【2025年最新】日経平均株価とは?計算方法と34年ぶりに最高値を更新した本当の仕組みをプロが徹底解説!
「日経平均4万円」って、結局どういうこと?ニュースが10倍面白くなる、お金の教養
「今日の日経平均株価は、昨日より500円高い4万円で取引を終えました…」
テレビやネットで毎日、当たり前のように流れてくるこの言葉。あなたは、この「日経平均株価」が一体何者なのか、自信を持って説明できますか?
「なんとなく日本の景気を示す数字でしょ?」 「上がれば良くて、下がれば悪い…くらいのイメージしかない」 「計算方法や仕組みなんて、専門家じゃないから知らなくても…」
もし、あなたが一つでも当てはまったなら、この記事はまさにあなたのためのものです。
実は、日経平均株価の仕組みを知らないことは、非常にもったいないこと。なぜなら、その正体とルールを知るだけで、普段何気なく見ている経済ニュースが、まるで謎解きのように面白く、そして深く理解できるようになるからです。
この記事を読み終える頃には、あなたは以下のことを手に入れているでしょう。
- 「日経平均株価とは何か?」を、誰にでも分かりやすく説明できるようになる。
- ニュースで「4万円」や「史上最高値」と騒がれる本当の意味がわかり、経済の大きな流れを肌で感じられるようになる。
- 日経平均株価の意外な計算方法と、その裏にある「カラクリ」を知り、専門家のような視点を持てるようになる。
- 日経平均の知識を、将来の資産形成や投資に活かすための第一歩を踏み出せるようになる。
難しい専門用語は一切使いません。まるで友人に話すような、フランクで親しみやすい言葉で、どこよりも分かりやすく「日経平均株価とは?計算方法と仕組みを解説」していきます。さあ、一緒に「知る楽しさ」を体験し、お金の教養をアップデートしていきましょう!
【結論】日経平均株価とは、日本を代表する「225人の優等生」の成績表!
いきなり結論からお伝えします。
日経平均株価とは、日本経済新聞社が選んだ、日本を代表する企業225社の株価を元に計算された「日本の景気の体温計」のような指標です。
ポイントは以下の3つです。
- . 選ばれし225社: 東京証券取引所のプライム市場に上場している企業の中から、取引の活発さや業種のバランスなどを考慮して選ばれた、いわば「日本代表チーム」です。
- . 特殊な平均の出し方: 225社の株価を単純に足して225で割る、という簡単な計算ではありません。指数の連続性を保つための「除数」という特別な数字で割って算出される、少し特殊な平均値です。 この「除数」こそが、日経平均の仕組みを理解する上で最も重要な鍵となります。
- . 株価が高い会社の影響力が大きい: 計算方法の特性上、1株あたりの値段が高い「値がさ株」と呼ばれる企業の株価が上がったり下がったりすると、日経平均全体も大きく動きやすいという特徴があります。
- 銘柄の入れ替え: 成績が悪くなった会社が外れ、新しく元気な会社が入ってくる。
- 株式分割: 1株を2株や3株に分割して、投資家が買いやすいようにする。株価は理論上、2分の1や3分の1になる。
- 株式併合: 複数の株を1株にまとめる。株価は理論上、数倍になる。
- 構成銘柄はA社、B社、C社の3社のみとします。
- 昨日の株価は、A社: 1,000円, B社: 2,000円, C社: 3,000円。
- 昨日の株価合計は 1,000 + 2,000 + 3,000 = 6,000円。
- 昨日の除数は「3」だったとします。
- 昨日の日経平均は 6,000円 ÷ 3 = 2,000円 です。
- 今日、C社が除外され、代わりに株価6,000円のD社が新しく採用されました。
- 今日のA社とB社の株価は変わらなかったとします。
- 今日の株価合計は 1,000円(A) + 2,000円(B) + 6,000円(D) = 9,000円。
- 日経平均は 9,000円 ÷ 3 = 3,000円 となってしまいます。
- ファーストリテイリング(ユニクロの会社)
- 東京エレクトロン(半導体製造装置メーカー)
- ソフトバンクグループ(投資会社)
- 日本の経済指標: GDP成長率や物価、企業の業績見通しなど。
- 金融政策: 日本銀行の金利政策など。
- 世界経済の動向: アメリカや中国の景気、地政学リスクなど。
- 為替レート: 円安か円高か。
- . 輸出企業の収益が改善する:
- 1ドル=100円(円高)の場合: 売上は 2万ドル × 100円 = 200万円
- 1ドル=150円(円安)の場合: 売上は 2万ドル × 150円 = 300万円
- . 海外での価格競争力が上がる:
- . 市場流動性:
- . セクター間のバランス:
- 時期: 原則として年に1回、10月の初めに行われます(以前は年2回でしたがルールが変更されました)。
- 発表: 入れ替えの約1ヶ月前に、日本経済新聞社から「〇〇社を除外し、△△社を新たに採用します」といった発表があります。
- 除外される銘柄を、決められた日の取引終了時に一斉に売る
- 新たに採用される銘柄を、同じタイミングで一斉に買う
- 少額から始められる: 証券会社によっては月々100円や1,000円から積み立てが可能。
- 自動的に分散投資ができる: 1つの商品を買うだけで、自動的に225社に分散投資したのと同じ効果が得られます。
- 手間がかからない: どの銘柄を買うか悩む必要がなく、プロが日経平均に連動するように運用してくれます。
- コストが安い: 特定の指数に連動するだけなので、専門家が独自に銘柄分析を行うアクティブファンドに比べて、手数料(信託報酬)が安い傾向にあります。
- 日本企業の構造的な変化: 長年のデフレで溜め込んだ現金を、株主還元(増配や自社株買い)や成長投資に積極的に回すようになった。
- デフレからの脱却期待: 物価と賃金が上昇する好循環が生まれつつあることへの期待感。
- 世界的な資金の流れ: 経済が好調なアメリカなどに比べ、日本株が「割安」だと判断した海外投資家からの資金流入。
- 新NISAの開始: 個人の資産を「貯蓄から投資へ」と促す制度が、市場への資金流入を後押し。
- 日経平均株価とは?: 日本を代表する225社の株価を元に算出された「日本の景気の体温計」。日本経済新聞社が算出しています。
- どう計算しているの?: 単純な平均ではなく、銘柄入れ替えなどの影響を調整するための「除数」という特別な数字で割って計算されており、指数の連続性が保たれています。
- 何が株価を動かすの?: 株価が高い「値がさ株」の動向、売買の主役である「海外投資家」の動き、そして輸出企業の業績に影響する「為替レート」が三大変動要因です。
- どう投資に活かすの?: 日経平均に連動するインデックスファンドやETFなら、少額から手軽に分散投資が始められます。PERやPBRといった指標を使えば、市場全体の割安・割高を判断するヒントになります。
つまり、この225社の株価が全体的に上がれば日経平均も上昇し「日本の景気は良さそうだ」と判断され、逆に下がれば「景気が悪いのかな?」と見られるわけです。 2024年2月22日には、バブル期の1989年12月29日につけた史上最高値を約34年ぶりに更新し、39,098円68銭を記録したことで、大きなニュースとなりました。
この「225社の成績表」であり「日本の景気の体温計」である日経平均株価の、さらに奥深い世界をこれから一緒に探検していきましょう。
そもそも日経平均株価とは?ゼロからわかる基本のキ
まずは基本から、もっと優しく丁寧に解説していきますね。ここを読めば、もう「日経平均って何?」とは言わせません!
「日本の景気の体温計」ってどういうこと?
なぜ、日経平均株価が「景気の体温計」と呼ばれるのでしょうか?
それは、株価というものが企業の「将来の価値」を映し出す鏡だからです。
企業の業績が良くなり、これからもっと成長しそうだと多くの人が考えれば、その会社の株を買いたい人が増えて株価は上がります。 逆に、業績が悪化したり、将来に不安があったりすると、株を売りたい人が増えて株価は下がります。
日経平均株価は、日本を代表する様々な業種のトップ企業225社の株価を元にしています。 例えば、世界的な自動車メーカー、最先端の技術を持つ半導体企業、私たちの生活に欠かせない食品会社や通信会社など、まさに日本の産業の縮図です。
これらの企業の株価が全体的に上がるということは、多くの日本企業が元気に稼いでいて、日本の経済全体が上向きだと考えられます。だから、日経平均が上がると「景気が良い」、下がると「景気が悪い」という大まかな目安になるのです。
> 【SNSの声】
> > > 「日経平均が4万円超えたってニュースで見て、なんか自分のお給料も上がるんじゃないかってちょっと期待しちゃう(笑)直接関係ないって分かってるけど、気分は良いよね!」 > > そうなんです。直接的な影響はなくても、国の経済全体のムードが良くなることで、企業の設備投資意欲が湧いたり、消費者のマインドが上向いたりする効果も期待できるんですよ。
誰が、何のために作っているの?
この重要な指標である日経平均株価は、その名の通り「日本経済新聞社」が算出・公表しています。
1950年9月7日に算出が開始され、当初は東京証券取引所が計算していましたが、1970年からは日本経済新聞社が引き継いでいます。
では、何のために作られているのでしょうか? 主な目的は、投資家や経済に関心のある人々に対して、日本の株式市場全体の大まかな動きを分かりやすく示すためです。
個別の会社の株価だけを見ていても、市場全体のトレンドはなかなかつかめません。しかし、日経平均株価という一つの数字を見ることで、「今日は市場全体が上がっているな」「今は下落トレンドだな」といった全体像を瞬時に把握することができます。
この分かりやすさから、日経平均株価は世界中の投資家が日本株に投資する際の重要な判断材料として利用しており、連動する金融商品(投資信託やETFなど)も数多く作られています。
TOPIXとは何が違うの?【初心者向け比較表】
日経平均株価とセットでよく耳にするのが「TOPIX(トピックス)」です。 どちらも日本の株式市場を示す代表的な指標ですが、実は全くの別物。その違いを知っておくと、ニュースの理解度が格段にアップします。
一番大きな違いは、対象となる銘柄の数と計算方法です。
| 項目 | 日経平均株価 (日経225) | TOPIX (東証株価指数) |
|---|---|---|
| 算出元 | 日本経済新聞社 | 株式会社JPX総研(日本取引所グループ) |
| 対象銘柄 | プライム市場上場の代表的な225銘柄 | 原則としてプライム市場の全銘柄 |
| 計算方法 | 株価平均型 (株価の高い銘柄の影響を受けやすい) | 時価総額加重型 (会社の規模が大きい銘柄の影響を受けやすい) |
| 単位 | 円・銭 | ポイント |
| 愛称 | 「日本の経済の顔」 | 「日本の経済の全体像」 |
日経平均株価が「少数精鋭の優等生たちの平均点」だとしたら、TOPIXは「学校全体の生徒の成績を会社の規模(時価総額)で重み付けした総合点」のようなイメージです。
日経平均は、構成銘柄が225社と少ないため、特定の株価の高い銘柄(これを「値がさ株」と呼びます)の動きに指数全体が左右されやすいという特徴があります。 一方、TOPIXは市場のほぼ全銘柄を対象としているため、より広く日本の株式市場全体の動きを反映していると言われています。
どちらが良い・悪いというわけではなく、それぞれに特徴があるのです。ニュースを見るときは、「日経平均は上がっているけど、TOPIXは下がっているな。これは一部の大型株だけが買われているのかもしれない」といったように、両方を見比べることで、より市場のリアルな姿が見えてきます。
【意外と知らない】日経平均株価の計算方法とその不思議な仕組みを解説!
「日経平均株価とは、225社の株価の平均」と聞くと、多くの人が「全部の株価を足して、225で割るだけでしょ?」と思ってしまいます。実はこれ、よくある勘違いなんです。
もし私が新入社員の頃に戻れるなら、この勘違いをしていた自分に「待った!」をかけたいですね。当時、知ったかぶりをして「要は平均ですよね?」と先輩に話したら、「それだと、昨日と今日で会社の価値が地続きじゃなくなるんだよ」と優しく諭された苦い思い出があります。
そう、日経平均の計算方法には、市場の本当の動きを正しく捉えるための、とても巧妙な「仕組み」が隠されているのです。
ただの平均じゃない!「株価平均型」の秘密
日経平均株価の計算式は、以下のようになっています。
> 日経平均株価 = 構成銘柄の採用株価の合計 ÷ 除数
ここでポイントになるのが「採用株価」と「除数」という二つのキーワードです。
まず、「採用株価」ですが、これは各銘柄の実際の株価を「みなし額面」というもので調整した値です。 昔、株には「額面」というものがあり、会社によって50円だったり5万円だったりとバラバラでした。 このバラつきを補正するために、すべての株を「50円額面」に換算し直して計算するというルールがありました。 現在は額面制度は廃止されていますが、その考え方を引き継いだ「みなし額面」や、それに代わる「株価換算係数」というもので、株価の高い銘柄の影響が極端に大きくならないように調整が加えられています。
そして、この計算方法の最大の特徴は「株価平均型」であること。 これはつまり、1株あたりの値段が高い銘柄ほど、日経平均全体に与える影響が大きくなるということを意味します。
例えば、株価10万円のA社が1,000円値上がりするのと、株価1,000円のB社が100円値上がりするのとでは、A社の方が日経平均を押し上げる力はずっと大きいのです。この点は、会社の規模(時価総額)で影響力が決まるTOPIXとの決定的な違いです。
魔法の数字?「除数」が日経平均を支えている
さて、いよいよ日経平均の仕組みの核心である「除数(じょすう)」の登場です。
この「除数」、一言でいうと「指数の連続性を保つための魔法の調整役」です。
株式市場では、企業の業績とは関係なく、株価が大きく変動するイベントが起こります。
もし、こうしたイベントが起きた翌日に、単純に225社の株価を合計して平均を出してしまうとどうなるでしょうか?
例えば、1株1万円だったA社が1株を2株に株式分割すると、株価は5,000円になります。市場で何も起こっていなくても、この5,000円の差額のせいで日経平均はガクンと下がってしまいます。これでは、市場の本当の動きを捉えることができませんよね。
そこで「除数」の出番です。 こうしたイベントが起こる際に、イベントの前後で日経平均株価の値が飛んでしまわないように(連続性が保たれるように)、分母である「除数」の数値を調整するのです。
【プロならこうする】なぜ「除数」は毎日変わるのか?具体例で解説
「除数が調整されるのは分かったけど、具体的にどうやるの?」 その疑問にお答えしましょう。簡単な例で見てみましょう。
【前提】
【イベント発生】
【もし除数が同じ「3」のままだったら…】
市場では何も起きていないのに、銘柄が入れ替わっただけで日経平均が1,000円も跳ね上がってしまいました。これでは指標として成り立ちません。
【「除数」による調整】
そこで、新しい除数を計算します。計算式はこうです。
> 新除数 = 新しい株価合計 × (旧除数 ÷ 以前の株価合計)
>
> 新除数 = 9,000円 × (3 ÷ 6,000円) = 4.5
この新しい除数「4.5」を使って、今日の日経平均を計算し直してみましょう。
> 今日の日経平均 = 9,000円 ÷ 4.5 = 2,000円
見事に、昨日の終値と同じ2,000円になりましたね! このように除数を調整することで、銘柄入れ替えというイベントの影響を消し去り、純粋な市場の動きだけを追いかけることができるのです。
ちなみに、この除数は算出開始当初は構成銘柄数と同じ「225」でしたが、度重なる調整の結果、2021年9月時点では「27.769」になるなど、どんどん小さくなっています。
このように、日経平均株価は単なる平均ではなく、歴史の積み重ねと緻密な計算によって、その連続性が守られている、非常に洗練された指標なのです。
日経平均株価を動かす3つの巨人!あなたの生活にも影響大
日経平均株価が、225社の株価と魔法の数字「除数」で成り立っていることはご理解いただけたと思います。では、実際にその価格は日々、どのような要因で動いているのでしょうか?
実は、日経平均株価の動きには、特に影響力の大きな「3つの巨人」が存在します。この巨人たちの動きを知ることで、なぜ今日の日経平均が上がったのか、下がったのか、その理由をより深く読み解けるようになります。
影響力No.1!「値がさ株」が相場を左右するってホント?
最初の巨人は「値がさ株(ねがさかぶ)」です。
値がさ株とは、1株あたりの株価が高い銘柄のこと。先ほど解説したように、日経平均は「株価平均型」なので、値がさ株が1円動くのと、株価の低い株が1円動くのとでは、指数に与える影響が全く違います。
具体的に、日経平均への影響度が大きいとされる「寄与度ランキング」上位の常連企業には、以下のような会社があります。(※構成比率は時期によって変動します)
これらの銘柄は、1社だけで日経平均全体の数パーセントものウェイトを占めることがあります。 つまり、たった1社の株価が大きく動くだけで、日経平均全体が数100円も動いてしまうことがあるのです。
> 【多くの人がやりがちな失敗談】
> > > 投資初心者のAさんは、ニュースで「日経平均が大幅上昇!」と聞き、「日本経済全体が絶好調なんだ!」と喜び、手当たり次第に色々な会社の株を買ってしまいました。しかし、後でよく調べてみると、その日の上昇は、特定の半導体関連の値がさ株が急騰したことが主な要因で、Aさんが買った他の多くの銘柄はむしろ値下がりしていました。 > > このように、日経平均が上がっているからといって、225社すべての株価が上がっているわけではない、という点は非常に重要です。 ニュースを見るときは、「なぜ上がった(下がった)のか?」その中身、つまりどの業種やどの銘柄が指数を動かしたのかまで注目すると、市場の本当の姿が見えてきます。
海外投資家の動向:クジラが動けば波が立つ
第二の巨人は「海外投資家」です。
日本の株式市場は、実は売買の6割~7割を海外の投資家が占めていると言われています。彼らは、アメリカの年金基金や中東の政府系ファンドなど、莫大な資金を動かす巨大な投資家たち。市場関係者の間では、その存在の大きさから「クジラ」と呼ばれることもあります。
このクジラたちが日本株を「買い」に動けば、市場にお金が流れ込み、日経平均は上昇しやすくなります。逆に「売り」に動けば、日経平均は下落しやすくなります。
彼らが日本株の売買を判断する材料は様々です。
特に2024年に日経平均が史上最高値を更新した背景には、日本企業の業績改善やデフレ脱却への期待感から、海外投資家が日本株を大きく買い越したことが大きな要因として挙げられます。
毎週発表される「投資部門別売買動向」というデータを見れば、海外投資家が買い越しているのか、売り越しているのかが分かります。プロの投資家は、この動向を常にチェックして、市場の大きな流れを読んでいます。
為替(円高・円安)と日経平均の切っても切れない関係
第三の巨人が「為替レート」、特に米ドル/円の動きです。
一般的に、「円安」は日経平均株価にとってプラス(追い風)、「円高」はマイナス(向かい風)に働きやすいと言われています。
その理由は、日経平均を構成する225社の中に、自動車や電機、精密機械といった輸出企業が多く含まれているからです。
【円安が株価にプラスな理由】
例えば、1台2万ドルでアメリカに車を輸出している自動車メーカーを考えてみましょう。
このように、円安になるだけで、海外での売上が円に換算した時に大きく膨らみます。これが企業の利益を押し上げ、業績アップへの期待から株価が上昇しやすくなるのです。
円安は、海外の消費者から見ると「日本製品が安くなった」ことを意味します。そのため、製品が売れやすくなり、企業の売上増加につながります。
もちろん、円安は輸入品の価格を押し上げるため、輸入に頼る企業や私たちの家計にとってはマイナス面もあります。 しかし、株式市場、特に日経平均株価という観点で見ると、輸出企業の業績へのプラス効果が大きいため、円安は株価上昇の要因となりやすいのです。
> 【SNSの声】
> > > 「海外旅行に行くと円安を痛感するけど、そのおかげで日本の株価が上がってると思うと複雑な気分…。でも、自分の持ってる投資信託の基準価額が上がってるのを見ると、やっぱり円安も悪くないのかなって思ったり。」 > > このように、為替の動きは私たちの生活と経済に多角的な影響を与えています。日経平均のニュースを見るときは、必ずといっていいほど為替の話題が出てくるので、この関係性を覚えておくとニュースの理解が飛躍的に深まりますよ。
日経平均株価225社の「選ばれし者たち」の正体
日経平均株価が、225社の株価から成り立っていることは、もうお分かりですね。では、この「225社」は一体、どのようにして選ばれているのでしょうか? 「なんとなく有名で大きな会社」というイメージがあるかもしれませんが、そこには明確なルールと、時としてドラマチックな入れ替え劇が存在します。
どんな会社が選ばれるの?意外な選定基準
日経平均株価の構成銘柄は、日本経済新聞社が独自の基準で選定しています。 主な選定基準は、大きく分けて2つです。
これは「その株がどれだけ活発に売買されているか」を示す指標です。 長期間にわたる売買代金などを見て、いつでも多くの人が売ったり買ったりできる、人気の高い銘柄が選ばれやすくなります。
特定の業種に偏らないように、業種間のバランスが考慮されます。 日本経済新聞社は、全業種を「技術」「金融」「消費」「素材」「資本財・その他」「運輸・公共」の6つのセクターに分類しており、これらのバランスが取れるように銘柄が選ばれます。
この2つの基準を基に、総合的に判断されて225銘柄が決定されます。つまり、単に会社の規模(時価総額)が大きいだけでは選ばれず、市場での人気と、日本の産業構造を代表する存在であることが重要なのです。
年に一度の「銘柄入れ替え」が一大イベントなワケ
225社の顔ぶれは、ずっと同じではありません。時代の変化に合わせて、定期的にメンバーチェンジが行われます。これが「銘柄入れ替え(定期見直し)」です。
この銘柄入れ替えは、株式市場にとって一大イベント。なぜなら、莫大なお金が動くからです。
日経平均株価に連動するように運用されている投資信託やETF(上場投資信託)は、世界中にたくさんあります。 これらのファンドは、機械的に「日経平均と同じ225銘柄を、決められた比率で保有する」というルールで運用されています。
そのため、銘柄入れ替えが発表されると、これらのファンドは…
というオペレーションを必ず行わなければなりません。その運用資産の合計は数十兆円規模にもなるため、入れ替え対象となった銘柄の株価は、実際の企業の価値とは関係なく、この需給要因だけで大きく動くことがあるのです。
この動きを先読みして利益を狙う投資家も多く、銘柄入れ替えの発表から実施日までの約1ヶ月間は、市場関係者の注目が非常に高まります。
> 【プロならこうする、という視点】
> > > 「銘柄入れ替えのニュースが出たら、すぐに動くのは素人。プロは、その前から『次に入るのはどの会社か』『外れるのはどこか』を予想している。過去の入れ替えパターンや選定基準を分析して、候補銘柄をリストアップしておくんだ。もちろん予想が外れることもあるけど、そのプロセス自体が市場の構造変化を理解するのに役立つ。まさに情報戦だね。」
【失敗談】「あの有名企業が入ってない!」初心者が陥りがちな勘違い
日経平均の構成銘柄リストを見ると、こんな疑問を持つ人が少なくありません。
「あれ?日本の超有名企業の任天堂が入ってない!」 「キーエンスや村田製作所といった、世界に誇る優良企業も最近まで入っていなかったの?」
これは、投資初心者が陥りがちな「有名企業=日経平均採用銘柄」という勘違いから来るものです。
これらの企業が過去に採用されていなかった(あるいは現在も採用されていない)理由は、主に「値がさ株」すぎるという点にありました。
先述の通り、日経平均は株価の高い銘柄の影響を強く受けます。もし、1株数十万円もするような極端な値がさ株をそのまま採用してしまうと、その1社だけで日経平均が乱高下してしまい、指標としての安定性が損なわれてしまう恐れがあったのです。
しかし、近年ではルールが改定され、採用時に株価の影響度を調整する「株価換算係数」を適用することで、キーエンス(2021年採用)や村田製作所(2021年採用)といった値がさ株も構成銘柄に加わるようになりました。
このように、日経平均の構成銘柄は、常に時代の変化や市場の状況を反映するように見直され続けています。リストを眺めて、「なぜこの会社が入っているんだろう?」と考えてみるのも、日本経済の今を知る面白いきっかけになりますよ。
日経平均から未来を読む!投資に役立つ3つの視点
ここまで「日経平均株価とは何か」「その仕組みはどうなっているのか」を学んできました。ここからは、その知識をもう一歩進めて、私たちの資産形成、つまり「投資」にどう活かせるのか、具体的な3つの視点をご紹介します。
日経平均と連動する投資信託・ETFって何?
「日本経済の成長に期待したいけど、225社の中からどの会社を選べばいいか分からない…」
そんな投資初心者の方にピッタリなのが、日経平均株価に連動することを目指す金融商品です。 代表的なものに「インデックスファンド(投資信託)」や「ETF(上場投資信託)」があります。
これらの商品は、例えるなら「日経平均225社まるごと詰め合わせパック」。
> 【SNSの声】
> > > 「新NISAを始めたけど、個別株は怖いから、とりあえず日経平均のインデックスファンドを毎月コツコツ積み立ててる。これなら日本の大企業全体に投資してる感じだし、日々のニュースで見る日経平均が自分の資産と連動するから、経済の勉強にもなって一石二鳥!」 > > まさに、この「経済ニュースが自分ごとになる」感覚こそが、インデックス投資の大きな魅力の一つです。日経平均が上がれば自分の資産も増え、下がれば減る。このシンプルな仕組みを通じて、経済の動きを肌で感じながら、長期的な資産形成を目指すことができます。
「PER」「PBR」って何?日経平均の割安・割高を判断するモノサシ
日経平均が4万円を超え、「史上最高値」と聞くと、「もうこんなに高いなら、今から投資するのは危険なのでは?」と感じるかもしれません。
そんな時に役立つのが、現在の株価が「割安」なのか「割高」なのかを判断するためのモノサシ、PER(株価収益率)とPBR(株価純資産倍率)です。
これは個別の企業だけでなく、日経平均全体についても計算されており、市場全体の温度感を測る上で非常に重要な指標です。
| 指標 | PER (Price Earnings Ratio) | PBR (Price Book-value Ratio) |
|---|---|---|
| 日本語 | 株価収益率 | 株価純資産倍率 |
| 計算式 | 株価 ÷ 1株当たり利益 (EPS) | 株価 ÷ 1株当たり純資産 (BPS) |
| 意味 | 企業の「稼ぐ力」に対して株価が何倍か | 企業の「解散価値」に対して株価が何倍か |
| 見方 | 数値が低いほど「割安」 | 数値が低いほど「割安」。特に1倍割れは株価が解散価値を下回っている状態。 |
| 目安 | 日経平均では14倍~16倍あたりが平均的な水準とされることが多い。 | 日経平均では1.2倍あたりが意識されることが多い。 |
例えば、日経平均が史上最高値を更新しても、PERが過去の平均と比べてそれほど高くなければ、「企業の稼ぐ力(利益)が株価以上に成長しているから、まだ割高とは言えないかもしれない」と判断できます。
逆に、株価だけがどんどん上がってPERが20倍、25倍と高くなっていくと、「市場が過熱気味で、割高になっている可能性がある」と警戒することができます。
> 【プロならこうする、という視点】
> > > 「株価の水準だけを見て『高い』『安い』と判断するのは早計だ。必ずPERやPBRといったバリュエーション指標を確認する。さらに、それらの指標がなぜその水準にあるのか、背景にある企業の利益成長率(EPSの伸び)や、金利の動向まで見て初めて、市場の本当の温度がわかる。数字の裏側を読む力が、投資家には求められるんだ。」 > > これらの指標は、日本経済新聞社のサイトや各種金融情報サイトで確認することができます。 日経平均のニュースを見るときに、少しだけPERやPBRの数字にも目を向けてみると、より多角的な分析ができますよ。
日経平均株価の歴史を振り返る!バブルから現在までの激動ストーリー
日経平均株価は、単なる数字の羅列ではありません。そのチャートの背後には、戦後の日本経済が歩んできた、笑いあり涙ありの激動のドラマが刻まれています。過去の歴史を知ることは、現在地を理解し、未来を考える上で大きなヒントを与えてくれます。
史上最高値!バブル景気の熱狂と崩壊
日経平均株価の歴史を語る上で避けて通れないのが、1980年代後半のバブル景気です。
当時の日本は「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と称され、世界経済を席巻していました。土地の価格は上がり続け、「東京23区の地価でアメリカ全土が買える」とまで言われたほどです。その熱狂は株式市場にも波及し、日経平均株価は凄まじい勢いで上昇を続けました。
そして、1989年12月29日の大納会。日経平均株価は、ザラ場(取引時間中)で38,957.44円、終値で38,915.87円という、まさに金字塔を打ち立てます。 これが、2024年に破られるまで34年以上も燦然と輝き続けた、伝説の史上最高値です。
しかし、永遠に続く宴はありませんでした。 1990年に入ると株価は一転して暴落を開始。 土地の価格も下落し、多くの企業や個人が巨額の負債を抱え、日本経済は「失われた10年」、そして「失われた20年、30年」と呼ばれる長い停滞期へと突入していくのです。
リーマンショック、アベノミクス…激動の平成史
バブル崩壊後も、日経平均株価は数々の歴史的な出来事に翻弄され続けます。
| 年代 | 主な出来事 | 日経平均株価の動き |
|---|---|---|
| 2000年頃 | ITバブル崩壊 | ネット関連企業の株価が急騰後、一気に暴落。市場は再び冷え込む。 |
| 2001年 | 米同時多発テロ | 世界経済への不安から、日経平均は1万円の大台を割り込む。 |
| 2008年 | リーマン・ショック | アメリカの大手証券会社の破綻をきっかけに、世界的な金融危機が発生。日経平均はバブル後最安値近辺まで急落。 |
| 2011年 | 東日本大震災 | 未曾有の大災害により、経済活動が停滞。株価も大きく下落。 |
| 2012年~ | アベノミクス相場 | 大胆な金融緩和と財政出動を掲げた安倍政権の経済政策への期待から、日経平均は長期的な上昇トレンドに入る。 |
| 2020年 | コロナ・ショック | 新型コロナウイルスのパンデミックにより、世界経済が停止。株価は一時的に暴落するも、各国の経済対策により急速に回復。 |
このように、日経平均のチャートは、まさに日本と世界が経験してきた経済危機の歴史そのものです。過去の暴落時に市場がどう反応したかを知っておくことは、将来、同様の危機が訪れた際に冷静に行動するための貴重な教訓となります。
4万円突破!令和の日本経済の行方は?
そして2024年2月22日、日経平均株価はついにバブル期の最高値を34年ぶりに更新。 さらに同年3月には、史上初めて4万円の大台を突破しました。
この歴史的な株価上昇の背景には、
といった、複数の要因が重なっています。
もちろん、この先も世界経済の動向や金融政策の変更など、様々な不確定要素が待ち受けています。しかし、34年という長いトンネルを抜け、新たなステージに立った日本の株式市場。その体温計である日経平均株価の動きをこれからも見守っていくことは、これからの日本経済の未来を占う上で、非常にエキサイティングな体験となるでしょう。
まとめ:日経平均を知れば、経済ニュースはエンターテイメントになる
毎日目にする「日経平均株価」。その正体は、単なる数字ではなく、日本経済のドラマを映し出す、非常に奥深く、そして面白い指標でした。最後に、この記事の要点を振り返ってみましょう。
もう、あなたはニュースで日経平均株価の話題が出ても、ただ聞き流すことはないはずです。「今日の上げは、円安とあの半導体銘柄のおかげだな」「PERはまだ割高じゃないから、市場は強気なんだな」そんな風に、ニュースの裏側を読み解き、自分なりの考えを持つことができるようになっているでしょう。
経済を知ることは、未来を予測し、自分の資産を守り、そして豊かにするための最強の武器になります。今日、この記事を読んで得た知識は、そのための確かな第一歩です。
さあ、まずは今日のニュースで、日経平均株価が昨日からどう動いたか、そしてその理由は何だったのかをチェックしてみてください。きっと今までとは全く違う、新しい世界が見えてくるはずです。あなたの知的好奇心という冒険は、まだ始まったばかりです!
