こっちのけんと:音楽活動と仕事観、家族への思い
「はいよろこんで」の大ヒットと紅白歌合戦出場
2024年5月にリリースされた楽曲「はいよろこんで」は、SNSでの総再生回数140億回を超える大ヒットを記録しました。この大ヒットにより、2024年の第75回NHK紅白歌合戦への出場も決定しました。「はいよろこんで」は、サビの「ギリギリダンス」が特に人気を博し、NHK紅白歌合戦でも披露されました。 大阪・箕面市で開催された「20歳のつどい」では、約1500人の出席者を前にサプライズで登場し、「はいよろこんで」を歌唱、新たな門出を祝いました。 さらに、2024年12月13日には、東京・立川TACHIKAWA STAGE GARDENで自身最大規模のワンマンライブ「よいとこせ」を開催し、約2時間で全16曲を披露しました。このライブでは、デビュー前のアカペラグループ時代の楽曲から、会社員時代にカラオケでよく歌っていた曲、そして最新のヒット曲まで、幅広い楽曲が披露されました。
こっちのけんとさんの音楽活動とキャリア
こっちのけんとさんは、大学時代にアマチュアアカペラの全国大会で2年連続優勝を果たしました。その後、アカペラシンガーとしてバックコーラスなどを担当しながら、動画配信サイトで活動を始めたそうです。2022年8月には初の配信シングルをリリースし、同年12月に発表した「死ぬな!」がSNSを中心に話題となりました。 楽曲制作に加え、映像制作やデザインなども手がける多才なアーティストです。 NHKの就活応援ニュースゼミでは、音楽活動に至るまでの経緯や仕事観、家族への思いなどがインタビュー形式で詳細に語られました。
会社員時代と抑うつ状態の経験
アーティスト活動以前は就職活動を行い、会社員として1年間勤務していました。しかし、過酷な労働環境により体を壊し、抑うつ状態と診断され休職、その後退職しました。 夜中まで仕事をすることが多く、会社に泊まる生活を送る中で、久々に家に帰った際に玄関で動けなくなるほど体調を崩したと語っています。 この経験から、気が楽になれる方法があればそれを選ぶべきであり、仕事で休みたいと強く思う人は抑うつ状態の可能性があるため、病院を受診することを勧めています。
曲作りの姿勢と「自分自身を仕事にしたい」という信念
楽曲制作においては、基本的に「自分に向けて作る」ことを重視しています。過去の自分や未来の自分への手紙のような感覚で作詞作曲を行い、自分の経験を曲に落とし込むことで自分自身の整理もできると語っています。 「はいよろこんで」についても、リリース直前まで何度も修正を重ね、より多くの人に届くように工夫したと説明しています。 仕事観については、「職業というものは存在せず、自分ができることをした結果が仕事になる」という独自の考え方を持ち、「自分自身が仕事になりたい」という強い信念を語っています。 これは、両親の教育や兄である菅田将暉さんの影響も大きいと述べています。
家族、特に兄である菅田将暉さんとの関係
家族、特に兄である菅田将暉さんとは非常に良好な関係を築いており、人生における様々な決断において相談相手として信頼を寄せていると語っています。 兄は、こっちのけんとさんにとってロールモデルであり、憧れの存在であると同時に、相談しやすい存在でもあります。 父親についても、子どもの頃から父親の言うことを聞くと物事がうまくいくという経験から、現在も父親を信頼し、相談しているとのことです。
こっちのけんとさんという名前の由来
「こっちのけんと」という名前は、会社員時代にスーツを着て仕事をする「あっちのけんと」と、私服でリラックスして過ごす「こっちのけんと」という、二面性を表現するために名付けられたものです。 アーティスト活動においては、飾らない普段の自分を表現したいという思いから「こっちのけんと」として活動しているとのことです。
「得意なこと」を仕事にすることの重要性
仕事を選ぶ際には「得意なこと」を軸にすることを推奨しています。 会社員時代には「やりたいこと」を優先して就職活動をしたものの、うまくいかず退職した経験から、「得意なこと」を仕事にすることで、効率が向上し、自由な時間も増えると語っています。「必殺技」のような、自分だけが持つ特別な能力を見つけることが重要だと述べています。
その他
NHK「おはよう日本」では、「はいよろこんで」の歌詞に込めた思いについて、「怒り抱いても優しさが勝つあなたの欠けたとこが希望」という部分に強い思い入れがあると語っています。これは、優しすぎるがゆえに自分を苦しめる友人たちのことを思い、その優しさが希望になっているという考えから生まれた歌詞です。