【知らないと損】値がさ株とは？たった1銘柄で日経平均が動く、その驚きの理由をプロが徹底解説！

「日経平均、今日も最高値更新！」…でも、自分の持ち株はなぜかパッとしない。そんな経験ありませんか？

「ニュースでは連日、日経平均株価が上がっていると報じられているのに、自分の資産はちっとも増えない…」 「『今日の相場を牽引したのは値がさ株で…』なんて解説を聞いても、そもそも『値がさ株』って何のことだかサッパリわからない」 「日経平均って、日本の景気を表す指標じゃないの？なんだか一部の株だけで動いている気がして、モヤモヤする」

もしあなたが株式投資や経済ニュースに少しでも関心があるなら、一度はこんな風に感じたことがあるかもしれません。

実は、その感覚、大正解です。

日経平均株価は、その特殊な仕組みによって、ごく一部の「値がさ株」と呼ばれる銘柄の値動きに、良くも悪くも大きく左右されてしまうという特徴を持っています。このカラクリを知らないままだと、あなたは市場全体の温度感を勘違いし、大切な資産を危険に晒してしまうかもしれません。

しかし、ご安心ください。

この記事を最後まで読めば、あなたは以下のことを手に入れることができます。

• 「値がさ株とは何か？」を、誰にでも説明できるレベルで理解できる。
• なぜ値がさ株が日経平均に絶大な影響力を持つのか、その「驚きのカラクリ」がわかる。
• 経済ニュースの裏側が読めるようになり、投資判断の精度が格段にアップする。
• 高嶺の花に見える値がさ株に、初心者でも少額から投資できる裏ワザがわかる。
• プロが実践する、値がさ株を味方につけるための具体的な投資戦略が身につく。

単なる用語解説で終わるつもりはありません。この記事は、あなたの「知のパートナー」として、経済の霧を晴らし、投資の世界をよりクリアに見通すための「武器」を提供します。さあ、一緒にニュースの裏側を覗きに行きましょう！

【結論】「値がさ株」とは株価が高いスター選手！日経平均は、そのスター選手の活躍に左右されやすい特殊なチームなんです

時間がない方のために、まず結論からお伝えします。

• 値がさ株とは？
• 一言でいうと「1株あたりの株価が非常に高い銘柄」のことです。 「値嵩株（ねがさかぶ）」とも書きます。
• なぜ日経平均への影響力が大きいのか？
• それは、日経平均株価の計算方法が「会社の規模（時価総額）を無視した、単純な株価の平均」に近い形だからです。
• そのため、株価が高い「値がさ株」が少し動くだけで、他のたくさんの株が動くよりも大きな影響を日経平均に与えてしまう、という特殊な事情があるのです。

例えるなら、日経平均というチームは、選手の人気や実力（会社の規模）に関係なく、「背番号の大きさ（株価）」だけで評価が決まるようなもの。背番号「40000」のスター選手（超値がさ株）が1点取るだけで、背番号「100」の選手が100点取るよりもチームの得点（日経平均株価）が大きく動いてしまう、というイメージです。

「え、そんな単純な仕組みなの？」と驚かれたかもしれませんね。 ここからは、この驚きのカラクリを、具体的なエピソードや数字を交えながら、さらに深く、そして面白く解き明かしていきます。

そもそも「値がさ株」って一体何者？～株式市場の高級ブランド品を徹底解剖～

まずは、「値がさ株」の基本の「き」から押さえていきましょう。言葉の響きから「価値が高い株なのかな？」と想像する方も多いと思いますが、その認識でほぼ間違いありません。

「値がさ株」の定義と基準は？いくらからが高価なの？

「値がさ株」とは、1株あたりの株価水準が高い銘柄のことを指します。 ただ、実は「株価が〇〇円以上なら値がさ株」というような、法律で定められた明確な定義や基準はありません。 その時々の相場全体の水準によって、どのあたりから「高い」と感じるかは変わってきます。

とはいえ、一般的には1単元（通常100株）の購入代金が50万円以上、つまり株価が5,000円程度以上の銘柄を「値がさ株」と呼ぶことが多いようです。 株価が数万円にもなれば、誰もが認める正真正銘の値がさ株と言えるでしょう。

値がさ株と対極にあるのが「低位株」

値がさ株の反対で、株価水準が低い銘柄は「低位株（てい いかぶ）」と呼ばれます。 こちらも明確な定義はありませんが、一般的には株価が1,000円以下の銘柄を指すことが多いです。

「なるほど、要は値段が高いか安いかの話なんだな」とご理解いただけたでしょうか。 ここで一つ注意点があります。それは、「値がさ株＝割高な株」ではないということです。株価が高いか安いかと、その株価が企業の価値に対して割高か割安かは全く別の話。値がさ株の中にも、今後の成長性を考えればまだまだ割安と判断される銘柄はたくさんあります。

日本を代表する「値がさ株」のスター選手たち

では、具体的にどんな企業が値がさ株の代表格なのでしょうか。きっとあなたが知っている有名企業がたくさん登場しますよ。

• ファーストリテイリング（9983）
• 「ユニクロ」や「GU」を展開する、アパレル業界の巨人。日経平均への影響力が非常に大きいことで知られ、市場関係者からは「ユニクロ指数」と揶揄されることもあるほどです。
• 東京エレクトロン（8035）
• 世界トップクラスの半導体製造装置メーカー。近年の半導体需要の高まりを受け、株価も大きく上昇しています。
• ソフトバンクグループ（9984）
• 様々なテクノロジー企業に投資を行う、投資会社としての側面が強い企業です。
• キーエンス（6861）
• 工場の自動化（FA）に不可欠なセンサーなどの開発・販売を手掛ける超高収益企業。株価も非常に高く、まさに値がさ株の王様ともいえる存在です。
• SMC（6273）
• キーエンスと同じく、FA関連の空気圧制御機器で世界トップシェアを誇る企業です。

これらの銘柄は、いずれもそれぞれの業界で圧倒的な存在感を放つ、日本を代表する企業ばかりです。 安定した収益基盤や高いブランド力を持っていることが多く、投資家からの人気も高いのが特徴です。

【本題】値がさ株が日経平均を動かす「驚きのカラクリ」

お待たせしました。いよいよ本日のメインディッシュ、「なぜ値がさ株が日経平均にこれほど大きな影響を与えるのか？」という謎に迫ります。この謎を解くカギは、日経平均株価の「特殊な計算方法」に隠されています。

日経平均の正体は「株価の単純平均」だった！

「日経平均株価」は、日本経済新聞社が東京証券取引所のプライム市場に上場する銘柄の中から、市場を代表する225銘柄を選んで算出している株価指数です。 ここまでは多くの方がご存知でしょう。

問題はここからです。多くの人が「日経平均」という名前から、225社の株価を単純に足して225で割ったもの、つまり「平均株価」をイメージすると思います。そして、そのイメージは、実はあながち間違いではありません。

日経平均は「株価平均型」という、非常にシンプルな方法で算出されています。 これは、企業の規模（時価総額＝株価 × 発行済み株式数）は一切考慮せず、単純に各銘柄の「株価」そのものをベースに計算する方法です。

これが何を意味するか、分かりますか？

例えば、ここに2つの会社があったとします。

• A社： 株価1,000円、発行済み株式数1億株 → 時価総額 1,000億円
• B社： 株価40,000円、発行済み株式数100万株 → 時価総額 400億円

会社の規模（時価総額）で言えば、A社の方がB社より2.5倍も大きいですよね。しかし、日経平均の世界では、株価が40,000円のB社の方が、株価1,000円のA社よりも40倍も影響力が大きいと見なされてしまうのです。

この仕組みこそが、値がさ株が日経平均を支配する根本的な理由です。

謎のルール「みなし額面」とは？

「でも、完全に単純な平均ではないんでしょ？」 その通りです。日経平均の計算には、もう一つ「みなし額面」という、少しややこしいルールが存在します。

これは、かつて株券に「額面」というものが存在した時代の名残です。 昔は会社によって額面が50円だったり500円だったりとバラバラだったので、それを公平に比較するために「もし、すべての株の額面が50円だったら？」という基準に換算して計算していました。

現在、額面制度は廃止されていますが、日経平均の計算ではこの「みなし額面」という考え方が引き継がれています。

日経平均の計算式（簡略版）

`採用株価 ＝ 株価 × (50円 ÷ その銘柄のみなし額面)` `日経平均株価 ＝ 全銘柄の「採用株価」の合計 ÷ 除数`

「除数」というのは、株式分割などで株価が変動しても指数の連続性が保たれるように調整するための特殊な数字です。

少し難しく感じるかもしれませんが、ここでのポイントは、各銘柄の株価を「みなし額面」で調整した上で平均を計算しているということ。この調整によって、単純に株価が高いだけでなく、「みなし額面」が小さい銘柄ほど、さらに影響力が大きくなるという現象が起こります。

「寄与度」を見れば、黒幕が一目瞭然！

では、実際にどの銘柄がどれくらい日経平均を動かしているのでしょうか？それを示す便利な指標が「寄与度」です。

寄与度とは、日経平均が変動した際に、そのうちの何円分が特定の銘柄の値動きによるものかを示した数値です。

例えば、「今日、日経平均が500円上がりました。そのうちファーストリテイリングの寄与度は+100円です」といった使い方をします。これは、500円の上昇のうち、100円分はファーストリテイリング1社の株価上昇が貢献した、という意味になります。

この寄与度ランキングは、証券会社のサイトや投資情報サイトでリアルタイムに確認することができます。

【参考】とある日の日経平均寄与度ランキング（イメージ）

これを見ると、たった数銘柄の値動きだけで、日経平均が100円も200円も動いてしまうことがよく分かります。 まさに、値がさ株が日経平均の“黒幕”であることの動かぬ証拠と言えるでしょう。

SNS上でも、この寄与度を意識した投資家のリアルな声が飛び交っています。

> 「今日のユニクロ（ファーストリテイリング）砲、すごいな！一気に日経を押し上げた」 > 「エレク（東京エレクトロン）が下げ止まらないと、日経平均も上値が重い展開か…」 > 「日経平均、上昇銘柄数の方が多いのにマイナスってどういうこと？と思ったら、値がさ株が軒並み売られてるのか」

このように、経験豊富な投資家は、日経平均全体の動きだけでなく、その裏でどの値がさ株が影響を与えているのかを常にチェックしているのです。

なぜそんな仕組みに？市場の実態を表す「TOPIX」との決定的な違い

「会社の規模を無視するなんて、日経平均ってなんだか偏った指数じゃない？」 そう感じたあなたは、非常に鋭いです。実際、市場関係者の間でも、日経平均の算出方法については様々な意見があります。

そこで比較対象としてよく挙げられるのが、もう一つの代表的な株価指数「TOPIX（東証株価指数）」です。

市場の“本当の体温”を測るTOPIX

TOPIXは、東京証券取引所（プライム市場）に上場するほぼ全ての銘柄を対象とした株価指数です。 日経平均が225銘柄の「選抜チーム」なのに対し、TOPIXは市場全体の動きを捉えようとする「オールスターチーム」のような存在です。

そして、TOPIXと日経平均の最も大きな違いは、その計算方法にあります。

日経平均が「株価平均型」だったのに対し、TOPIXは「時価総額加重型」という方法で計算されています。 これは、各銘柄の時価総額（会社の規模）が大きければ大きいほど、指数に与える影響も大きくなるという、より市場の実態に即した計算方法です。

例えば、日本の時価総額トップであるトヨタ自動車は、TOPIXにおける構成比率では常に上位にいますが、株価自体は超値がさ株というほどではないため、日経平均への寄与度はファーストリテイリングなどと比べると限定的です。

この違いから、「日経平均は値がさ株の動向」「TOPIXは日本経済全体の動向」という見方をすることもできます。プロの投資家が日経平均だけでなく、必ずTOPIXの動きもチェックするのは、この2つの指数の「性格」の違いを理解しているからなのです。

日経平均とTOPIXの動きがズレる「NT倍率」

この2つの指数の性格の違いから、時には日経平均とTOPIXの動きが大きく乖離（かいり）することがあります。 例えば、「値がさ株だけが買われて、他の多くの銘柄は売られる」という相場では、日経平均は上昇するのに、TOPIXは下落する、という現象が起こります。

この2つの指数の強弱関係を見るために使われるのが「NT倍率」です。NT倍率は、日経平均株価をTOPIXで割って算出され、この数値が上昇すれば日経平均がTOPIXよりも優位（値がさ株が強い）、下落すればTOPIXが日経平均よりも優位（大型株など市場全体が強い）と判断されます。

最近の相場では、海外投資家が日本の代表的な銘柄として値がさ株を好んで売買する傾向などから、NT倍率が上昇しやすいと言われています。

値がさ株投資のメリット・デメリットを本音で語る

ここまで読んで、「値がさ株って、なんだか面白そうだな」と感じ始めた方もいるかもしれません。しかし、投資には必ず光と影があります。ここでは、値がさ株投資のメリットとデメリットを、包み隠さず本音で解説します。

【メリット】ハイリスク・ハイリターンで大きな利益を狙える！

1. . 値動きが大きい（ボラティリティが高い）

値がさ株は株価が高い分、わずかな変動率でも価格の変動「幅」は大きくなります。 例えば、株価10,000円の株が1%動けば100円ですが、株価100円の株が1%動いても1円です。この大きな値動きを利用して、短期間で大きな利益を狙える可能性があります。

1. . 業界を代表する優良企業が多い

先ほど紹介した代表銘柄を見ても分かる通り、値がさ株には各業界のリーディングカンパニーが名を連ねています。 安定した経営基盤や高い技術力、ブランド力を持ち、長期的な成長が期待できる銘柄も多く含まれています。

1. . 流動性が高く、取引が活発

日本を代表する企業が多いため、機関投資家など大口の投資家からの売買も活発です。 そのため、「買いたい時に買えない」「売りたい時に売れない」といった流動性リスクが低いというメリットがあります。

【デメリット】最低投資金額が高く、初心者にはハードルが高い…

1. . 最低投資金額が高額になりがち

これが最大のデメリットでしょう。日本の株式市場では、通常100株を1単元として売買します。 そのため、例えば株価が40,000円の銘柄を買うには、最低でも400万円（40,000円 × 100株）という大金が必要になります。

> 【投資あるある失敗談】

> 投資を始めたばかりのAさん。「よし、憧れの任天堂の株主になるぞ！」と意気込んで証券口座を開設。いざ注文画面で株価を調べてみると、なんと株価は6,000円超え。最低でも60万円以上が必要だと知り、泣く泣く諦めたそうです。「有名企業だから、数万円で買えると思ってた…」なんていうのは、初心者が陥りがちな典型的な失敗パターンです。

1. . 損失額も大きくなるリスクがある

値動きが大きいというメリットは、裏を返せば大きな損失を被るリスクと表裏一体です。ハイリターンを狙える分、ハイリスクであることは常に心に留めておく必要があります。

1. . 企業の実態とは無関係な値動きをすることがある

日経平均への影響力が大きいがゆえに、先物取引などの影響で、企業の業績とは直接関係のない理由で株価が大きく動かされることがあります。ファンダメンタルズ（企業の基礎的条件）を重視する投資家にとっては、悩ましい点かもしれません。

初心者でも安心！「高嶺の花」の値がさ株に少額から投資する3つの裏ワザ

「やっぱり値がさ株は、お金持ちだけのゲームなんだ…」 そう思うのは、まだ早い！実は、初心者でも無理なく、まるでコンビニでお菓子を買うような感覚で、あの憧れの値がさ株に投資できる「裏ワザ」があるんです。

裏ワザ1：ミニ株（単元未満株）で1株から買う

通常は100株単位でしか売買できませんが、証券会社によっては「単元未満株」や「ミニ株」というサービスを提供しており、1株から株を購入することができます。

例えば、株価40,000円のファーストリテイリング株も、このサービスを使えば40,000円から購入可能です（手数料別途）。これなら、お小遣いやボーナスの一部からでも気軽に始められますよね。

裏ワザ2：株式累積投資（るいとう）で毎月コツコツ積み立てる

「株式累積投資（るいとう）」は、毎月決まった金額で同じ銘柄を少しずつ買い付けていく方法です。 例えば「毎月1万円ずつキーエンスの株を買う」といった設定が可能です。 一度設定すれば自動で買い付けてくれるので、手間がかからず、長期的な資産形成に向いています。ドルコスト平均法の効果も期待でき、高値掴みのリスクを抑えることができます。

裏ワザ3：投資信託・ETFで間接的に投資する

「個別銘柄を選ぶのはまだ怖い…」という方におすすめなのが、日経平均株価に連動するタイプの投資信託やETF（上場投資信託）です。 これらの金融商品を購入すれば、実質的にファーストリテイリングや東京エレクトロンといった値がさ株を含む225銘柄すべてに、少額から分散投資したのと同じ効果が得られます。 まさに「値がさ株の福袋」のようなイメージですね。

投資方法	特徴	メリット	デメリット
ミニ株（単元未満株）	1株単位で購入可能	・少額から始められる ・憧れの企業の株主になれる	・リアルタイムで売買できない場合がある ・指値注文ができないことが多い
株式累積投資（るいとう）	毎月定額を積み立て	・ドルコスト平均法でリスク分散 ・自動で買い付けできるので手間いらず	・ミニ株と同様のデメリットがある
投資信託・ETF	指数などに連動するパッケージ商品	・少額で究極の分散投資が可能 ・運用をプロに任せられる	・信託報酬などのコストがかかる ・個別株ほどの大きなリターンは狙いにくい

これらの方法を活用すれば、値がさ株はもはや「高嶺の花」ではありません。あなたの資産状況や投資スタイルに合わせて、最適な方法を選んでみてください。

プロはこう見る！値がさ株と上手く付き合うための実践的投資戦略

最後に、値がさ株の特性を理解した上で、それをどう実際の投資に活かしていくのか、プロの視点から具体的な戦略をお伝えします。

戦略1：「値がさ株＝日経平均の先行指標」として活用する

日経平均の動きを予測したいなら、まずは寄与度の高い値がさ株の動きをチェックするのが鉄則です。特に、市場が開く前の「気配値」は重要なヒントになります。

例えば、朝のニュースでアメリカのハイテク株が上昇したと報じられていれば、「今日は日本の半導体関連の値がさ株である東京エレクトロンやアドバンテストが買われそうだな。ということは、日経平均も寄り付きから高くなりそうだ」といった予測が立てられます。

逆に、日経平均全体が上がっているように見えても、寄与度上位の値がさ株が軒並みマイナスであれば、「この上昇は長続きしないかもしれない」と警戒することができます。値がさ株の動きは、市場全体のセンチメント（雰囲気）を映す鏡なのです。

戦略2：日経平均の「歪み」を利用したトレード

日経平均がTOPIXに比べて値がさ株の影響を受けやすい、という「歪み」を逆手にとる戦略もあります。 例えば、NT倍率が歴史的な高水準まで上昇している（＝値がさ株が過剰に買われている）場面では、「そろそろこの歪みが修正されるだろう」と考え、日経平均を売り、TOPIXを買う（NTショート）といったトレードが機関投資家の間では行われます。

これは上級者向けの戦略ですが、「日経平均とTOPIXの強弱関係」という視点を持つだけでも、相場を立体的に捉えることができるようになります。

戦略3：値がさ株の値動きに惑わされない「自分軸」を持つ

最も重要なのは、値がさ株や日経平均の日々の動きに一喜一憂しないことです。 特に、長期的な資産形成を目指すのであれば、目先の株価の動きよりも、その企業の本来の価値（ファンダメンタルズ）を見極めることが大切です。

> 【プロならこう考える】

> とある決算発表で、A社の業績は絶好調だったにもかかわらず、その日の地合いが悪く、日経平均採用の値がさ株が軒並み売られた影響で、A社の株価も連れ安してしまいました。 > > 初心者投資家Bさん：「せっかく良い決算だったのに、株価が下がってしまった…もうダメだ、売ってしまおう」 > プロ投資家Cさん：「素晴らしい決算だ。市場全体がパニックになっている今こそ、本来の価値より安く買える絶好のチャンスだ」 > > このように、日経平均のノイズ（雑音）に惑わされず、企業の価値という「自分軸」で判断できるかどうかが、長期的なリターンを大きく左右します。

値がさ株の動きは、あくまで市場の動向を知るための「一つの道具」です。その道具に振り回されるのではなく、賢く使いこなして、あなた自身の投資戦略に活かしていきましょう。

まとめ

今回は、「値がさ株とは？日経平均への影響力が大きい理由」というテーマを、初心者の方にも分かりやすく、そして深く掘り下げてきました。最後に、この記事の重要なポイントを振り返りましょう。

• 値がさ株とは、単純に「1株あたりの株価が高い銘柄」のこと。明確な基準はないが、株価数千円以上の優良企業が多いのが特徴です。
• 日経平均株価は、企業の規模を考慮しない「株価平均型」で計算されるため、株価の高い値がさ株1社の値動きが、指数全体に絶大な影響を与えてしまいます。
• 市場全体の実態をより正確に表しているのは、時価総額ベースで計算される「TOPIX」です。この2つの指数の違いを知ることが、ニュースの裏側を読む第一歩です。
• 値がさ株は最低投資金額が高いというデメリットがありますが、「ミニ株」や「投資信託」などを活用すれば、初心者でも少額から投資を始めることが可能です。

値がさ株の存在を知ることは、単に投資の知識が増えるということだけではありません。それは、あなたが毎日目にする経済ニュースの「解像度」を上げ、世の中の動きをより深く、そして面白く理解するための新しい「視点」を手に入れるということです。

今日からニュースで日経平均株価の動きを見るとき、その裏で躍動する「スター選手（値がさ株）」たちの顔を思い浮かべてみてください。きっと、今までとは全く違った景色が見えてくるはずです。あなたの知的好奇心が、明日からの日常をより豊かに彩ることを願っています。

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