経済アナリスト森永卓郎氏死去:67歳、がん闘病の末
森永卓郎氏の死去
経済アナリストの森永卓郎氏が、2025年1月28日午後1時33分、原発不明がんで死去されました。67歳でした。所属事務所が同日発表し、長男の森永康平氏もコメントを発表しています。葬儀は近親者のみの家族葬で行われるとのことです。発表によると、森永氏は2023年末にがんが判明し、闘病生活を続けながらも経済アナリストとして精力的に発信を続けていました。生前最後の生放送出演は1月27日放送の文化放送「大竹まこと ゴールデンラジオ!」でした。長男康平氏のコメントでは、2023年11月にがんの告知と同時に余命宣告を受けていたこと、闘病中は多くの方から応援メッセージを受け、家族も勇気づけられていたことが伝えられています。康平氏は、気持ちの整理がつき次第、余命宣告後からの闘病の様子や最期の状況などを公表する意向を示しています。
病状の推移と最後のメッセージ
森永卓郎氏は2023年12月27日、ニッポン放送「垣花正 あなたとハッピー!」でがんであることを公表し、抗がん剤治療を開始していました。同年11月の人間ドックで膵臓がんが見つかり、その後「原発不明がん」と診断されていました。入院しながらも、電話やネットを通じてラジオ番組に出演するなど、仕事を続けました。最後のメディア出演となった1月27日の「大竹まこと ゴールデンラジオ!」では、自宅からリモート出演。番組冒頭で、1週間前から急激に体調が悪化し、何も食べていないためパワーがなくボロボロになっていると発言。一方で、持論を展開するコーナーでは、フジテレビ問題などを題材に世相についても言及し、持論を述べていました。1月27日のTBS NEWS DIGの報道によると、森永氏は「がんの宣告されて以降、最悪の状態」であり、「ものすごく痛い」と語っていました。1月28日にはニッポン放送「垣花正 あなたとハッピー!」を欠席、長男康平氏が代わって出演し、森永氏の容体が非常に厳しい状況であることを伝えました。1月15日には、腫瘍マーカーが正常値の100倍以上に上昇していること、激しい痛みに襲われていることなどを明かしていました。1月16日の放送では、がんの転移が始まっている可能性が高いこと、余命が短いことを示唆する発言もしていました。
森永卓郎氏の経歴と活動
森永卓郎氏は1957年7月12日、東京都生まれ。1980年東京大学経済学部卒業後、日本専売公社(現・日本たばこ産業)に入社。その後、経済企画庁、三菱UFJリサーチ&コンサルティングなどを経て、2006年に独協大学経済学部教授に就任しました。2003年刊行の著書「年収300万円時代を生き抜く経済学」は200万部を超えるベストセラーとなり、“モリタク”の愛称で親しまれました。ラジオやテレビ番組で経済を分かりやすく解説し、人気を博しました。また、時の政権の経済政策を批判することで知られており、がん闘病中も岸田政権への批判を繰り返していました。収集家としても知られ、食玩やフィギュア、サイン入り名刺などを収集し、2014年には自宅のある埼玉県所沢市にコレクション約10万点を展示する「B宝館」をオープンしていました。
投資詐欺への関与疑惑
2024年4月24日、NHKの報道によると、森永卓郎氏を名乗る人物が関与したとされる投資詐欺事件が発生しました。茨城県に住む70歳の会社役員が、SNS広告を通じて森永氏を名乗る人物と連絡を取り、金の積み立て投資を持ちかけられ、約7億円を騙し取られたというものです。警察は詐欺事件として捜査を進めています。この事件は、SNSを利用した有名人のなりすましによる投資詐欺の増加を改めて浮き彫りにしました。