最新公示動向2025!デジタル行政推進で変わる私たちの暮らしとビジネス
はじめに
2025年、政府や自治体における「公示」のあり方が大きく変わりつつあります。デジタルトランスフォーメーション(DX)の波は、行政手続きのオンライン化を加速させ、私たちの生活やビジネスに新たな変化をもたらしています。特に、行政サービスのデジタル完結化や、AI・デジタル技術の積極的な活用は、今後の社会を形作る上で非常に重要な要素となっています。本記事では、2025年における公示に関する最新動向を深掘りし、それが私たちにどのような影響を与えるのかを詳しく解説していきますね。
行政手続きのオンライン化が加速!「公示」の形もデジタルへ
政府や自治体では、行政手続きのオンライン化を強力に推進しています。特に「2025年の崖」問題が指摘される中、DX推進は喫緊の課題とされていますね。これまで紙媒体での掲載が主流だった「公示」も、電子調達システムやウェブサイトへの掲載へと軸足を移しつつあります。これにより、情報公開の迅速化と効率化が期待されています。
船員行政手続きのデジタル化が進展
国土交通省では、船員行政手続きのDXを推進しています。これまで運輸局窓口への出頭が必要だった手続きは、時間的・金銭的コスト、さらには土日祝日・夜間の閉庁といった制約が大きく、船員や船社にとって大きな負担となっていました。現在、船員法および船員職業安定法に関する行政手続き365種類のうち、およそ半数がオンライン化されていませんが、これらを早期にオンライン化し、既にオンライン化されている手続きについても使い勝手の向上を図ることで、オンライン利用の拡大を目指しているとのことです。オンライン化に消極的な意見はわずか4%にとどまり、多くの関係者がデジタル化を求めていることが分かりますね。
政府調達の公示もデジタル化へシフト
政府調達に関する協定においては、これまで県報や市報での公示が義務付けられていましたが、今後は電子調達システムなどのウェブサイトへの掲載のみで足りるよう、解釈の明確化や協定の改正が検討されています。これは、調達担当課が抱える二重の手間や、県報掲載に際しての煩雑な調整といった支障を解消し、調達手続きの効率化を図るためのものです。既に、我が国の中央政府機関による政府調達の公示はインターネット版官報で行われており、この事例が参考になると考えられています。
次期オンライン申請サービスの実証事業がスタート
デジタル庁は、2025年4月から次期オンライン申請サービス(マイナポータルの電子申請機能)の実証事業を開始しました。 このサービスは、住所や氏名、家族の情報などを一度登録すれば、申請のたびに何度も入力する手間を省くことを目指しており、行政手続きにおける住民と行政職員双方の負担軽減を目的としています。 スマートフォンなどから手続きが完結できるよう、自治体の行政手続きのオンライン化が進められていますね。 これにより、国民の利便性向上はもちろんのこと、市区町村職員の業務効率化も図られることが期待されています。
GビズIDの新機能もリリース
2025年4月には、事業者向けの共通認証システムであるGビズIDに新機能が追加されました。複数の事業を経営していて複数アカウントを持っている方も、1つのGビズIDアプリで複数のアカウント認証ができるようになりました。また、マイページに表示されたQRコードを読み込むことで、簡単にGビズIDアプリでの認証設定ができるようになり、利便性が向上しています。
住民サービス向上に向けた自治体DXの推進
行政DXの目的は、業務の効率化だけでなく、住民サービスの向上にもあります。 自治体DXは、デジタル技術を活用して行政サービスの効率化や住民サービスの向上を図る取り組みで、地域社会のニーズに迅速に対応し、透明性を高めることを目指しています。
子育て・介護関係手続きのオンライン化状況
デジタル庁は、子育て・介護関係の26手続きを含む「特に国民の利便性の向上に資する行政手続き」について、原則として全ての地方公共団体でオンライン手続きを可能とするよう支援しています。2025年1月には、このオンライン化取組状況に関するダッシュボードが更新され、全国および市区町村別の対応状況が確認できるようになっています。 例えば、住民票や戸籍謄本の発行、各種申請などもオンラインで完結できるようになることで、住民は役所に出向く必要がなくなり、行政側も窓口での業務削減といったメリットが得られます。
利用者視点導入ガイドブックの公開
2025年5月、デジタル庁は「行政サービスにおける利用者視点導入ガイドブック」を公開しました。 これは、行政機関が「利用者視点」を政策やサービスに組み込むことの重要性、具体的な手法、成功事例などを紹介するもので、より利用者に寄り添ったデジタルサービスの提供を促進することを目的としています。
デジタル地方創生サービスカタログへの掲載
2025年7月には、株式会社ベスプラの「脳にいいアプリ×健康ポイントサービス」が、デジタル庁の「デジタル地方創生サービスカタログ」に掲載されました。 このサービスは、歩行やバイタル管理などの健康活動に加え、ボランティアなどの社会参加を行うと健康ポイントが付与され、それを「PayPayポイント」などに変換できるというものです。自治体市民の健康増進と地域経済の活性化を両立させる画期的な取り組みとして注目されています。
デジタル基盤整備と成長戦略
日本のデジタル化は、基盤整備と成長戦略を両軸に進められています。特に、情報システムの統一・標準化、ガバメントクラウドへの移行、AI・デジタル技術の徹底活用などが挙げられます。
「デジタル社会の実現に向けた重点計画」閣議決定
2025年6月13日、「デジタル社会の実現に向けた重点計画」が閣議決定されました。 この計画では、デジタルインフラの整備、アナログ規制の見直し、信頼性のある自由なデータ流通(DFFT)の推進などを我が国の強みとしつつ、マイナンバーカードの普及・利活用とマイナポータルの利便性向上、事業者向け行政サービスの利用者体験向上に向けた環境整備、準公共分野におけるデジタル化の推進を利用者視点の取り組みとして掲げています。 また、地方公共団体情報システムの統一・標準化や、国・地方公共団体等の情報システムのガバメントクラウドへの移行といった中長期的な政府機能の強化も盛り込まれています。
2025年度デジタル庁予算案とDX人材の確保・育成
2025年度のデジタル庁予算案は4,752億円で、前年度から約212億円の減少となりましたが、これは情報システム関係予算が減額された一方で、デジタル社会形成の司令塔としての体制強化に伴い、人件費が20億円増額されたことが主な要因です。 2025年度末には、デジタル庁の職員数は約1,320人となる見込みで、デジタル人材の確保・育成が引き続き重要視されています。 例えば、パソナグループは「パソナグループDX白書2025」を公開し、デジタル人財育成やデジタル人財採用強化、外部向けデジタル人財育成サービスなど、DX推進に向けた戦略を打ち出しています。 また、三菱総研DCSも「日本企業のDX推進状況調査結果【2025年度詳細版】」を公表し、AIファーストへのギアチェンジの必要性を提言しています。
AI活用環境の整備と利活用の促進
「デジタル社会の実現に向けた重点計画」では、AI・デジタル技術等のテクノロジーの徹底活用による社会全体のデジタル化の推進として、AIの活用環境の整備と利活用の促進が挙げられています。 デジタル庁は、マイナポータルの検索機能におけるAI実証を2025年3月19日から期間限定で実施しており、利用者が入力した言葉で検索結果が表示されない場合に、AIによって判定された関連キーワードによる再検索を行う機能を提供しました。 また、法令データとAIなどのテクノロジーを組み合わせた社会課題解決ツール開発を目指す「法令×デジタル」ハッカソンも開催されています。
公示価格の最新動向と地域経済への影響
行政のデジタル化だけでなく、経済活動における「公示」にも注目が集まっています。特に「公示価格」は、不動産市場や地域経済の健全性を示す重要な指標です。
全国公示価格、4年連続の上昇率拡大
2025年に発表された公示価格は、全国の全用途平均で4年連続の上昇率拡大となりました。 新型コロナウイルスによる社会的混乱が落ち着き、経済活動が本格的な回復基調に移行していることが背景にあると考えられます。 例えば、2022年以降、全国の公示価格は上昇基調を継続しています。 不動産鑑定士が最新の取引事例や想定される収益などを分析して評価することで、公示価格は決定されます。
地域活性化と事業者向け行政サービスの効率化
地域経済の活性化には、事業者向けの許認可申請や補助金申請手続きのオンライン化が不可欠です。 これにより、企業の事業活動における行政手続きの負担が軽減され、新規創業や事業拡大が促進されることが期待されます。 「デジタル社会の実現に向けた重点計画」でも、事業者向け行政サービスの利用者体験向上が重点的な取り組みとして位置づけられています。 デロイト トーマツは2025年から、自治体向け予算執行高度化ソリューションの提供を開始しており、契約に紐づく一連の手続きを統一的な導線上でデジタル化することで、関係事業者の利便性向上を目指しています。 事業者向けのデジタル接点であるポータルを提供し、電子入札システムや電子契約システムへのアクセス、納品書や請求書のデジタル提出を可能にすることで、事業者負担の軽減と利便性向上を図っています。
情報公開制度とデジタル時代の透明性
行政のデジタル化が進む中で、情報公開制度のあり方も再評価されています。透明性の確保と国民への説明責任を果たす上で、デジタル技術の活用が鍵となります。
パブリックコメント制度の活用促進
デジタル庁は、行政手続法に基づく意見公募手続(パブリック・コメント)を通じて、国民からの意見募集を積極的に行っています。 2025年6月には、マイナンバー利用可能事務の拡大を目的としたマイナンバー法および住民基本台帳法の一部改正法案が閣議決定されましたが、これに関連する命令案についても意見募集が行われました。 パブリックコメントは、政策の立案や政令・省令等の制定において、行政が広く一般から意見を募る重要な制度です。 デジタル庁は「デジタル改革アイデアボックス」や「デジタル改革共創プラットフォーム」といったオンライン上のツールも活用し、国民の声を行政に届ける機会を増やしています。
個人情報保護法制の見直しとデータガバナンス
2025年には、個人情報保護法のいわゆる3年ごと見直しが予定されており、2025年通常国会で法改正が行われる可能性があります。 2025年2月には、個人情報保護法の制度的課題に対する考え方が公表され、個人データの利活用促進と、それに伴う本人関与のあり方などが議論されています。 経団連も、行政機関等匿名加工情報の利活用促進や、統計情報等の作成における本人同意の明確化などを要望しており、事業者における過度な負担とならないよう、実務の実態を踏まえた制度設計が求められています。 AI制度やデータ利活用制度のあり方についても検討が進められており、官民協調によるリスクガバナンスの確立が重要視されています。
情報公開の格差是正と積極的な情報公表
情報公開制度は、1982年の山形県金山町での情報公開条例制定を皮切りに、全国の自治体に広がってきました。 しかし、現在でも自治体間で情報公開の対応に格差が見られることが課題とされています。 デジタル化の進展は、この格差を是正し、より積極的な情報公表を可能にする機会を提供します。例えば、東京都は知事部局の公金支出一覧を毎月公表しており、通常は請求しなければ公開されないような情報も機械判読性のあるデータで提供しています。 デジタル技術を活用することで、国民が行政の活動を的確に理解し、批判の下に公正で民主的な行政を推進するための説明責任を果たすことが期待されています。
まとめ
2025年の「公示」を取り巻く動向は、行政のデジタル化、住民サービスの向上、そしてデータ利活用の推進という大きな流れの中にあります。マイナンバーカードの活用拡大、行政手続きのオンライン化の加速、そしてAI技術の導入は、私たちの生活やビジネスをより便利で効率的なものへと変えつつあります。同時に、情報公開の透明性を確保し、国民一人ひとりがデジタル社会の恩恵を享受できるよう、デジタルデバイドの解消や個人情報保護の強化といった課題への継続的な取り組みが求められています。政府や自治体、そして民間企業が連携し、誰もが取り残されないデジタル社会の実現に向けて、今後も目が離せません。