかし、真の注目点は、その厳しい財務状況の裏側で着々と進められている「ミラーレスカメラ戦略の深化」と「半導体製造装置事業の新たな挑戦」にあります。9月に発表が噂されるZシネマカメラ「ZR」は、RED買収の効果が初めて本格的に表れる製品として、映像制作市場に大きなインパクトを与える可能性を秘めています。これは、ニコンが単なる静止画の強豪から、プロフェッショナルな映像ソリューションプロバイダーへと変貌を遂げる転換点となるでしょう。
さらに、「Z5II」の堅調な販売、そして「Z7 III」「Z9 II」「ZX」といった次世代Zシリーズカメラの登場が現実味を帯びていることは、ニコンがイノベーションの歩みを止めないことを明確に示しています。高解像度、グローバルシャッター、より進化したAF性能など、ユーザーが求める先進技術を惜しみなく投入することで、カメラ市場における存在感をさらに高めていくことが期待されます。
一方で、半導体製造装置事業におけるASML互換装置の開発は、ニコンの長期的成長戦略の重要な柱です。この分野での成功は、カメラ事業の浮き沈みに左右されない安定した収益基盤を確立し、会社全体の技術ブランドイメージを向上させるでしょう。
2025年のニコンは、短期的には財務的な課題を抱えつつも、中長期的には革新的な製品と戦略的な事業展開によって、新たな成長軌道を描こうとしています。特に、来る9月の新製品発表は、同社の未来を占う上で極めて重要なイベントとなることは間違いありません。最新の技術と市場の動向を注視し、ニコンの「大逆転劇」にぜひご期待ください。