第67回グラミー賞授賞式速報:ビヨンセ悲願の年間最優秀アルバム賞受賞、その他受賞者と話題の出来事
ビヨンセ、悲願の年間最優秀アルバム賞受賞
2025年2月3日(日本時間)、第67回グラミー賞授賞式がロサンゼルスのクリプト・ドットコム・アリーナで開催されました。ビヨンセは、カントリーアルバム『COWBOY CARTER』で「年間最優秀アルバム賞」を受賞しました。これは、ビヨンセにとって同賞初受賞となります。過去4回ノミネートされながらも受賞を逃していたため、今回の受賞は大きな話題となりました。2017年には、アデルが同賞を受賞した際に「ビヨンセが獲るべきだった」と発言したことが記憶に新しいです。ビヨンセは山火事で作業にあたったLAの消防隊員への賛辞を述べるのみで、簡潔なコメントでした。『COWBOY CARTER』は、ビルボードのカントリーアルバムチャートでアフリカ系女性アーティストとして初となる1位を獲得するなど、大きな成功を収めています。ビヨンセはアルバム発売時に、人種や音楽ジャンルにとらわれない世の中になることを願うコメントを発表しており、今回の受賞はその願いに一歩近づく結果となりました。また、ビヨンセは「最優秀カントリーアルバム」賞も受賞し、テイラー・スウィフトからトロフィーを受け取っています。「ジャンルとは表現者をひとつの檻に閉じ込めることでもある」と語り、自身のスタイルを貫くことの大切さを訴えました。アフリカ系のカントリーシンガーたちも、ビヨンセの快挙をポジティブに受け止めており、カントリーミュージック界における黒人アーティストの状況改善への期待が高まっています。
坂本龍一さんの作品「Opus」、受賞ならず
故坂本龍一さんの最後のピアノ・コンサートの音源を収録したアルバム「Opus(オーパス)」は、「最優秀ニューエイジ/アンビエント/チャント・アルバム」部門にノミネートされましたが、受賞には至りませんでした。「Opus」は、坂本さんが2022年9月、がんの治療中にNHKのスタジオで収録した20曲が収録されており、2023年3月に71歳で亡くなった坂本さんの遺作となりました。坂本さんは、映画「ラストエンペラー」の音楽で1989年にグラミー賞を受賞しています。
その他の日本人アーティストの受賞状況
宅見将典さんの楽曲「Kashira」は「最優秀グローバル・ミュージック・パフォーマンス」部門、北川潔さん参加のアルバム「ビヨンド・ディス・プレイス」は「最優秀ジャズ・インストゥルメンタル・アルバム」部門にノミネートされましたが、どちらも受賞を逃しました。
その他の受賞者
テイラー・スウィフトは「Midnights」で年間最優秀アルバム賞を受賞し、史上最多となる4度目の受賞を達成しました。マイリー・サイラスは「Flowers」で年間最優秀レコード賞、ビリー・アイリッシュは年間最優秀楽曲賞を受賞しました。SZAは主要3部門を含む計9部門にノミネートされ、「SOS」で最優秀プログレッシブ・R&Bアルバム賞、「Ghost in the Machine」で最優秀ポップ・デュオ/グループ・パフォーマンス賞、「Snooze」で最優秀R&B楽曲賞を受賞しました。Boygeniusは最優秀ロック・パフォーマンス賞や最優秀オルタナティブ・ミュージック・アルバム賞を受賞しました。
グラミー賞授賞式での出来事
授賞式では、ブルーノ・マーズとレディー・ガガがコラボ曲「Die With A Smile」をパフォーマンスしました。また、Mrs. GREEN APPLEの大森元貴さんがグラミー賞会場にいたことがSNSで話題となりました。さらに、ラッパーのキラー・マイクさんが授賞式会場で逮捕されるという出来事がありました。
ウクライナのゼレンスキー大統領、メッセージビデオで訴え
2022年4月3日に行われた第64回グラミー賞授賞式では、ウクライナのゼレンスキー大統領が事前収録したメッセージビデオで、ウクライナ情勢について訴えかけました。 ゼレンスキー大統領は、ウクライナの音楽家たちが戦場で活動している現状を伝え、「沈黙を音楽で埋めてほしい」と、世界への支援を呼びかけました。ジョン・レジェンド氏らによる「Free」の演奏と、ウクライナ難民支援への呼びかけが同時に行われました。
ローランド創業者、梯郁太郎氏の「テクニカル・グラミー・アワード」受賞
2012年、ローランド創業者である梯郁太郎氏は、「Technical GRAMMY Award」を受賞しました。これは、音楽産業の発展において、レコーディング分野で優れた技術で貢献した個人や企業を表彰する賞で、MIDI規格の制定への貢献が評価されました。
新星チャペル・ローン、6部門ノミネート
2025年のグラミー賞では、チャペル・ローンが6部門にノミネートされました。ドラァグ風メイクがトレードマークのチャペル・ローンは、デビューアルバム『The Rise and Fall of a Midwest Princess』で注目を集め、2024年には「コーチェラ」出演、「MTV VMA 2024」での「最優秀新人賞」受賞を果たしています。