【2024年最新版】スンニ派とシーア派の5つの決定的違い|知らないと損する世界史の教養

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ニュースが10倍面白くなる!スンニ派とシーア派の違い、説明できますか?

「また中東で紛争か…」「スンニ派とシーア派の対立が原因らしいけど、正直よくわからないな…」

ニュースを見て、こんな風に感じたことはありませんか? わかります。私も昔はそうでした。「なんかややこしそうだし、自分には関係ないかな」なんて思っていたんです。でも、ある時ふと気づいたんですよね。「これって、サッカーのルールを知らないでワールドカップを見てるようなものじゃないか?」って。

ルール(背景)がわかると、試合(ニュース)の面白さが何倍にもなります。誰がどんな想いで戦っているのか、なぜあのプレー(出来事)が起きたのかが手に取るようにわかるようになるんです。

この記事は、かつての私のように「スンニ派とシーア派の違いがよくわからない!」と感じているあなたのためのものです。この記事を読み終える頃には、あなたは以下のことを手に入れています。

  • モヤモヤ解消! スンニ派とシーア派の根本的な違いが、誰にでも説明できるレベルで理解できます。
  • ニュースの裏側が見える! 中東情勢のニュースが、点ではなく線でつながり、より深く理解できるようになります。
  • 知的な会話が楽しめる! 友人や同僚との会話で「実はね…」と、ちょっとした教養を披露できるようになります。

専門用語は一切使いません。歴史が苦手な方でもスッと頭に入るように、たくさんの具体例やたとえ話を交えながら、世界一わかりやすく解説していきます。さあ、一緒に知の冒険に出かけましょう!

【結論】最大の違いは「リーダーの選び方」ただ一つ!

じっくり解説する前に、この記事の結論からお伝えします。 スンニ派とシーア派の最大の違い、それはイスラム教の創始者ムハンマド亡き後、「誰をリーダー(後継者)とすべきか」という考え方の違いです。

  • スンニ派:「皆で話し合って、ふさわしい人物を選ぶべきだ!」という考え方。リーダーの血筋にはこだわりません。
  • シーア派:「いやいや、ムハンマドの血を引く者こそがリーダーであるべきだ!」という考え方。血統を何よりも重視します。

たったこれだけ?と思うかもしれませんが、このたった一つの違いが、約1400年もの間、歴史を大きく動かし、現代の世界情勢にまで影響を与えているのです。この「リーダー論」の違いが、具体的にどのような違いを生み出しているのか、これからじっくりと紐解いていきましょう。

そもそもイスラム教ってどんな宗教?基本の「キ」をサクッとおさらい

スンニ派とシーア派の違いを理解する前に、まずは両者に共通する「イスラム教」の基本を押さえておきましょう。ここがわかっていると、後の話が断然わかりやすくなります。

イスラム教は、ユダヤ教やキリスト教と同じく「唯一神(アッラー)」を信じる一神教です。 神が預言者ムハンマドを通じて人々に伝えた教えがまとめられた「コーラン」を聖典としています。

そして、イスラム教徒(ムスリム)の信仰と生活の基本となっているのが「六信五行(ろくしんごぎょう)」です。

  • 六信:信じるべき6つのこと
  • . アッラー(神): 唯一絶対の神を信じる。
  • . 天使(マラーイカ): 神の使いである天使の存在を信じる。
  • . 啓典(キターブ): コーランなど、神からの啓示を記した書物を信じる。
  • . 預言者(ナビー): ムハンマドをはじめ、神の言葉を伝えた預言者たちを信じる。
  • . 来世(アーヒラ): 死後の世界や最後の審判を信じる。
  • . 定命(カダル): 人の運命はすべて神によって定められていると信じる。
  • 五行:実践すべき5つのこと
  • . 信仰告白(シャハーダ): 「アッラーの他に神はなし。ムハンマドは神の使徒なり」と唱える。
  • . 礼拝(サラート): 1日に5回、聖地メッカの方向に向かって祈る。
  • . 喜捨(ザカート): 収入の一部を困っている人々に施しとして寄付する。
  • . 断食(サウム): イスラム暦の9月(ラマダン月)の日中、飲食を断つ。
  • . 巡礼(ハッジ): 一生に一度は、聖地メッカへ巡礼する。

この「六信五行」は、スンニ派とシーア派、どちらの宗派にとっても共通の土台となる非常に重要な教えです。 つまり、彼らは同じ神を信じ、同じ聖典を読み、多くの信仰実践を共有している「兄弟」のような存在なのです。この点をまず心に留めておいてください。

運命の分かれ道!スンニ派とシーア派の違いが生まれた歴史的背景

では、なぜ同じ教えを信じる彼らが、二つの宗派に分かれることになったのでしょうか。物語は、預言者ムハンマドが亡くなった632年に遡ります。

ムハンマドの後継者は誰だ!?すべてはここから始まった

偉大な指導者であったムハンマドは、生前に後継者を指名していませんでした。 そのため、彼が亡くなるとイスラム共同体は「これから誰が我々を導くのか?」という大きな問題に直面します。

ここで、共同体の有力者たちは話し合いの末、ムハンマドの古くからの友人で義父でもあったアブー・バクルを初代の指導者(カリフ)として選びました。 この「共同体の総意によって指導者を選ぶ」というやり方を支持した人々が、後にスンニ派と呼ばれるようになります。「スンナ」とは「慣行」を意味し、ムハンマドの言行や慣習に従う人々、という意味合いがあります。

しかし、この決定にすべての人が納得したわけではありませんでした。 一部の人々はこう考えたのです。「いや、指導者はムハンマドの血を引く者が継ぐべきだ。彼の従弟であり、娘婿でもあるアリーこそが正当な後継者だ!」と。

このアリーを支持した人々は、「シーア・アリー(アリーの党派)」と呼ばれ、これがシーア派の起源となりました。

プロの視点:単なる宗教問題ではなかった?権力闘争というリアル

ここで一つ、歴史を見る上でのプロの視点をお伝えします。この後継者問題は、純粋な信仰心の違いだけで起こったわけではありません。背景には、当時のアラブ社会における部族間の権力闘争という、非常に人間臭い現実がありました。

「ウチの部族から指導者を出したい」「いや、あそこの部族にだけは主導権を握らせたくない」といった政治的な思惑が複雑に絡み合っていたのです。

よくある失敗談として、「スンニ派とシーア派の対立は、純粋な宗教的な教義の違いから始まった」と単純に考えてしまうことがあります。しかし実際は、信仰、政治、部族間のライバル意識がごちゃ混ぜになった、いわば「壮大な社内派閥争い」のような側面があったと捉えると、より本質が理解しやすくなりますよ。

アブー・バクルの後、ウマル、ウスマーンと選挙でカリフが選ばれていきましたが、アリーを推す声はくすぶり続け、ついに4代目のカリフとしてアリーが就任します。 しかし、彼の就任を認めない勢力との対立が激化し、アリーは暗殺されてしまいます。

さらに悲劇は続きます。680年、アリーの息子であるフサインが、時の権力者(ウマイヤ朝)に反旗を翻し、一族もろとも殺害されるという「カルバラーの悲劇」が起こりました。 この事件はシーア派の心に深く刻まれ、彼らの結束を強めるとともに、スンニ派政権への反体制的な性格を決定づけることになったのです。

【核心】ここが違う!スンニ派とシーア派の5つの決定的違い

さて、歴史的背景を理解したところで、いよいよスンニ派とシーア派の具体的な違いを5つのポイントに分けて見ていきましょう。

違い①:リーダーの呼び方と権威(カリフ vs イマーム)

これが最も本質的な違いです。

スンニ派 シーア派
指導者の称号 カリフ イマーム
選出方法 話し合いや選挙で選ばれる 神によって選ばれた、ムハンマドの血統者
役割・権威 政治的な指導者。宗教的な権威は預言者ムハンマドで完結していると考える。 政治的かつ宗教的な最高指導者。神の言葉を解釈する特別な能力を持つとされる。

スンニ派にとっての「カリフ」は、あくまで「ムハンマドの代理人」であり、政治的なリーダーです。 宗教的な教えはコーランやムハンマドの言行(スンナ)にすべて書かれていると考えます。

一方、シーア派にとっての「イマーム」は、単なる政治リーダーではありません。ムハンマドの血を引くことで、神の言葉を誤りなく解釈できる特別な能力を持つ、神聖な存在とされています。 このため、シーア派ではイマームや高位の聖職者の言葉が非常に強い権威を持ちます。

違い②:信者の割合と主な国

世界のイスラム教徒(約18億人~20億人)のうち、圧倒的多数を占めるのがスンニ派です。

  • スンニ派: 全イスラム教徒の約85%~90%
  • シーア派: 全イスラム教徒の約10%~15%

この割合は、中東の地図を見るとよりはっきりと理解できます。

宗派 主な国や地域
スンニ派が多数を占める国 サウジアラビア、エジプト、トルコ、インドネシア、パキスタンなど、ほとんどのイスラム諸国
シーア派が多数を占める国 イラン、イラク、アゼルバイジャン、バーレーン
シーア派が大きな影響力を持つ国 レバノン、イエメン

見ての通り、シーア派が多数派の国は限定的です。 特にイランはシーア派の盟主ともいえる存在で、国民の9割以上がシーア派(十二イマーム派)です。 対照的に、イスラム教の二大聖地(メッカとメディナ)を抱えるサウジアラビアはスンニ派の盟主と見なされています。 この両国のライバル関係が、現代の中東情勢を複雑にする大きな要因の一つになっています。

違い③:聖地の考え方

どちらの宗派も、サウジアラビアにあるメッカメディナ、そしてエルサレムを聖地として重要視しています。

しかし、シーア派はこれに加えて、歴代イマームが祀られている廟(お墓)も極めて重要な聖地と考え、墓参り(巡礼)を行います。 特に、3代目イマーム・フサインが殉教したイラクのカルバラーや、初代イマーム・アリーの廟があるナジャフは、シーア派にとって特別な意味を持つ聖地です。

スンニ派は、このような指導者の墓を崇拝の対象とすることには比較的消極的で、偶像崇拝を厳しく禁じる教えから、聖人崇拝とは距離を置く傾向があります。

違い④:最も重要な宗教行事の違い

イスラム教徒がラマダン(断食月)を大切にするのは共通ですが、シーア派にはもう一つ、非常に重要な宗教行事が存在します。それが「アーシューラー」です。

アーシューラーは、イスラム暦1月10日に行われる行事で、もともとはスンニ派にも断食などの習慣がありましたが、現在では特にシーア派にとって最大の宗教行事と位置づけられています。 この日は、あの「カルバラーの悲劇」で3代目イマーム・フサインが殉教した日です。 シーア派の信者たちは、フサインの悲劇を追悼し、嘆き悲しみます。黒い服を着て街を練り歩いたり、自らの胸を叩いたりして、その悲しみを体現する儀式が行われます。 この深い悲しみの共有が、シーア派のアイデンティティと結束を強める上で大きな役割を果たしているのです。

違い⑤:細かい実践や解釈の違い

日常生活における細かいルールにも、いくつか違いが見られます。

  • 礼拝の回数: スンニ派は1日5回行うのが基本ですが、シーア派は5回の祈りを3回にまとめて行うことを認められています。
  • 偶像崇拝の捉え方: スンニ派は肖像画などを厳しく禁じる傾向がありますが、シーア派は比較的寛容で、イマームの肖像画などが掲げられることがあります。

これらはあくまで一部であり、他にも婚姻制度の解釈など、法学派によって様々な違いが存在しますが、大きなポイントとしては上記の4つと合わせて覚えておくと良いでしょう。

「スンニ派 vs シーア派」は本当?現代社会への影響とよくある誤解

ニュースを見ていると、「スンニ派とシーア派は1400年間ずっと争い続けている」というイメージを持ってしまいがちです。しかし、それは本当なのでしょうか?

多くの信者は平和に共存している

まず知っておくべきなのは、ほとんどのスンニ派とシーア派の一般市民は、宗派の違いを乗り越えて平和に共存してきたという事実です。 同じ職場で働き、隣人として助け合い、宗派の違う者同士で結婚することも珍しくありません。

SNS上では、こんな声も見られます。

> 「メッカ巡礼に行った時、道に迷って困っていたら、スンニ派のサウジアラビア人が親切に案内してくれた。私がシーア派だと知っても、彼は『私たちは同じアッラーを信じる兄弟だ』と言って微笑んでくれたんだ。メディアが報じる対立なんて、一部の世界の話だよ。」

このように、個人レベルではお互いをムスリムとして尊重し合っているケースがほとんどなのです。

なぜ対立が起きるのか?政治利用される「宗派」

ではなぜ、紛争やテロの文脈で「宗派対立」が強調されるのでしょうか。 その大きな原因は、政治的・経済的な覇権争いの道具として、宗教(宗派)が利用されているからです。

例えば、中東の二大国であるサウジアラビア(スンニ派)とイラン(シーア派)は、地域のリーダーシップを巡って激しく対立しています。 彼らは、シリアやイエメンなどで起きている内戦において、それぞれが同じ宗派の勢力を支援することで、代理戦争のような形で影響力を競い合っているのです。

ここで陥りがちな失敗は、こうした国の対立を「宗教戦争」と一言で片付けてしまうことです。実際には、石油などの資源をめぐる経済的利権や、国家としてのプライドをかけた覇権争いが根底にあり、その対立構造を国民に分かりやすく説明し、支持を得るために「宗派の違い」という便利なラベルが使われているのです。

過激派組織「イスラム国」(IS)はスンニ派に分類されますが、彼らは同じスンニ派の国々とも戦っています。 また、シリアのアサド政権はシーア派に近い宗派ですが、宗教的な理由だけでなく、地政学的な理由からイランの支援を受けている側面が強いのです。 このように、「宗派」という切り口だけで中東情勢を理解しようとすると、本質を見誤るということを、ぜひ覚えておいてください。

まとめ

最後に、この記事の要点をもう一度確認しましょう。

  • スンニ派とシーア派の最大の違いは、預言者ムハンマドの後継者を「選挙で選ぶべき(スンニ派)」か「血筋で選ぶべき(シーア派)」かというリーダー観の違いにあります。
  • スンニ派はイスラム教徒の約9割を占める多数派で、シーア派はイランやイラクを中心に約1割存在する少数派です。この力関係が、現代の中東情勢に大きな影響を与えています。
  • 現代の紛争における「宗派対立」は、多くの場合、政治的・経済的な覇権争いの道具として利用されています。多くの信者は平和に共存しており、「宗派=対立」と安易に結びつけるのは危険です。

今日、あなたが手に入れたこの知識は、単なる雑学ではありません。複雑に見える世界を解き明かし、多様な価値観を理解するための「新しいメガネ」です。

次に中東のニュースを見た時、あなたはきっと以前とは違う視点で物事を捉えられるはずです。そして、その少しの理解が、遠い国の出来事を「自分ごと」として考えるきっかけとなり、ひいてはより良い世界への小さな一歩につながるかもしれません。ぜひ、この知的な冒険を、あなたの日常を豊かにするために役立ててください。

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